誰もが年を重ね、いつかは老人になる。その時の暮らしを想像すると、金銭的に豊かでいられているのか、健康でいられるのかなど、多くの不安が付きまとうものだ。
そんな「老後の不安」に関するアンケート調査がこのほど、セコム株式会社により、20代以上男女(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上/男女各50名の計500名)を対象に行われたので、紹介していきたい。
約9割が「老後の不安を感じる」と回答
老後の不安を感じるか尋ねる調査が行われたところ、「感じる、または感じた(41.8%)」「どちらかといえば感じる、または感じた(45.4%)」の合計が87.2%と、2012年の調査開始以来、最も高い割合になった。
特に女性の回答では20~60代以上の全世代で、9割以上が老後の不安を抱える結果になった【図1】。
老後の不安の理由は、1位「病気・ケガ」、2位「経済的な負担」、3位「介護」
老後の不安を感じている人の中で、具体的に不安を感じていることを尋ねる調査が行われたところ、昨年と上位3つは変わらず、1位「病気やケガなどの健康不安(72.2%)」、次いで2位「経済的な負担に関する不安(71.8%)」、そして3位「介護に関する不安(52.8%)」と、それぞれ半数以上の回答を得た。
また複数回答で不安を感じている回答は「病気・ケガ」が1位だったが、最も不安を感じることとして回答されたのは「経済的負担(47.0%)」がトップだった。
一方、今年話題になった高齢者の逆走運転などに関連する「交通事故を引き起こしてしまう不安」については、あまり多くの回答を得られない結果に【図2】。
半数以上が老後の備えや対策をしないと回答
老後に備えた対策の有無について尋ねる調査が行われたところ、半数を超える57.6%が「対策をしていない」と回答。対策をしていない人にその理由】を尋ねる調査が行われたところ、「具体的にどのような対策をすればよいかわからないから(57.6%)」が1位だった【図3】。
一方、老後の具体的な備えや対策をしている人にその内容を尋ねる調査が行われたところ、「定期的な健康診断や人間ドックを受診する」「貯蓄する」がそれぞれ54.2%でトップだった【図4】。
家族や配偶者の認知症に対する不安は、56.8%と自分(48.8%)を上回る結果に
認知症に対して不安を感じるか、自分【図5】と家族・配偶者【図7】について尋ねる調査が行われたところ、家族・配偶者に対する不安は「感じる、または感じた(26.2%)」「どちらかといえば感じる、または感じた(30.6%)」と計56.8%が懸念しており、自分(48.8%)を上回る結果となった。
認知症になった場合にとる行動を尋ねる調査が行われたところ、自分【図6】、家族【図8】ともに約6割が「病院に通い、認知症の進行を遅らせる」と回答した。
<調査概要>
・調査期間: 2019年10月25日~27日
・対象: 全国男女500名
(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上/各50名)
・方法: インターネットによるアンケート回答方式
※ 2012年から開始された「日本人の不安に関する意識調査」における同設問。
出典元:セコム株式会社
構成/こじへい