冷える日の晩は、熱い風呂にゆっくり浸かって体を温めたいものだ。そんな冬のお風呂に欠かせないのが、給湯器。普段、何気なく使用している給湯器も、時にお湯が出ないなどのトラブルを起こすこともある。そして冬は、最もトラブルが起きやすい季節といわれる。
そこで今回は、給湯器販売・メンテナンスを行う株式会社キンライサーの担当者に、冬によく起きる給湯器トラブルや、自分でできる対処法を聞いた。「最近、給湯器の調子がなんとなく悪い」「10年以上使い続けている」という場合はぜひチェックしておこう。
最も給湯器の故障・トラブルが発生しやすい月は1月
給湯器の故障やトラブルは、冬に起こりやすいという。キンライサーが2018年4月から2019年3月までの期間に受けた問い合わせのうち、給湯器の故障やトラブルに関するものについて、冬は春・夏に比べ約2倍にも上ったそうだ。特にピークは1月である。
なぜ冬に給湯器の故障やトラブルが増えるのか。キンライサーの担当者は次のように解説する。
「冬は水温が低いため、給湯器の水をお湯に変える『熱交換器』のところで、燃焼させるのに春夏より負荷がかかります。また冬はシャワーだけでなく、湯船に浸かることが多かったり、洗い場でもお湯を使う頻度が高まったりとお湯を使う量が増えるほか、温水床暖房の使用もあるため、給湯器の使用頻度も高くなります。これらの理由から、冬シーズンは給湯器自体に負荷がかかりやすくなるのです。 特に10年以上経過していると、消耗が激しい部分は壊れやすくなります」
多いトラブル「シャワーや給湯のお湯の出が悪い」の原因と解決策
今年も1月に給湯器トラブルが増えるかもしれない。特に多いトラブルとして、キンライサーの担当者は次の5つを挙げる。
1.お湯が出ない
2.お湯の温度が安定しない
3.シャワーや給湯のお湯の出が悪い
4.点火しない
5.その他、凍結トラブル など
このうち、「シャワーや給湯のお湯の出が悪い」というのには、どんな原因があるのだろうか。
「給湯器の水抜き栓のフィルターにゴミなどが詰まるとお湯の出が悪くなったり、お湯にならなかったりする場合があります。もし詰まりがあれば、次の方法で掃除をしてください」
●給湯器の水抜き栓の掃除方法
(1)水抜き栓から出る水(お湯)を受ける容器を準備する。
(2)機器の給水元栓を閉める。
(3)台所・洗面所などすべての給湯栓を開ける。
(4)水抜き栓を左に回して外す。
・水(お湯)が出るので注意してください。
・水抜き栓が固くて回らない場合は、コインなどを水抜き栓の切り欠きに差し込んで、回してみてください。
(5)水抜き栓を配管とつながっているバンドから外す。
(6)フィルター部分を歯ブラシなどで水洗いする。
・水抜き栓からフィルターが外れた場合は、水抜き栓とフィルターの間のパッキンをなくさないように注意してください。また給湯器のタイプによって構造が異なるので、フィルターの清掃に関しては取扱説明書を参照してください。
(7)元どおりに水抜き栓を取り付ける。
(8)すべての給湯栓を閉める。
(9)給水元栓を開け、水抜き栓の周囲に水漏れがないことを確認する。
しっかり取扱説明書を見ながら、行ってみよう。もしやり方がわからない場合は無理をせず、専門業者に頼んだほうがいいだろう。