お世話になった人が退職する際は、贈り物を用意しましょう。贈り物の中身や予算は、相手の年齢や立場などに合わせて決めます。お祝いに相応しくないものもあるため、注意が必要です。心のこもったメッセージも添えて、新たなスタートを祝いましょう。
退職祝いの贈り物について
退職は人生の大きなターニングポイントです。新たな門出を祝うと同時にこれまでの感謝の気持ちを込めて、退職祝いを贈りましょう。
退職祝いは、相手の年齢・立場・退職理由によって相場や熨斗(のし)の種類が異なります。失礼のないように、渡すタイミングもシミュレーションしておきましょう。
相場はどれくらい?
退職祝いの相場は、退職する人の年齢や立場によって変動します。同僚・部下の場合は20~30代が3000~5000円、40代以上は5000~1万円が目安です。
上司の場合は20~30代が4000~6000円、40代以上は5000~1万円を目安とし、特別にお世話になった人にはもっと高価なものを贈ってもよいでしょう。複数人の連名なら2~3万円が相場です。
寿退社の人には、個人で贈るのであれば結婚式の引き出物の相場である5000円前後、連名であれば2万円弱を目安に贈り物を探してみましょう。
自分や配偶者の親には1~3万円のものがベターです。
熨斗(のし)には何を書く?
親しい同僚には熨斗がなくても問題ありませんが、お世話になった上司や定年退職する人には熨斗をつけるのがマナーです。
『水引』は『蝶結び』が基本ですが、寿退社の人には『結びきり』が適しています。色は紅白のものを使用しましょう。
表書きは、定年退職の人には『御礼』や『謹呈』、中途退職の人には『御礼』、寿退社の人には『御祝』や『御結婚御祝』、出産で退職する人には『御礼』が適しています。
転職先が決まっている人や独立・起業する人には、祝福と激励の気持ちを込めて『御贐(おはなむけ)』と書いてもよいでしょう。
贈り物を渡すタイミングは?
退職祝いを渡す時期は、退職が正式に決まって辞令が出てから1~2週間程度が目安です。
内示で早めに知らされる場合もありますが、あまりにも早く退職祝いを渡すと「早く出て行ってほしいと思われているのかも…」と誤解を生むおそれがあります。
退職日当日はあいさつ回りで慌ただしい上、持ち帰る私物も多く、避けた方が無難でしょう。連名で贈る場合は、全社もしくは部署主催の送別会が絶好のチャンスです。
個人で贈る場合は、送別会や社内といった公の場で渡すと、用意していない人が気まずい思いをします。プライベートで渡すか、退職する人の自宅に贈りましょう。
退職理由別の贈り物
お世話になった人への贈り物は、心から喜ばれるものを選びたいところです。
結婚・出産・転職・定年といった退職の理由に合わせて、相手が必要としていると思われるものをピックアップしましょう。
寿退社の場合
結婚や出産で退職する人には、キッチン周りのものが喜ばれます。新しい家族が増えるということで、今まで以上に料理や家事に熱が入るからです。
おしゃれな食器や調理器具の贈り物は食卓やキッチンがグッと豊かになり、幸せあふれる新生活に彩りを添えてくれるでしょう。ただし『刃物』や『割れ物』は、人によって受け取り方が異なります。
刃物は「縁を切る」、割れ物は「割れる」「壊れる」などが連想される縁起が悪いものという意見がある一方で「災いを断ち切る」「幸せが増える」などプラスの意味でとらえる人もいます。
どのように受け取られるか心配であれば、念のため避けた方が無難です。
転職による退社の場合
転職を理由に退職する人のなかには「新しい職場で心機一転がんばろう」と身の回りのものを新調する人も少なくありません。
ネクタイ・カフスボタン・マフラー・スカーフ・名刺入れなどビジネスシーンで活躍するアイテムを贈って、新たな門出を祝ってもよいでしょう。
観葉植物・花束・フラワーアレンジメントといった目で見て楽しめる植物の贈り物も人気です。
転職した直後は強いプレッシャーを感じ、新しい職場に慣れるまでにも時間がかかるため、疲れた心を癒やす存在として活躍してくれるでしょう。
定年退社の場合
定年まで勤め上げた人への贈り物は、趣味に関連するものがおすすめです。退職後は時間に余裕ができて、思う存分好きなことに集中できるチャンスが増えます。
夫婦で過ごす時間も多くなるため、2人分の旅行券や食事券を贈るのも手です。
近年では、定年した後も元気に働く人が増えています。仕事を続ける予定がある人なら、ビジネスシーンで使えるアイテムも候補に入れるとよいでしょう。
記念になるような名入れのギフトも定番です。目にするたびに会社員生活を誇りに思い、第2の人生も謳歌してくれることでしょう。
30~40代女性に喜ばれる退職祝いの贈り物
30~40代女性への贈り物は、美しいお花や好みの分かれくいお菓子のギフトが定番です。
忙しい人も簡単に続けられる美容家電や、安らぎのひとときを演出してくれる香りのアイテムも支持されています。
定番のお花・お菓子のギフト
何を贈ろうか悩んだら、ギフトとして不動の人気を誇るお花やお菓子はいかがでしょうか。
30~40代の女性に贈るお花の色は、ピンク・オレンジ・クリームといった華やかな組み合わせがおすすめです。
明るく活気づく色であるオレンジをベースにすると、幸せを願うプレゼントらしくまとまります。花束もよいですが『プリザーブドフラワー』はお手入れが必要なく、長く楽しんでもらえるでしょう。
お菓子は好みが分かれにくい『クッキーの詰め合わせ』が無難です。個別包装なら好きなときに好きなだけ食べられます。
より美しくなれる美容グッズ
30~40代は美意識の高い女性も多く、美容関連の贈り物も最適です。各メーカーから自宅でエステ気分が楽しめる美容家電が豊富に展開されています。
価格帯が幅広く、予算に合わせて選べるのもうれしいポイントです。連名で贈るなら、少し高価な美容家電にも手が届くでしょう。
近年では、テレビを観ながら・スマホを触りながらといった何かしながらお手入れできる『ながら美容』が忙しい現代女性に支持されています。
超音波美顔器・ナノスチーマー・美顔ローラーなど、ながら美容にぴったりのアイテムをピックアップしてみましょう。
リラックスタイムにおすすめの香り
よい香りに包まれると、心がほっと落ち着きます。ボディオイル・アロマディフューザー・アイピローなど、香りが楽しめるアイテムも人気ギフトの一つです。
ボディオイルはベタつきにくいものが好みが分かれません。いずれのアイテムも使うたびに気分が上がるようなおしゃれなパッケージのものが喜ばれます。
ラベンダー・ローズマリー・グレープフルーツなどの自然由来の香りは苦手な人が少ないため、迷ったときは候補に入れてみましょう。
記念に残るものを贈りたいなら、名入れが可能なアロマライトもすてきです。
50~60代女性に喜ばれる退職祝いの贈り物
人生経験が豊富な50~60代女性には、実用的なものを贈りましょう。シーンを問わず重宝するショールや、使い勝手のよいタオルも好評です。
いずれのギフトも品質にこだわって、満足度をアップさせましょう。
さらっと羽織れるショール
ショールはオンでもオフでも大活躍する万能選手です。春夏は冷房対策になり、秋冬は首にかけたり羽織ったりして寒さから守れます。特別感を出すポイントは、素材にもこだわることです。
ずっと身につけていたくなるような肌触りのよいショールは、自然と出番が多くなります。現物を見て選ぶ際は、肌に触れたときにチクチクしないかどうかもチェックしておきたい点です。
相手の好みが分からないなら、定番のチェック柄がよいでしょう。表情がイキイキとして見える明るい色もおすすめです。
シンプルで上質なタオル
シンプルなタオルセットは、個人からの気軽なギフトにも最適です。バスタオルやフェイスタオルが定番ですが『ミニタオル』も根強い人気があります。
ミニタオルは手を拭いたりテーブルを拭いたりと汎用性が高く、喜ばれるギフトの一つです。変化球を狙うなら、体を洗う『ボディタオル』もよいでしょう。
いずれのタオルも、年齢を重ねた肌にもやさしい柔らかい生地が喜ばれます。
薄手のガーゼ素材は乾きやすくて衛生的で、収納するときもかさばりません。軽量で持ち歩きやすく、携帯性もばっちりです。