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児童虐待に対する現在の刑罰、6割以上が「軽すぎる」

2020.01.20

今年4月、親の体罰禁止を明記した「改正児童虐待防止法」が施行される。それに先立ち、体罰にあたる行為を具体的に示したガイドラインが公表されたが、その内容には賛否が分かれた。

そこでこのほど、「児童虐待」をテーマとし、体罰の定義、体罰の必要性、児童虐待を減らす方法などを問うアンケート調査が実施されたので、その結果を紹介していきたい。

なお本調査は、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」により、20代~70代の男女796名を対象として行われた。

親の半数が我が子に「手を上げた」経験あり!

子供がいる人のうち、実際に「手を上げたことがある」のは49.8%と約半数を占めた。さらに、26.1%の人が「手を上げそうになったことがある」と回答し、4人に3人の親は手を上げたくなった経験があることが分かった。

子持ち・子なし共に約7割が体罰は「日常的に必要」「時に必要」と回答

「子供のしつけにおいて体罰は必要だと思うか」と尋ねる調査が行われたところ、 子持ち・子なし共に「時に必要」が最多となった。

「日常的に必要」「時に必要」を選んだのは子持ちが70.6%、子なしが67.4%となり、子持ちの人の方が一定の体罰の必要性をより感じているようだ。

厚労省が「体罰のガイドライン」をつくることについてどう思うか

先日厚労省が「体罰のガイドライン」をまとめた。そこで「体罰のガイドライン」をつくることについてどう思うかと尋ねる調査が行われたところ、「賛成」が35.8%、「反対」が13.4%、「どちらとも言えない」が最多の50.8%となり、まだまだ議論の余地を残していることを感じさせる結果となった。

「賛成」とした人からは「常識のある大人が減っており、具体的に示す必要性を感じる」「時代と共に体罰の定義も変わっているから明確にすべき」、「反対」とした人からは「教育方針は家庭によって異なるのでマニュアル化は無理」「ガイドラインを作ったところで虐待をする人はする」等の声が聞かれた。

●ガイドラインの制定に「賛成」の人の意見

・児童虐待は、線引きのできない大人のかかわりがエスカレートしていくことも要因の一つだから。(40代・女性・子供あり)
・体罰は愛情があれば体罰でないと考えている人や、しつけといえば体罰も許されると考えている人、昔を引き合いにだしてこれは体罰ではないと考える人もいて基準は必要だと思います。(50代・女性・子供あり)
・体罰のボーダーラインがはっきりすれば体罰そのものが減ると考えられる。(70代・男性・子供なし)
・家庭内は密室の為、必要と思う。隣近所の監視がしやすくなると思う。(60代・男性・子供あり)

●ガイドラインの制定に「反対」の人の意見

・それぞれの家庭によって教育方針は違うし、程度の問題もある。(60代・男性・子供あり)
・様々な個性の子供に対して単一の物差しを当てるのは相応しくない。(30代・男性・子供あり)
・昔の人間は体罰で育って筋の通った人間に育った。親子であれば当たり前のこと。(70代・男性・子供あり)
・ガイドラインを作ることが教育放棄です。団塊世代・その子供・孫と当初の教育が為されていないのが原因です。ガイドラインは言わば絆創膏、絆創膏をいっぱい貼っても水漏れの解決にはなりません。(60代・男性・子供なし)

●ガイドラインの制定に「どちらとも言えない」人の意見

・ガイドラインを設定することは必要です。ただし、なぜ体罰がおこるのか、親や教師の状態はどうかに関して、議論がないように思います。(50代・女性・子供なし)
・子どもが全て同じ感性や性格ではないから。どう指導するか、教育するか、は大人の資質も併せて育てる必要があると思う。(40代・女性・子供あり)
・ガイドラインができたことは素晴らしいこと、そのガイドラインが適正かどうかはまた別の話だと思う。(20代・女性・子供あり)

子持ちの方が「体罰」に対するハードルが高い傾向に

先日、厚生労働省がまとめた「体罰のガイドライン」で示された具体例について、実際に「体罰」だと思うものはどれかを尋ねる調査が行われた。

すると、ほとんどの具体例において過半数が「体罰だと思う」と回答したが、唯一「他人の物を盗んだのでお尻を叩く」については「体罰だと思う」と回答した割合が半数を割った。

子供が将来罪を犯さないように教育するためには手をあげることも致し方ないと考えている人が多いことが分かった。

現在の日本の親による「児童虐待」に対する刑罰、「軽すぎる」が過半数に

昨今、親による凄惨な児童虐待がニュースで取り沙汰される一方で、虐待をした親への量刑については様々な議論を呼んでいる。

そこで、現在日本における「児童虐待」に対する量刑について意見を尋ねる調査が行われたところ、66.0%もの人が「軽すぎる」と回答した。

児童虐待防止法では、違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるが、それ以外の罰則は定められていない。

虐待死に対する刑罰として適用されることが多い保護責任者遺棄致死罪については懲役3年以上20年以下となっており、無期懲役も死刑も適用されない。

子供の命が失われても親の命は救われることに対して違和感を覚えている人が多いようだ。

また、「厳罰を」という声と共に「そもそも虐待が行われないような対策が必要」との声も多く聞かれた。

●「軽すぎる」と回答した人の意見

・自分が望んで産んだ子を殺すなんて、ただの身勝手だと思う。 普通の殺人よりずっと重くするべき。(30代・女性・子供あり)
・仮に子供が亡くなってしまえば、加害者が親であっても「殺人罪」だと思う。 子育ては大変だから、、などは言い訳。動物でも子育てする。人間も同じ。(50代・女性・子供あり)
・弱い者いじめ以外の何物でもない。子供に何故あれほどむごい仕打ちが出来るのか恐ろしい。児童相談所の限界は分かりきっている。厳罰化も必要だが、子供を救い出す手段の確立はもっと重要だ。(50代・男性・子供なし)
・全体的に日本の刑罰は更生を目指して軽めになっている気がするが、肝心の更生のためのバックアップがないため、ただ懲役というだけで役に立っていない気がする。(40代・男性・子供あり)

親による「児童虐待」を無くすために必要だと思うこと、 1位は「親のための相談所の拡充」

現在の「児童虐待」に対する量刑に対しては、過半数が「軽すぎる」と回答した一方で、「厳罰化」が必要と答えたのは42.1%と半数を割った。最も回答が多かったのは「親のための相談所の拡充」(58.8%)となり、「一時保護施設の拡充」(55.9%)、「警察の積極的介入」(55.8%)、「児童相談所の早期介入」(52.9%)までが過半数となった。

以上の結果から、児童虐待自体を根絶・減らすための施策、そして虐待を受けている子供の保護が重要だと考えている人が多いことがうかがえた。一方、国が推進しようとしている「父親の育休取得の義務化」は最下位となった。

●「児童虐待」を無くすための意見

・核家族化が進み、近所付き合いが減っていくと虐待が見えないところで起きやすくなる。地域の催しに出やすい環境整備と、老人施設と乳幼児の施設を一つにして疑似的な核家族の解消を図るのも一つの有効な手段と思われる。(60代・男性・子供なし)
・世の中子供が欲しくてもできない夫婦や、結婚は望まなくても子供は欲しい女性がたくさん居るので、養子縁組をもっとラフにでき、その支援をしっかりした国を作ればいいと思う。 私も独身で結婚願望はないが、子供は欲しいと思っています。 自分の遺伝子などはこだわりがないので、だったら親を欲している、愛情を欲している子を引き取りたいなと考えています。(30代・女性・子供なし)
・お金や厳罰化だけじゃなく、社会全体がもっと関与できる状態にしないと。(50代・男性・子供なし)
・積極的に他人が子育てに関われるようにして欲しい。虐待のニュースを聞くたびに「その子を預かるのに…」と思う。私は子育て中の専業主婦ですが、そうでなくても預かってあげよう、預かってあげたいと思う人はいると思う。児童虐待をするのは親に原因があるので、妊娠中に両親ともに子育てがちゃんと出来そうか、検査や面接などをして早期発見に努めて欲しい。(30代・女性・子供あり)

<調査概要>
調査タイトル :「児童虐待」に関するアンケート調査
調査対象 :20代~70代の男女796名
調査期間 :2019年12月12日~12月15日
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :株式会社エアトリ

出典元:株式会社エアトリ

構成/こじへい

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