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『クレジットカードの限度額』について困った経験を持つ人がいるかもしれません。不意な出費で使いたい時に限度額を超えてしまうと、不自由さを感じます。『クレジットカードの限度額の仕組み』や『限度額を引き上げる方法』を改めて知っておきましょう。
クレジットカードの限度額とは
『クレジットカードの限度額』とは、利用者が無理なく支払えるように設定されている上限金額のことです。
クレジットカードは、クレジットカード会社が利用者の代わりに支払いを済ませておいて、後日まとめて利用者が支払う形になっています。問題なく利用者が後払いできるようにクレジットカードの限度額を設定することが、割賦販売法によって義務付けられているのです。
『限度額』と聞くと『1カ月に使える金額』と思うかもしれませんが、正しくは、『利用した金額が支払われるまでの未払い金』と『利用可能額』の合計を指します。1カ月間に利用できる合計金額ではないと覚えておきましょう。
限度額には種類がある
クレジットカードの限度額には以下のように三つの種類があります。
- ショッピング枠
- 割賦枠
- キャッシング枠
まず、『ショッピング枠』は、買い物に使える金額の総額です。『割賦枠』にはボーナス払いやリボ払い、分割払いに使える割賦枠の上限額が記載されます。そして『キャッシング枠』は、現金を引き出すキャッシングに使える総額です。
利用限度額の仕組みは、カード会社やカードの種類によって異なるのですが、何にいくら使うことができるのか把握しておくことをおすすめします。
年収など支払能力をもとに算出される
クレジットカードの限度額がどのようにして設定されているのか気になるかもしれません。まず『ショッピング枠』は、職業や年収など利用者の属性情報や社内外信用情報などに対して統計的な分析を行い、カード会社が算出しています。
次に『割賦枠』は、年収から1年間で必要な生活維持費および年間請求予定額を差し引き、いくらのカード支払いをする余力があるかという基準で算出された金額です。
最後に、『キャッシング枠』は、借り入れ総額が年収の3分の1を超えない範囲で設定されます。貸金業法で年収の3分の1以上の貸し付けは禁止されているためです。
限度額を確認しよう
意外と自分のクレジットカードの限度額がいくらか知らない人もいるかもしれません。旅行や大きな買い物、引っ越しなどで一時的にクレジットカードを多く使ってしまうと、困ることもあるので、この機会に限度額を把握しておくとよいでしょう。
限度額の確認方法
クレジットカードの限度額は、会員専用WEBサービスや電話で照会することができます。必要なときにいつでも確認できるので、大変便利です。その際は、『ショッピング枠』『割賦枠』『キャッシング枠』を分けてチェックしましょう。
限度額はいつ戻るか
クレジットカードを上限ぎりぎりまで利用している人は、限度額がいつ戻るか気になるでしょう。限度額が戻るタイミングは、「支払日に前月分の請求額が全て引き落とされた時」です。支払った分だけ利用限度額が復活して、再びショッピングやキャッシングに使えるようになります。
もし、クレジットカード引き落とし日に残高不足で引き落としができないと『支払遅延』となり、遅延分の支払いが確認されるまでは限度額が戻りません。
リボ払いなどは回復が遅れる
リボ払いや分割払いなどの場合は、回復するタイミングが遅れるので留意しておきましょう。リボ払いや分割払いの場合は、その月に支払った分の金額しか回復しません。つまり全額を支払い終えるまで、毎月少しずつ限度額が戻っていく仕組みです。
リボ払いや分割払いを利用しすぎると、クレジットカードの限度額を圧迫する要因になるので、計画的に利用しましょう。
限度額を引き上げる方法
自身のクレジットカードの限度額を知って、もう少し引き上げたいと思った人もいるでしょう。旅行や冠婚葬祭、引っ越しなど一時的に出費が増えることがあるとクレジットカード上限額に達してしまうことがあります。それでも慌てず対処するために、限度額を引き上げる方法を知っておきましょう。方法は主に三つです。
増額の申請をする
最もスタンダードなのが、カード会社に連絡して限度額の増額申請をするという方法です。目安としては、新規にカードを作ってから半年後あたりのタイミングが適切だといわれています。
カード会社によって若干方法が異なりますが、増額申請の主な流れは以下のとおりです。
- カスタマーセンターに電話あるいはオンラインで増額申請をする
- 途上与信(中間審査)が行われる
- 増額申請が通ったか、結果が届く
新規でクレジットカードを申し込むときのような面倒さはありませんが、必要書類の提出を求められる場合があります。
一時増額をする
旅行や冠婚葬祭、引っ越しなどで、一時的にクレジットカードで大きな金額の支払いをするときは、『一時増額』を申し込むのがスムーズです。
一時増額なら特別な審査なく利用できることが多いので、手軽に利用できます。ただし一時増額した利用限度額は、一定期間を過ぎれば元に戻るので、いつまで適用されるのか確認しておきましょう。
カードのグレードアップ
クレジットカードの利用額がたっぷり欲しいなら、クレジットカードをステータスの高いものにグレードアップするのも一つの方法です。
クレジットカードにはグレードがあり、『一般カード』『ゴールドカード』『プラチナカード』『ブラックカード』の順にグレードの高いカードが用意されています。グレードが高いほど審査は厳しくなりますが、高い限度額をもらえる可能性が高くなるのです。
収入が増えてきて、さらに大きい限度額を目指すなら、カードのグレードアップも視野に入れてみましょう。
限度額に関する疑問
クレジットカードを使っていると『限度額を超えていないのに使えない』『限度額を超えても使える』ということが発生する場合があります。一体なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
この2つの疑問について、主な原因を解説します。トラブルなくクレジットカードを使うためにも知っておきましょう。
限度額を超えてないのに使えないのはなぜ?
まずは、クレジットカードの限度額を超えていないのに使えないときについて考えましょう。これに関しては単純なエラーの可能性もあり、さまざまな原因が考えられますが、主な五つの原因を紹介します。
- クレジットカードの発行会社が同じで複数のカードの限度額が共有されている
- 急に出費が増えて不正使用検知システムが作動している
- リボ払いや分割払いといった長期の支払いをしている
上記に心当たりがない場合は、クレジットカード会社に問い合わせてみるのが一番確実な方法です。早期に解決することをおすすめします。
限度額を超えても使えるのはなぜ?
次に、クレジットカードの限度額を超えているのに使えるときについてです。限度額を超えても使えると、不安になる人もいるでしょう。考えられる理由は主に二つあります。
- 限度額の『ゆとり』の範囲内だった
- ETCカードを利用していた
クレジットカードの中には、1~5万円ほどの超過であれば問題なく利用できるように『ゆとり』が設定されているケースがあります。とりわけ、公共料金といった固定費の支払いの場合は、限度額を多少超過していても支払いできることがあるようです。
クレジットカードと紐付けされているETCカードの利用分も、本来なら限度額いっぱいになったら使えなくなってもおかしくないのですが、交通を妨げないためにゲートを通過できる場合があります。とはいえ限度額を超えて利用するのは望ましくない状態ですから、何度も超過しないように注意しましょう。
文/編集部