いちご狩りは家族連れやカップルなど、誰と行っても楽しめるレジャーです。いちご狩りができるスポットは全国に拡大していますが、栃木は『いちご王国』と呼ばれるだけあって、いちご狩りスポットが豊富にあります。主力品種やおすすめの農園を紹介します。
栃木県のいちご狩り情報
いちごは、子どもから高齢者まで、幅広い年齢層のファンを持つとてもポピュラーなフルーツです。そのまま口にしてもおいしく、練乳やクリームなどと一緒に頬張っても幸せな味が楽しめます。
全国で最もいちごの生産量が多い県といえば、なんといっても栃木県です。政府統計の作物統計調査(2016年産)によれば、栃木県の生産量は2万5100tを誇り、2位の福岡県と約1万tの差があります。
王国の名に恥じず、栃木県内には、いちご狩りを楽しめる農園が点在し、多くの観光客を迎えています。いちご狩りを検討している人に向けて、とっておきの情報を見ていきましょう。
政府統計|作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成28年産野菜生産出荷統計|いちご
おすすめの時期は?
いちごは、元々春から初夏にかけて旬を迎える食べ物でした。しかしながら、12月の季節需要増大に合わせ、収穫時期を調整するさまざまな工夫が施され、現在は冬に旬を迎える食べ物として認知されています。
近年は、収穫量を上げるために、暖房設備の改良や大型ハウス栽培の発達、品種改良などの進歩もみられます。そのため、いちごを収穫できる時期も長くなってきました。
いちご栽培が盛んな栃木県においていちご狩りが楽しめる時期は、12月上旬~5月上旬です。そのため、年末年始の行楽からゴールデンウィークのレジャーに適しています。
スカイベリーやとちひめなどいちごの品種
栃木県が誇れるのは、全国で1位といういちごの収穫量だけではありません。いちご王国・栃木を支えるもう一つの理由は、品種改良などの研究に力を注いでいる面にもあります。
栃木県には、いちごを専門に研究する、日本で唯一の研究機関『栃木県農業試験場いちご研究所』があります。ここで多数の品種が開発され、栽培技術並びに品質の向上が図られているのです。
そのような背景から誕生した、栃木県を代表する品種を紹介しましょう。
『とちおとめは』、甘さと酸味の絶妙なバランスが人気です。濃厚な味わいが特徴的で、いちご品種取り扱いでトップのシェアを誇ります。
2014年に開発された新しい品種『スカイベリー』の人気も高まっています。最大の特徴は、その大きさです。鶏の卵を超えるサイズのものもあります。
『とちひめ』は、観光いちご園の専用品種ですが、甘くジューシーな味わいが好評です。果皮が柔らかく輸送に不向きなため、市場に出回らないことで『幻のいちご』と呼ばれます。
栃木市や佐野市のおすすめ農園
甘くおいしい味わいはもちろん、小ぶりで赤いビジュアルもかわいらしい『いちご』は、見ているだけでも心躍る果物です。
そんないちごを愛でながら、楽しくいちご狩りができる農園について、栃木県を三つのエリアに分けて紹介していきましょう。
まずは、栃木市・佐野市にあるおすすめ農園からスタートです。
栃木市 観光農園アグリの郷
数多くの名品種を誕生させた栃木県が誇る銘柄の一つが『とちひめ』です。幻のいちごとしてその知名度は急速に高まり、いまや全国区にまで成長しました。
そんな、とちひめが食べられる農園が、栃木市の農事組合法人アグリテック栃木が栃木市観光協会とタイアップして運営する『観光農園アグリの郷』です。
いちご狩りはとちおとめの場合、30分食べ放題で、料金は大人1200~1700円・小学生1000~1400円・幼児600~900円です。とちひめの場合は入園料にプラス100円となり、予約制なので注意しましょう。
1999(平成11)年の開園以来、その来場者数を伸ばし、2016年には年1万人を達成、栃木市では人気のいちご狩り農園へと飛躍しました。体験農園のほか採れたていちごをたっぷり使ったクリスマスケーキ作りなども好評です。
- 施設名:観光農園アグリの郷
- 住所:栃木県栃木市大塚町128-1
- 電話番号:0282-27-0882
- 営業期間:12月上旬~5月上旬
- 営業時間:10:00~15:00
- 定休日:木曜日(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
栃木市 いわふねフルーツパーク
同じく栃木市内にあるのが『いわふねフルーツパーク』です。こちらは、イチゴのみならず、ブルーベリーや梨・ブドウ・トマトといったフルーツ・野菜狩りが1年を通して行えることで人気の農園です。
中でもいちご狩りは高い人気を誇り、予約制による30分間の食べ放題で、料金は小学生以上1300~2500円・3歳以上650~1300円です。
とちおとめとスカイベリーの2品種を好きなだけ食べられます。特にスカイベリーは、大きなサイズと綺麗な形でファンが多い、比較的新しい品種です。
そのため収量には限りがあり、生産状況や季節によっては入場制限を行う場合があります。事前に確認しておくのがおすすめです。
- 施設名:いわふねフルーツパーク
- 住所:栃木県栃木市岩舟町下津原1585
- 電話番号:0282-55-5008
- 営業期間:通年(いちご狩りは12~5月)
- 営業時間:8:30~17:00(11~1月は16:30まで)
- 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 公式HP
佐野市 佐野観光農園アグリタウン
佐野市にある『佐野観光農園アグリタウン』では、各ハウスの中で育てられたイチゴ狩り専用の完熟とちおとめが食べられます。約80棟の50mハウスが並ぶ姿は壮観です。
同農園では、レジャーとしていちご狩りを楽しみ、おいしく食べてもらおうと、完熟の時期と量がしっかりと計算されています。
当日申し込みも余裕があれば受け付けてくれますが、予約優先のシステムなので、予約して出かけるのがおすすめです。
食べ放題制限時間は30分間で、料金はとちおとめの場合、小学生以上1200~1850円・3歳以上の未就学児550~950円、スカイベリーの場合は、小学生以上1800~2550円・3歳以上の未就学児750~1200円となります。
入会料・年会費無料の『いちご狩りクラブ』に会員登録をすると、割引価格で入園できます。
ショッピングエリアや飲食ブースなども併設されており、長時間の滞在にも適しています。季節によってはブルーベリー狩りやモモ狩り、各種農業体験もできるので、1年を通して何度も楽しめる農園です。
- 施設名:佐野観光農園アグリタウン
- 住所:栃木県佐野市植下町802-4
- 電話番号:0283-20-5215
- 営業期間:通年(いちご狩りは12~5月上旬)
- 営業時間:12~2月 9:00~15:00/3~5月 9:00~16:00
- 定休日:無休(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
宇都宮市や鹿沼市のおすすめ農園
宇都宮市と鹿沼市は、それぞれ隣接した市です。両市は栃木県のほぼ中央に位置し、このエリアは宇都宮都市圏と呼ばれ、北関東では最大の都市機能を備えたエリアです。
交通利便性も高い宇都宮市と鹿沼市にも、いちご狩りができる農園があります。おすすめの3農園について見ていきましょう。
宇都宮市 福田いちご園
宇都宮市にある『福田いちご園』は、4500平方mの大型ビニールハウスでいちごを栽培しています。王道の『とちおとめ』や、粒が大きく甘さが魅力の『スカイベリー』のいちご狩りができる農園です。
福田いちご園の特徴は、高設栽培を取り入れている点でしょう。耕した畑で実をつけるのではなく、収穫がしやすい高さで栽培する方法を高設栽培といいます。
そのため、いちご狩りをする際、身をかがめずに楽に行うことができるのです。高齢者や妊婦だけでなく、車いすの利用にも対応しているので、すべての利用者に優しい農園といえるでしょう。
料金は、スカイベリー狩りが中学生以上1800~2200円・小学生1600~2000円・3歳以上の未就学児1400~1800円です。とちおとめ狩りの場合は一律で400円安くなります。
- 施設名:福田いちご園
- 住所:栃木県宇都宮市石那田町876-8
- 電話番号:028-669-2340
- 営業期間:12月中旬~5月下旬
- 営業時間:10:00~16:00(受け付けは15:00まで)
- 定休日:期間中無休(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
鹿沼市 出会いの森いちご園
鹿沼市にある『出会いの森いちご園』は、バリアフリーに対応しています。車いすやベビーカーも一緒に入園できる配慮が、とてもうれしい施設です。
いちご狩りは『とちおとめ』を30分食べ放題で楽しめます。
料金は中学生以上1100~1700円・小学生800~1400円・3歳以上800~900円です。家族連れで65歳以上を対象にしたシルバー割引もあります。
また、いちご園の隣には、キャンプ場やバーベキュー場もあり、アウトドアレジャーを楽しむ人々で、エリア一帯が1年を通して賑わう人気のスポットです。
さらに、いちご園から徒歩約1分『出会いの森福祉センター』には天然温泉があります。乳幼児無料、小学生100円・大人400円で利用できるので、いっぱい遊んで疲れた体を暖かいお風呂で癒すこともできます。
- 施設名:出会いの森いちご園
- 住所:栃木県鹿沼市酒野谷929-1
- 電話番号:0289-60-0175
- 営業期間:1月3日~5月中旬
- 営業時間:10:00~16:30(受け付けは16:00まで)
- 定休日:無休(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
鹿沼市 わたなべいちご園
鹿沼市にある『わたなべいちご園』は3800平方mのビニールハウスで『とちひめ』と『女峰』を栽培しています。
『女峰』は糖度が高い『とちおとめ』などと比べ、やや酸味や硬さが感じられ、ケーキの材料などには最適な品種といわれています。
いちご狩りは小学生以上1000~1400円・3歳上の未就学児500~700円で、女峰が30分間食べ放題となります。予約制ではないので、先着順で赤い実がなくなると受け受け終了となります。
1968年から土耕栽培で生産しており、女峰1万4000株・とちひめ1万1000株を育てており、いちご狩りだけなく、とちひめの直売やジャムの製造販売にも積極的です。
- 施設名:わたなべいちご園
- 住所:栃木県鹿沼市見野1102
- 電話番号:0289-63-4809
- 営業期間:1月2日~5月6日
- 営業時間:10:00~15:00
- 定休日:木曜日(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
日光や那須塩原のおすすめ農園
栃木県北部に位置する日光・那須塩原エリアは、豊かな自然が横たわる、歴史ある観光地です。夏は避暑地として有名で、それ以外の季節も美しい景観で訪れる人々を迎えます。
レジャースポットとして名高い日光・那須塩原でも、いちご狩りが楽しめます。厳選した3園について紹介しましょう。
日光市 日光ストロベリーパーク
観光地としても名高い日光市でのいちご狩りなら『日光ストロベリーパーク』はおすすめスポットです。
化学肥料の使用を避け、栽培は有機肥料によって行われています。日光の豊かな自然の中で育まれ、有機栽培されたいちごは『日光いちご』と呼ばれ、甘さの中に程よい酸味のきいたおいしさが特徴です。
いちご狩りはとちおとめ・スカイベリー・紅ほっぺ・やよいひめの4品種が対象で、30分の食べ放題となっています。
料金は小学生以上1600~1800円・3歳以上1100~1300円で、当日受け付けも可能ですが、予約を入れておくほうが安心でしょう。
いちご狩りで食べるだけでなく、店頭での直売もしています。その他にも、栃木限定商品など人気のお土産も数多く取り揃えているので、ショッピングも楽しい農園です。
- 施設名:日光ストロベリーパーク
- 住所:栃木県日光市芹沼3581
- 電話番号:0288-22-0615
- 営業期間:12月上旬~6月上旬
- 営業時間:10:00~16:00(受け付けは15:30まで)
- 定休日:火曜日(祝日の場合は営業)
- 公式HP
那須塩原市 那須千本松牧場 いちご園
那須塩原市にある那須千本松牧場内にあるいちご園です。特徴は、その栽培方法です。
牧場内に湧き出る温泉の熱を利用して気温調整を行い、『とちおとめ』『スカイベリー』『ミルキーベリー』『やよいひめ』を育てています。
ミルキーベリーはいちご研究所が2012年から開発を進めてきた白いちごで、18年に品種出願登録されたばかりで、まだまだ栽培自体が貴重な品種です。生産量が限られているので、予約の際に生育状況を確認しておきましょう。
高設栽培を採り入れているので、お年寄りや車いす、ベビーカーの利用も安心です。いちご狩りは20分の食べ放題となり、料金は小学生以上1600~2000円・3歳以上800~1000円となっています。
- 施設名:那須千本牧場 いちご園
- 住所:栃木県那須塩原市千本松799
- 電話番号:080-7719-1515
- 営業期間:1月1日~5月中旬
- 営業時間:10:00~16:00(受け付けは15:30まで)
- 定休日:火・水曜日(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
那須町 那須高原農園 いちごの森
那須町ある『那須高原農園 いちごの森』は、多数のビニールハウスで大量のいちごを栽培している農園です。那須の美しい水で育てられたいちごが並びます。
スカイベリーのハウス9棟・とちおとめのハウス14棟のそれぞれで栽培されたいちごは、どれも糖度が高いものです。小さなお子さんでも、練乳なしでも甘さを楽しめるでしょう。
いちご狩りは30分食べ放題で、スカイベリーであれば小学生以上1700~2500円・3歳から小学生未満1200~1900円です。とちおとめの場合は一律700円安くなります。
同園は、お菓子の城・那須ハートランド内に設置された農園です。那須ハートランドでは、同所で販売されているお菓子の製造工場の見学もできます。
- 施設名:那須高原農園 いちごの森
- 住所:栃木県那須町高久甲4588-10
- 電話番号:0287-62-1800
- 営業期間:12月~6月上旬
- 営業時間:9:00~16:00
- 定休日:無休(臨時休業の場合有り)
- 公式HP
構成/編集部