ここ数年、ビジネスの現場で好印象を与えるべく、男性のスキンケアへの意識が高まっていると言われている。では、世界と比べるとどうなのだろうか?
そこで今回、株式会社ニベア花王による、日本・中国・アメリカ・イギリス・フランスの男性(年齢:20~59歳)を対象に、「ビジネスと男性スキンケア」をテーマとしたインターネット調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。なお、本調査結果を受けて、男性美容研究家・藤村岳氏のコメントも添えられているので、併せてご確認いただければと思う。
化粧水の使用率は世界5か国で日本が第1位!
世界5か国の20代から60代男性を対象に、現在使用している顔用スキンケア商品を尋ねる調査が行われたところ、化粧水/ローションを使用している日本人は32%と世界最高の一方で、乳液の使用率は世界最下位という結果になった。
また、中国は全体的にスキンケアの使用率が高い傾向にあることが判明。イギリスやフランスでは、クリームなどの保湿ケアを重視していることが分かった。
Q1.あなたご自身が、現在使用している顔用スキンケア商品があれば、すべてお知らせください。(複数回答 N=800)
顔用スキンケア商品を使用する理由、「イキイキとした印象に見せるため」
顔用スキンケア商品を使用する理由を尋ねる調査が行われたところ、「イキイキとした印象に見せるため」と回答したのが日本は13.7%と世界最下位になっている一方で、「習慣で」と回答した割が各国に比べ1番高くなっている。
また、顔用スキンケアのまた、顔用スキンケアの製品情報は常にチェックしているか尋ねる調査が行われたところ、中国では「非常にそう思う」「そう思う」と回答した割合が64%に上る一方で、日本は17.6%にとどまっている。
Q2.あなたが、顔用スキンケア商品を使用するのは、どのような理由からですか。(複数回答 N=800)
■男性美容研究家 藤村岳氏コメント
高温多湿な日本の環境を表した結果ですね。湿度が低く水の硬度が高い欧州などでは男女ともに保湿は乳液やクリームなど油分の入ったものが一般的で、保湿のために化粧水を使うのはめずらしいこと。反対にサッパリとした清涼感をもたらす保湿として機能する化粧水は日本などアジアを中心に好まれているという状況があります。
むしろここでは多くの日本人男性が洗顔後の保湿がすでに「習慣」になっていることに注目すべき。それはとても素晴らしいことで、ここ数年の美容意識の変化の象徴です。ただし、冬場は化粧水だけでは足りないので、今後は一歩進んでスキンケアを行う目的を個々人が明確に理解し、化粧水や乳液などのアイテムを季節や肌質、状況に合わせて使い分けられるようになっていくよう期待しています。
国際的にビジネスの現場で男性のスキンケアの対する意識が高まっている!
また、ビジネスの現場で男性のスキンケアに対する意識が高まっているか質問が投げかけられたところ、中国が97%で世界第1位に続き、フランスでも76%が意識の高まりを実感している一方で、日本は53.8%と世界最下位であった。
Q3.あなたは、ビジネスの現場で、男性のスキンケア(顔)に対する意識が高まっていると思いますか。(単一回答 N=800)
Q4.ビジネスの現場で肌ケア(顔)していない人に対し、あなたはどのような印象をいだきますか。(複数回答 N=800)
日本はビジネスマナーとしてスキンケアに「非常に気を使ってる」回答したのが10.8%。世界最下位に
世界5か国の20代から60代男性を対象に、実際に「ビジネスマナー」として、スキンケアをどの程度気を使っているか尋ねる調査が行われたところ、「非常に気を使ってる」と回答した割合が10.8%と各国で最低という結果になった。
Q5.以下に挙げた内容について、あなたは実際に「ビジネスマナー」として、どの程度気を使っていますか。それぞれお知らせください。スキンケア(顔)(単一回答 N=800)
■男性美容研究家 藤村岳氏コメント
個人的に「肌は心身の健康を映す鏡」の役割を果たすと思っています。肌に表れた細かな変化を見逃さず、その時に必要なケアを選択する「肌マネージメント」は、分析力と対応力を求められる「ビジネスマネージメント」と考え方は同じと言ってよいでしょう。となると、日本人男性の意識がここまで低いのは問題です。
パッと見で「清潔感」のある男性の裏には普段から健康を気遣い、年齢やトラブルに応じた適切なスキンケアをしている努力が隠れているものです。優秀なビジネスマンほど、その隠された現状の分析力とトラブルを解消するための対応力を瞬時に見抜き、「この人となら仕事をしても大丈夫だ」と判断するものなのでしょう。今後はより一層、「見た目の清潔感」に対するジャッジは厳しくなり、第一印象の与える重要性が増していくことになると予想できます。
化粧水の使用率で世代間格差!50代の3人に1人は顔用スキンケア商品を使用していないが判明!
次に日本20代から50代男性を対象に、現在使用している顔用スキンケア商品を尋ねる調査が行われたところ、化粧水の使用率が20代45%,30代41%に対し、40代27%,50代18%となり、世代間で差が開く結果になった。また、「使っているものは無い」と回答した50代は36%に上り、3人に1人は顔用スキンケア商品を使用していないということが判明した。
Q6.あなたご自身が、現在使用している顔用スキンケア商品があれば、すべてお知らせください。(複数回答 N=400 各世代100名)
20代の約80%が「年齢を重ねるほどスキンケアが必要になる」と回答!情報感度も高かった!?
また、顔用スキンケアの製品情報は常にチェックしているか尋ねる調査が行われたところ、 「非常にそう思う」「そう思う」と回答した50代は5%,、40代は14%にとどまる一方で、30代は20%、20代は31%に上った。
年齢を重ねるほどスキンケア(顔)は必要になるか聞いた場合も、20代は「非常にそう思う」「そう思う」と約80%が回答した一方で、50代の34%は「どちらともいえない」と回答している。
Q7.あなたは、年齢を重ねるほどスキンケア(顔)は必要だと思いますか。(単一回答 N=400 各世代100名)
Q8.以下に挙げた内容についてあなたのお気持ちに近いものをそれぞれお知らせください。顔用スキンケアの製品情報は常にチェックしている。(単一回答 N=400 各世代100名)
20代の約7割がビジネスの現場でスキンケア意識の高まりを感じていた!
ビジネスの現場で、男性のスキンケア(顔)に対する意識が高まっているか尋ねる調査が行われたところ、 「非常にそう思う」「そう思う」と回答した50代は44%にとどまる一方で、20代は68%に上り、その差は24%となった。また、50代の41%は「どちらともいえない」と回答している。
Q9.あなたは、ビジネスの現場で、男性のスキンケア(顔)に対する意識が高まっていると思いますか。(単一回答 N=400 各世代100名)
また、ビジネスの現場で男性のスキンケアに対する意識が高まっているか尋ねる調査が行われたところ、20代の52%が清潔感がないと回答している一方で、 40・50代は特に何も感じないと感じていないと回答した割合も高くなっている。
Q10.ビジネスの現場で肌ケア(顔)していない人に対し、あなたはどのような印象をいだきますか。(複数回答 N=400 各世代100名)
■男性美容研究家 藤村岳氏コメント
生まれたときから様々なデバイスに囲まれている「デジタルネイティブ世代」が台頭してきたように、当たり前のこととして保湿や日焼け止めを塗る習慣がある「ビューティネイティブ世代」が社会に進出してきている今。自然にケアできる彼らと対照的に「男にスキンケアは必要ない」と思い込んできた中高年の間にギャップがあるのは当然のことです。
しかし、非ビューティネイティブ世代の間でも「気づき」がある人とない人の格差が確実に開いてきています。スキンケアがもたらす個人的、社会的なメリットに気づいた人たちはこっそりと、しかし積極的に採り入れているのが現状で、格差は二重に起こっています。若い世代や気づきのある人たちから後れを取らないためにも、いわゆる旧来型の男性たちがスキンケアの有用性を認識し、一刻も早く採り入れないと公私にわたって不利益を被ることが予想されます。
■男性美容研究家 藤村岳氏
1973年、東京生まれ。大学卒業後、植物関連の雑誌・書籍の編集を行い、ハーブやアロマテラピーの知識を得る。生活情報誌に携わった後、そんな中、男性が読む美容記事を毎日、美容ライターというヒゲを剃らない女性が書くことに違和感を覚え、独立。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動中。その経験と知識を生かし、数々のブランドコンサルティングも行う。
※ニベア花王NIVEAMEN調べ
【調査概要】
・調査対象 男性(年齢:20~59歳)
・調査エリア 日本・中国・アメリカ・イギリス・フランス
・調査サンプル数 日本 400名(各世代100名)中国・アメリカ・イギリス・フランス各100名
・調査期間 2019年10月21日(土)~23日(月)
・調査機関 楽天インサイト株式会社
出典元:株式会社ニベア花王
構成/こじへい