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新興企業の株式を上場前に購入できる「IPO」は利益を得やすいのか?

2020.01.07

新しく上場する新興企業の株式を上場前に購入できるIPOは、大きな利益を狙えるチャンスがあります。そんなIPOとはどんなものなのか、どうやって購入するのかご紹介します。

IPOとは?

IPOとは、「Initial(最初の)、Public(公開の)、Offering(売出)」の略で、未上場の株式が初めて証券取引所に上場することをいいます。

IPOの株式は、上場する前に一定期間申込期間が設けられています。どの証券会社でも買えるわけではなく、取扱証券会社で申込期間中に申込、抽選にかけられた後当選すると購入できます。

IPOは儲かるの?

IPOを申込すると必ず抽選があり、当選しないと買えません。抽選になるほど人気である理由は、IPOを申し込んで当選して購入した株を「初値」で売却すると売却益を得られるからです。

IPOの株は、まだ上場していないため当選して購入できても上場するまで売却できず、上場日から売却可能となっています。上場して初めて付く値段を初値といいますが、上場日の市場が始まる時間(9:00)又は前日に成行注文を出しておくと初値で売却できます。

IPOに当選して購入した価格を「公募価格」といい、初値がこの公募価格を上回ると利益となり、逆に下回ると損となります。

利益又は損失=(初値−公募価格)×当選株数

このように、直近3ヶ月で見ると、IPOの公募価格で買えた人はほとんど大きく儲けることができています。

上場して初めてつく値段である初値で売却した人のうち、86%が利益を出しており、1.5倍になって売却できた株もあります。すぐ売らずに現在まで持っていた場合には、初値より下がってしまっている株もあるため、IPOで当選できた場合は初値で売却した方が利益を確実に得られる可能性が高いといえます。

IPOの買うまでの流れ

IPOは、大まかに1.ブックビルディング期間(申込期間)→2.当選確認・購入意思表示期間→3.上場の流れとなります。

上記の例のA銘柄で流れをご紹介します。

1.ブックビルディング期間中の12月9日~13日の間に、【申込株数】と【価格】を入力して申し込みます。このとき、価格を仮条件の1,200~1,500円の間で指定することができますが、発行価格(IPOの購入価格)が指値した価格より上回る価格で決定すると抽選から外されてしまいます。そこで、価格は、上限価格もしくはどの価格に決まっても買うという成行で申し込みをしましょう。

なお、事前に申込株数×価格分を入金しておく必要があります。(証券会社によっては入金が当選後でも良い証券会社もあります。)

2.抽選結果確認後、購入申込

抽選結果が出て当選した場合、購入意思表示期限の12月17日までに【購入】又は【辞退】の手続きをします。意思表示をしなかった場合は無効となるため、忘れずに購入手続をしましょう。

3.上場日に初値で売却

IPOの株は上場日の12月25日から売買できるようになります。初値で売却する場合、事前に売却注文出しておく必要があります。上場日の前日または当日の9:00前に成行注文を出しておくと、初値で売却することができます。

ときには、買い注文が殺到して値幅制限の上限になっても注文成立しないことがあります。その日には初値が付かないため、翌日も成行売り注文を忘れずに出しておきましょう。

IPOの当選確率

IPOの個人に割り当てられた株数は、日本証券業協会が割り当て後3ヶ月後に公表しています。各証券会社にどのくらい応募があったのかは公表されていないため、当選確率については推測せざるを得ません。

割り当てには抽選のよるものと抽選によらないものがあります。抽選によらないものは、証券会社の営業員による配分で、お得意様に配分することが多くなっています。

抽選によるものは、インターネット等からの申込みで抽選されるものです。申し込んだ人に番号が付され申込株数に関係なく平等に抽選する証券会社、取引状況に応じてステージがあり過去の取引量が多い人ほど抽選確率が上がる証券会社、申込みの株式単位で番号が付されたくさん申し込むほど当選確率が上がる証券会社など証券会社によって抽選方法は異なっています。

上記は、実際に9月に上場したアミファという株です。このとき野村證券は、IPOを主に取り仕切る主幹事証券となっていたため、取扱株数が多くなっています。抽選に付された株数は790単元(1単元=100株)で、395人が当選となっています。野村證券の稼働口座は532万口座となっており、そのうち1%が申し込んだら53,200人となり0.7%の確率となります。次に抽選の割り当てが多いSBI証券についても78人が当選していますが、SBI証券の口座数の1%が申し込んでいたら48,000人となり0.16%の確率となります。申込者数は公表されていないため、推測にしか過ぎませんが非常に当選確率は低いと言えます。

IPOは当選するのが難しい!

当選確率が非常に低いことから、IPOに当選することは非常に難しいでしょう。しかしながら、IPOの申込み自体は当選しない限りお金はかからないため、宝くじや競馬のようにお金がかかるものに比べれば良いかもしれません。当選するためには、大手証券会社のお得意様になること、またはIPOがあるたび毎回抽選に申し込んで当選確率を上げることが考えられます。

IPOには申込期間、購入申込期間など期間が決まっているため、スケジュール通りに粘り強く申し込みする必要があり、根気がない方は難しいかもしれません。

一方、現在日経平均が2万3,000円を挟んで膠着感のある中新興市場に上場しているIPO銘柄には資金が向かいやすく、初値をつけた後でも大きく値上がりしている銘柄も見受けられます。短期値上がり益を狙う方であれば、有望なIPO銘柄に上場後に投資するのも手でしょう。

文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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