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中小企業の加入が多い「退職金共済」の仕組みとメリット

2024.03.30

退職金制度を採用している会社の中には、退職金共済に加入する中小企業が増加しています。自社独自の制度に比べ、従業員・会社の双方にメリットの多い制度です。退職金共済とはどのような仕組みなのか、概要や計算方法などを解説します。

退職金共済とは

退職金を準備するにあたり、退職金共済を利用する企業が増えてきています。どのような制度なのか、概要を把握しておきましょう。

積み立てたものが退職金に

退職金共済とは、社外で掛け金を計画的に積み立て、従業員が退職する際に退職金として受け取れる制度です。

一般的にイメージされる退職金は、会社で積み立てるなどして運用された資金をもとに支払われます。しかし、退職金共済で受け取る退職金は、会社が加入した外部機構により積み立てられた資金が原資です。

企業から退職金が支払われるパターンは、会社から直接支払われるタイプ、退職金共済から支払われるタイプ、両方から支払われるタイプの三つがあります。

自分の会社がどのような退職金制度を導入しているかは、会社の就業規則を確認すれば分かります。

中小企業でも退職金を受け取り可能

中小企業の中には、退職金制度を採用していない会社も少なくありません。しかし、退職金共済に加入していれば、自社の退職金制度を設けていなくても、従業員は退職金を受け取ることができます。

退職金共済の中で最も利用されている制度が『中小企業退職金共済制度(中退共)』です。

中退共を利用する企業は、毎月の掛け金を中退共に積み立てます。従業員の退職時には、従業員の請求に基づき、中退共から直接退職金が支払われるという仕組みです。

中退共の場合、退職金の受け取り方法には、退職時に一括して受け取る一時払い以外に、5年または10年にわたり分割して受け取る分割払い、それぞれを併用した一部分割払いがあります。

退職金共済の仕組み

退職金共済の中で最もポピュラーな制度である中退共を例にとり、具体的にどのような仕組みなのかを解説します。一般的な退職金制度との違いも確認しましょう。

中小企業退職金共済事業本部 トップページ

長く加入するほど有利

中退共への加入が24カ月に達した時点で、支給される退職金はそれまでの積立金総額と同額になります。

さらに、43カ月以上働けば、それまで積み立てた掛け金の総額を上回る退職金が支給されます。加入期間が長期になるほど、有利になるような利率が設定されているシステムです。

例えば、掛け金が月々5000円なら、40年納付した時点で55万円以上の得になります。

一方、納付期間が12カ月以上23カ月以下の場合は、退職金が掛け金総額を下回り、やや損をします。

11カ月以下の場合は、そもそも退職金が支給されません。積立金は掛け捨てとなります。入社後1年未満での退職を考えている人は注意が必要です。

掛け金が選べる

個人ごとに掛け金の月額を選べることも、中退共のメリットといえるでしょう。ライフスタイルなどを考慮した上で、無理のない積み立て計画を立てられます。

掛け金月額の種類は、5000円~3万円の範囲内で、16種類が用意されています。パートタイマーなどの短時間労働者は、より少額の掛け金で加入することが可能です。

掛け金の月額は、加入後いつでも増額変更できます。1万8000円以下の掛け金月額を増額する会社には、増額分の一部を1年間、国から助成してもらえる制度があります。

また、従業員の同意を得られたり、現在の月額では厳しいと厚生労働大臣が認めたりした場合は、減額も可能です。

会社の経営が悪化しても受け取り可能

会社から直接支払われるタイプの退職金は、基本的に会社で積み立てを行い、資金は会社で運用管理されます。

そのため、会社の経営が悪化した場合、退職金が支払われなくなる恐れがあります。請求する権利があっても、会社側に資金がなければ泣き寝入りせざるをえません。

一方、中退共から支給される退職金の資金は、中退共により運用管理されます。会社の経営状況に左右されることなく、退職時まで資金がしっかりと確保されるため安心です。

また、中退共からの退職金は、退職者の預金口座に直接入金されます。会社が退職者に代わって退職金を受け取ることはできない仕組みとなっています。

企業側にもメリットあり

中退共制度に加入する企業は、新しく加入する場合や掛け金の月額を増額する場合に、一定の条件を満たせば国からの助成を受けられます。

また、中退共制度の掛け金は、全額損金に算入することが可能です。税務上の経費として扱えるため、消費税が非課税となるメリットがあります。

自社での資金管理に手間がかからないことも魅力といえるでしょう。面倒な手続きや事務処理もほとんどなく、基本的には毎月の掛け金を中退共に一括納付するだけです。

退職金共済の金額を知るには

自社が退職金共済に加入している場合、どのくらいの金額を受け取れるのでしょうか。中退共を参考に試算してみましょう。

退職金の計算方法

退職金の金額は、掛け金月額と納付月数に応じて固定的に定められた『基本退職金』に、運用収入の状況に応じて定められる『付加退職金』をプラスして算出されます。

月額や納付月数ごとの基本退職金は、中退共の公式サイト内にある『基本退職金額表』ページで確認することが可能です。

付加退職金の金額は、納付月数の43カ月とその後12カ月ごとの基本退職金相当額に、法令で定められたその年度における支給率を乗じた額を、退職時まで合計した額です。

中退共の公式サイトには、退職金のシミュレーションができる『退職金試算』ページが用意されています。

中退共 基本退職金額表

中退共 退職金のシミュレーション(必要項目入力)

文/編集部

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