
2017年1月4日にフルモデルチェンジして販売された、現行のスズキ『スイフト』。その発売当時にエントリーモデルの役を担っていたのが『スイフト XG』だ。
カタログ落ちしたとはいえスタイルは現行モデル、古くささなんてほとんど感じさせない。
車検を迎える個体がそろそろ現れる中、中古車市場では値段もこなれて注目のグレードといえるが、カタログ落ちすると一気に情報がなくなってしまうのが昨今の情勢。
そこで、2019年12月末だからこそ改めて、『スイフト XG』を見直してみたい。
スズキ『スイフト XG』の外観
重心の低いプロポーションと躍動的なフォルムに身をまとったのが『スイフト XG』だった。
張り出したフェンダーが力強さと安定感を生み、また、大開口のフロントグリルが生む押し出しの強さは、コンパクトカーとは思わせない迫力を生んでいた。
ピラーをブラックアウトしたガラスエリアは、先進感のあるフローティングルーフを表現。リヤドアハンドルはCピラーガーニッシュに配置され、まるで2ドアクーペのようなスタイリッシュなサイドビューが新鮮だ。
スズキ『スイフト XG』の内装/室内・荷室空間
スズキ『スイフト XG』の内装はドライバーを中心とする操作性に優れた構成となっていた。
ナビゲーションパネルやエアコンなどの操作系を運転席側に5度傾けて配置し、スポーティな印象と高い操作性を両立する。
また、メーターやホーンパッド、エアコンスイッチなどの機能部品は円筒モチーフに統一。スピンドル加工の盤面や、水温計・燃料計をメーター内に配置したデザインなどにより、スポーティさと高い質感を実現していた。
ステアリングホイールはスタイリッシュなD型となっている。
肩部から座面まで立体的な造形とされ、ホールド性と高い質感を両立したスポーティなフロントシートも魅力のひとつだろう。
『スイフト』は、このフルモデルチェンジにより新設計のプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」へと移行。優れた乗り心地とゆとりある乗員スペース、豊かな荷室スペースを確保した。
先代スイフトに対して開口部を80mm低く設計。荷物の出し入れがしやすくなった。
スズキ『スイフト XG』のエンジン・駆動形式・燃費
『スイフト XG』には、スズキ自慢のK12C型デュアルジェット エンジンが搭載されていた。
燃焼改善技術により圧縮比を12.0から12.5まで上げて熱効率を高めながら、冷却性能向上や混合気の最適化などの技術でノッキングを抑制。低回転域での豊かなトルクを生みつつも、エンジンの軽量化・コンパクト化やフリクション低減により優れた燃費性能と力強い走りを両立する。
形式:K12C型
種類:水冷4サイクル直列4気筒DOHC16バルブ吸排気VVT
総排気量:1242cc
圧縮比:12.5
燃料供給装置:EPI(電子制御燃料噴射装置)
最高出力:67kW(91PS)/6000rpm(ネット)
最大トルク:118N・m(12.0kg・m)/4400rpm(ネット)
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量:37L
スズキ『スイフト XG』の駆動方式・ミッション形式は?
同車には、2WD(FF)と4WD(フルタイム)があり、2WDには5MTとCVT、4WDにはCVTが用意される。
スズキ『スイフト XG』の燃費はどうだった?
『スイフト XG』には2WDの5MT車とCVT車、4WDのCVT車がラインアップしていた。
同車の燃費消費率をJC08モードで以下の実力だった。
2WD・5MT:23.4km/L
2WD・CVT:24.0km/L
4WD・CVT:22.8km/L
スズキ『スイフト XG』の評価・走りはどうだった?
徹底した軽量化を行い、従来モデル比で約120kgのシェイプアップを実現したのも、この『スイフト XG』だった。
さらに、優れたハンドリング性能としなやかな乗り心地を両立させるために、サスペンションは新設計され、レイアウトも刷新。欧州各国で走り込みや性能確認を行った結果、その走りには高い評価を得た。
スズキ『スイフト XG』のサイズ・重量・タイヤサイズ
全長:3840mm
全幅:1695mm
全高:2WD車1500mm/4WD車1525mm ※ルーフアンテナを除く
室内寸法:長さ1910mm×幅1425mm×1225mm
ホイールベース:2450mm
車両重量:2WD・5MT車840kg/2WD・CVT車870kg/4WD・CVT車930kg
乗車定員:5名
タイヤサイズ:175/65R15
スズキ『スイフト XG』の販売当時の価格
『スイフト XG』の販売当時の価格を振り返ってみよう。
『スイフト XG』
2WD・5MT 134万3520円〜
2WD・CVT 134万3520円〜
4WD・CVT 149万7960円〜
スズキ『スイフト XG』の中古車相場
大手中古車販売サイトで現行型『スイフト XG』の中古車相場を確認してみた(2019年12月末時点)。
2WD車は286台掲載されていて、最安値は2017年式・走行距離4万km・茶・2WD・CVTの『スイフト XG』で、価格は55万9000円となっていた。
一方、最高値は2019年式・走行距離1万4000km・白・4WD・CVTの『スイフト XG』で、価格は135万1000円となっていた。
中古車の『スイフト XG』は買い?
簡素な装備のおかげで、高い基本性能を持つ現行の『スイフト』を身近な価格に抑えてくれた『スイフト XG』。今となっては、「セーフティパッケージ装着車」をオプションでも設定していなかったことが、『スイフト XGリミテッド』へエントリーモデルの役割を譲る大きな要素になったと思われる。
しかし、『スイフト』は2017年1月4日に発売されたモデルで、2019年末時点で約3年しか経過していない。フルモデルチェンジもしばらく先になると予想されることもあり、程度の良い『スイフト XG』の中古車が手軽な価格で入手できるのなら、購買も考慮に入れてはよいのではなかろうか?
※データは2019年12月下順時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/中馬幹弘