架空のロボット兵器、モビルスーツを組み立てる楽しみを享受し続けてくれたガンプラ。40年もの長きに渡って人気が継続するのは、そこに男のロマンを感じさせるリアリティーがありことも理由のひとつかもしれない。が、ここ数年リアリティーとはかけ離れたガンプラがリリースされ続け、しかも大人気だ。それはクマ系ガンプラ。そう聞くと兵器をどっさり装備したゴッツイモビルスーツを再現したモデルと思うかもしれないが違う。テディベアーだ。まるでぬいぐるみのようなフォルムをしたガンプラで、どう見ても女子ウケをねらったもの。
クマ系ガンプラの発祥となったアッガイ。
BANDAI SPIRIT
『HGUC 1/144 MSM-04 アッガイ』1540円(税込み)
そもそもこれは〝ファースト〟『機動戦士ガンダム』に登場した水陸両用モビルスーツ「アッガイ」が、ずんぐりむっくりしていてカワイイと人気があったのがきっかけ。そして、ついにアニメ『模型戦士ガンプラビルダーズビギニングG』で「ベアッガイ」が登場した。それを機に瞬く間にこのクマ系ガンプラが増えていったのだ。40年の間に進化をし続けたガンプラだが、こうしたカワイイものも受け入れる懐の深さに、ロングセラーたる所以があるのかもしれない。
元祖クマ系ガンプラ
BANDAI SPIRIT
『HG 1/144 GPB-04B ベアッガイ』1980円(税込み)
アニメ『模型戦士ガンプラビルダーズビギニングG』で登場した時、往年のガンダム&ガンプラファンを震撼させたクマ系ガンプラ。ヒロインのノヤマ・リナはガンダム作品を見たことがなく、バックパックをランドセルと呼ぶことを知らず、本当に通学用のランドセルを模したパーツを装備させている。見た目に反して火力は高い。
背中の赤いリボンがポイント♥
BANDAI SPIRIT
『HG 1/144 ベアッガイIII』 1944円(税込み)
アニメ『ガンダムビルドファイターズ』に登場したガンプラで〝Ⅲ〟はスリーではなく〝さん〟と読む。「可愛いぬいぐるみがロボットになった」という設定で、素体としているアッガイを黄色のパステルカラーにし、背中に大きなリボンを飾りつけている。見た目は完全にかわいいテディベアだが、口の中からビームを放つなど凶暴性? も備えている。写真下のように、クマさながらの座り方ができる広い可動域も自慢だ。
出典/Amazon
©️SOTSU・SUNRISE・TV TOKYO
子連れ狼ならに、子連れベアッガイ
BANDAI SPIRIT
『HGBF 1/144 ベアッガイF(ファミリー)』1980円(税込み)
ベアッガイⅢの人気を受けて『ガンダムビルドファイターズトライ』では子連れで登場。水色の「プチッガイ」は背中にリボンを、白いボディーの「ママッガイ」には、プチッガイをおんぶできる背負子〝チェアストライカー〟が装備されている。手つなぎ用のジョイントも付属しており、親子?の睦まじい姿を表現できる。
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©️SOTSU・SUNRISE・TV TOKYO
ママがいるならパパもいる!
BANDAI SPIRIT
『HGBF 1/144 パパッガイ』1980円(税込み)
ヒゲ、スティック、シルクハットを備えたダンディーなクマガンプラ。上で紹介した『HGBF 1/144 ベアッガイF(ファミリー)』と揃えれば、下のような〝家族の肖像〟を描ける。写真では優しそうだが、怒った表情のシールも付いており、家族を守る頼もしい姿も表現できる。
出典/Amazon
©️SOTSU・SUNRISE・TV TOKYO
プチッガイの最新モデルはコレ!
BANDAI SPIRIT
『HGPG 1/144 プチッガイ ジャスティッガイ』990円(税込み)
人気となったクマガンダムの中でも、抜きんでたのが子供の「プチッガイ」。他のガンダムシリーズのパイロットを想起させるカラーリングのモデルなど、20種類以上がリリースされた。写真は2020年3月発売予定の新モデルで、『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』に登場。ランス、シールド、マントなどの武装や専用台座が付属する。
文/寺田剛治