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ETCは車で有料道路を通行する際、料金をキャッシュレスで清算する便利なシステムです。利用するには車載器とともにETCカード(ICカード)が必要ですが、このETCカードをデビットカードで作ることはできるのでしょうか。その疑問に答えながら、その他の方法についても解説します。
デビットカードでETCカードは作れるか
ETCを利用するには、通行料の清算に使用するICカードと、それを読み取るための車載器が必要です。そして、通常はクレジットカード払いとして扱われます。
キャッシュレスで便利なETCシステムですが、デビットカードでETCカードを作れたらいいのにと思ったことはありませんか。
デビットカードは、指定の銀行口座の残高からリアルタイムで支払金額が引落される点でクレジット払いと異なります。また、さまざまな事情からクレジットカードを作れない人でも作りやすいことからも、デビットカードでETCカードを作りたいというニーズは多くあります。それは可能なのでしょうか。
北國Visaデビットカードは可能
デビットカードは、残念ながら基本的にはETCカードには対応していません。しかし、デビットカードでETCカードに申し込める銀行が登場しています。それが『北國Visaデビットカード』です。
北國Visaデビットカードは、金沢市に本店を構え、北陸地方などで展開する北國銀行で普通預金口座を持っている人が申し込めます。
これには、Visaデビットカード機能だけの単体カードと、キャッシュカード機能を合わせ持つ一体型カードがあり、それぞれ15才以上であれば申し込みが可能となっています。
さらにカードローン機能や、自動貸越となるプラスサービス機能を付帯させたカードもあります。こちらは20才以上の人で、安定かつ継続的な収入が必要です。
加えて、居住地に関する規定もあります。北陸三県に住んでいない人が申し込むには理由が必要で、国内のどこに住んでいても申し込みが可能なわけではありません。
なぜデビットカードでは難しいのか
ETCに対応したデビットカードとして北國Visaデビットカードが登場したものの、それ以外には基本的にデビットカードでETCを利用できないという現状があります。なぜデビットカードでETCカードを作ることが難しいのでしょうか。
支払方法が違う
ETCカードをデビットカードで作れないことの大きな理由に、支払方法の違いがあります。デビットカードは即時決済が原則で、使用したと同時に口座から支払額が引落されます。
しかし、ETCの支払いは、後日決済というルールで運用されています。実は、後日決済は、ETCの安定した活用と関連しているのです。
高速道路の料金所をスムーズに通過させ、交通渋滞などの解消を目的にETCは開発されました。もしデビットカード利用時に残高が不足していると、料金所の出口で停められてしまい、交通を妨げる可能性があります。仮に通過できても、その後の請求処理に必要以上の時間とコストがかかる可能性があるのです。
ETCカードを作る他の方法
クレジットカードを用いたETCカードに抵抗があるという人もいます。また、事情によりクレジットカードを作れない人もいるでしょう。
そのような人々にとって、他の方法で作成することは可能なのでしょうか。以下では、その疑問に答えていきましょう。
クレジットカードを持ってない人は審査なしでもETCカードを作ることはできる?
ETCパーソナルカード
クレジットカード以外のETCカード作成を可能とする方法として、『ETCパーソナルカード』があります。このカードなら、クレジットカードとは別にETCカードを作れます。
ETCパーソナルカードはNEXCO(ネクスコ)など有料道路会社によるETCカードで、審査がなく、作成のハードルが低い点が特徴です。
仕組みを見てみると、クレジットカードを持たずとも、デポジット(保証金)を預託することで有料道路のETC走行を可能にしています。
申し込み後、最低2万円のデポジットを預託し、それを担保とします。そして、利用した通行料金が銀行口座から引き落とされる仕組みです。
法人ETCカードやETCコーポレートカード
自営業者もしくは法人である場合には、『法人ETCカード』や『ETCコーポレートカード』の作成ができます。こちらはどのようなカードなのでしょうか。
これらは法人専用の、クレジット機能を持たないETCカードです。双方ともに審査がなく、新しい企業や個人事業主でも作成しやすいカードになります。
これらには、発行手数料や取扱手数料がかかります。しかし、ETC利用で割引料金が適用され、その差額が各手数料以上の金額になればお得なカードといえるでしょう。
家族カードの利用
上記2点どちらの方法でも対処できない場合で、家族に既にクレジットカードを持っている人がいるときには、ETCの家族カードを利用する手段もあります。
「それならば、家族本人のETCカードを借りて使えばいい」と思うかもしれませんが、それは運用上禁じられています。
本人以外のクレジットカードの使用は、規約違反にあたりますので、最悪のケースでは本会員の家族が退会になる場合も考えられるのです。カードの借用はせず、ETC家族カードをきちんと作成して利用しましょう。