手数料……この言葉に好印象を抱いている人はきっといないはず。それゆえ、先日報じられた大手メガバンクが金融機関に口座を持っているだけで預金者に手数料を課す「口座維持手数料」の導入を検討しているというニュースに、憤りを感じた人は多いかもしれない。
そんな「手数料」についての意識調査がこのほど、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」により、20代~70代の男女1,079名を対象にして行われたので、その結果を紹介していきたい。
口座維持手数料、約3/4が「納得できない」!
はじめに、「『口座維持手数料』についてどう思うか」と尋ねる調査が行われたところ、 73.8%もの人が「納得できない」と回答し、「納得できる」と回答したのは8.0%に留まった。
欧米などの銀行では当たり前となっている「口座維持手数料」だすが、増税で家計がひっ迫されている最中であることや、銀行では他のあらゆるサービスに対しても手数料がかかることから否定的な見方をしている人が大半となっているようだ。
口座維持手数料を徴収されるようになった場合、今保有している口座はどうする?
「『口座維持手数料』を徴収されるようになった場合、今保有している口座はどうするか」と尋ねる調査が行われたところ、「解約する」と答えたのが23.5%、「金額や条件によっては解約する」が67.8%となり、実に9割以上の人が解約の可能性を示唆した。
特に、口座を複数持っているからの「口座維持手数料」が導入されるようになったらメインバンク1社に口座を絞ろうと考えているという意見が多く見受けられた。もしも「口座維持手数料」の導入によって解約や口座の整理が進めば、銀行にとっても改悪となってしまうかもしれない。
●「口座維持手数料」が導入されたら「解約する」「金額や条件によっては解約する」と回答した人の意見
・金利が低いので、防犯以外の理由で預けるメリットは少ない。(60代・女性)
・維持のためのコストがかかるのは理解できるが、維持費を払ってまで維持しないといけない口座は限られる。(40代・男性)
・預けられた金融資産を運用して利益を得ているはずの銀行が、利息という形で顧客に還元しなくなって久しいが、それに飽き足らず預けるなら手数料を貰いますとは本末転倒、図々しいにもほどがあると思う。(50代・女性)
・手数料を取られるなら解約したほうがいいと思ったが、他の口座に移す手間や、口座以外で管理するのが大変そう。(20代・女性)
・時間はかかるがメインバンクに振替業務を集約しその他はバッサリ!(60代・男性)
多数ある「手数料」の中で納得できないもの、約9割が「ある」と回答!
銀行に限らず、あらゆるサービスを利用する際に「手数料」が発生する。多数ある「手数料」の中で納得ができないものが「ある」と回答した人は88.3%となった。
納得できない「手数料」、「ATMにおける手数料」が1位に
納得できない手数料が「ある」と回答した人に対し、どんな手数料に対して納得がいかないか尋ねる調査が行われたところ、「携帯・スマホの契約事務手数料」(58.7%)、「銀行窓口における手数料」(55.9%)に15ポイント以上の差をつけて「ATMにおける手数料」(73.9%)が1位となった。
手数料とは『人』の手が掛かるものに対して付加されるもの、という認識を持っている人が多く、ATMを利用することで人的ソースを削減できているはずなのに、手数料がかかることに納得がいかないという意見が多く挙がった。
●「ATMにおける手数料」を選んだ人の理由
・ATMは客が機械操作をして人件費削減に協力している行為です、無料で当然。(60代・男性)
・ATMの方が手数料安いし、早いですよ。と金融機関で案内されるけど・・・なんで利用者の手を煩わせておいて手数料とるの?(60代・女性)
・時間帯により異なること・金額により異なることが納得できない。(30代・女性)
●「携帯・スマホの契約事務手数料」を選んだ人の理由
・手数料込みで価格設定されていたら納得だが、わざわざ別に取られるとそもそもの利益が上がっているのにと理不尽さを感じる。(40代・女性)
・ネットで手続きが済む事に、手数料を支払うのはおかしいと思う。(40代・女性)
・手数料という言葉に「やってあげている」という、上から目線の態度が見える。(70代・男性)
逆に、「これは手数料を取っても良いのではないか?」と思うサービスは何か?
最後に「『これは手数料を取っても良いのではないか?』と思うサービスは何か」と尋ねる調査が行われたところ、 最も多かったのが「荷物の再配達」、その後に「救急車の出動」、「飲食店・ホテルなどの予約/キャンセル」が続いた。
「荷物の再配達」についてはネット通販のアマゾンが「置き配」の普及に向けた実証実験を行い始めたことがニュースとなり、話題を呼んだ。「救急車の出動」や「飲食店・ホテルなどの予約/キャンセル」についてもモラルのない人たちによる事件やトラブルが度々報道されており、手数料を設けることでモラルのない行為が減るのではないかと考えた人が多かったようだ。
■調査概要
調査タイトル :「手数料」に関するアンケート調査
調査対象 :20代~70代の男女1,079名
調査期間 :2019年11月21日~11月24日
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :株式会社エアトリ
出典元:株式会社エアトリ
構成/こじへい