出来立ての麺を味わえるヌードルバー
もう一つ話題になりそうな車両が4号車の「ヌードルバー」だ。こちらの車両は一両全部がカフェテリアのような車内になっており、こちらでは「こだわりの麺」を味わうことができる。
ここで疑問なのが、なぜ麺なのか? というメニューのチョイス。伊豆は特に麺が有名なエリアではない。ではなぜ? という質問に対しては「旅の楽しみである食を車内で楽しんでいただきたいと思いつつ、目的地で美味しいものを召し上がる方がほとんどだと思うので、軽めに食べられて日本の伝統的な食文化である麺を選んだ」とのことだ。
味わえるヌードルは世界から注目を集める料理店「傳」料理長、長谷川在佑氏監修のラーメン。加えて鉄道ファン的に注目したいのが、こちらの車両の形式である「サシE261」という表記。「サ」は走行用のモーターがないことを示し、「シ」は食堂車を示している。この「シ」の文字がポイントで、かつての長距離特急や寝台列車と同様にサフィール踊り子には今ではレアな存在である食堂車が付いているということになるのだ! (あくまでも形式上のお話だけど……)
新しい伊豆を感じる「サフィール踊り子」
今回、撮影が許されたのは外観、プレミアムグリーン車、グリーン個室のみだったが、それでも新しい伊豆を満喫できる予感を十分に感じられる車両だ。
車両コンセプトには「大人のIZU 本物のIZU」というキーワードが掲げられ、プレミアムグリーン車などはまさにそれを具現化したものに感じる。「子どもづれにはハードルが……」とちょっと思ってしまうところだが、個室をリザーブすることができれば、ファミリーで楽しく伊豆までの時間を全員で楽しむこともできるだろう。
同じく編成に4部屋ある6人用グリーン個室。広々としたプライベートスペースが魅力
「サフィール踊り子」は主に東京〜伊豆急下田間を平日1往復、休日や多客時には臨時列車も運行される。1号車プレミアムグリーン車はJR線内100kmまでは2550円、200kmまでは3600円、伊豆急行線に乗り入れる場合は1600円が加算される。グリーン個室は4人用が8400円、6人用が12600円(JR線内のみ。伊豆急行線内に直通する場合は4人用3120円6人用4680円加算)。
いずれもみどりの窓口などで乗車日1か月前から発売開始となる。
春の伊豆・下田に斬新な特急車両がデビューする。この列車が伊豆にどんなインパクトを与えるか、今から楽しみだ。
取材・文/村上悠太