NetflixやYouTube、Spotifyを鑑賞しながらゆっくりと過ごす
午後5時半を過ぎるとすっかり暗くなり、もはや車外に出る勇気はないので、スクリーンで映画鑑賞を楽しむことにする。
テスラ・モデル3の上位グレード「プレミアム・インテリア」には、地図やナビ、Wi-Fi経由のソフト更新など基本的な「スタンダード・コネクティビティ」の他に、NetflixやYouTube、Spotifyなど充実したエンタメサービスが楽しめる「プレミアム・コネクティビティ」の有料オプション(納車から1年間は無料)が付いている。
シートにもたれてデザートを食べながら映画を見るシチュエーションは、飛行機のビジネスクラスのようだ。
残念ながら「紅白」は見られないので、昨年秋に追加された「カラオケモード」で歌う。日本の曲はほとんどないが、英語、フランス語の曲は昔流行った有名どころが揃っている。
車内温度を18度に設定して就寝
電力の残量は55%、朝までどの程度残っているか少し心配しながら、車内温度を18度に設定して床についた。
南仏の山の日の出は8時過ぎで、日本ほど早くない。7時ごろ目が覚めてバッテリー残量を確認すると31%。帰路は山を降りるだけなので、下り坂の発電分を考慮すればチャージしなくても十分間に合う。車内で寝転んだまま窓の外が明らむのを待った。
8時過ぎにコーヒーを沸かそうと車外に出ると、雪山がバラ色に染まりながら、みるみる影が後退していくところだ。寒さも忘れ写真を撮りまくる。
ついに南側の山に上る初日の出を拝む。ここぞと欲張って10年分の願いごとを思いつくまま考えているうちに、辺りは朝の光に満たされた。
真冬でも気軽に、夏なら長期バカンスする楽しめそう
特別な装備は不要、普段使っている車で、真冬でも思い立ったらすぐにもキャンプに出かけられる軽さが何よりの魅力だ。夏ならシャワーやトイレ、バーベキューなどの設備があるキャンプ場を利用しながら長期のバカンスも問題ない。各地に温泉のある日本なら、いっそう快適なEVキャンプが楽しめそうだ。「空前のEVブーム」とともに、EVキャンパーも増えていくのではないだろうか。
テスラの「キャンプモード」は、EVの無限の可能性を象徴する機能として、新たな10年のスタートにふさわしい体験を提供してくれた。今後のアップデートが大いに楽しみだ。
参照リンク:「Tesla Model3」公式サイト https://www.tesla.com/ja_jp/model3
取材・文/三崎由美子