日本一多く作られた車両
鉄道車両の製造は需要に応じて行なわれている。通常、工業生産品は量産すればするほど製造コストは下がるが、鉄道車両の場合、必ずしもそうは言えない。というのは手仕事の部分が多く、量産したからといって単価が下がるわけではないからだ。強いて言えば、開発にかけたコストが削減される程度なのだ。
日本一多く作られた鉄道車両として有名なのは、旧国鉄が製造した通勤形電車103系。写真を見れば、「この車両のことね」と多くの人がわかるはず。というのも山手線、中央線、総武線、京浜東北線などで2009年まで採用されていたからだ。大阪環状線では2017年まで現役だったので、まだ記憶に新しい列車かもしれない。
103系は1963〜1984年の21年間に3447両も作られた。都市部の通勤輸送用に開発されたもので、都市部に人口が集中し始めたこの時代に大きな需要があった。加えて、当時の国鉄が抱えていた財政、設備、保守なども考慮され、製造・運用ともに経済性を最重視した設計だった。
現在はJR九州の筑肥線とJR西日本の奈良線や播但線などで、60両程度が残るのみ。これらも老朽化が進んでおり、引退の時は近いーー
代表的な103系通勤電車は鉄道模型にもなっており、今も人気が高い。
トミックス
『国鉄 103系通勤電車(高運転台ATC車・ウグイス)基本セット』
1万6000円
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『国鉄 103系通勤電車(高運転台ATC車・スカイブルー)基本セット』
1万6000円
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『国鉄 103系通勤電車(高運転台ATC車・オレンジ)基本セット』
1万6000円
トミックス
『国鉄 103系通勤電車(高運転台ATC車・エメラルドグリーン)基本セット』
1万6000円
問い合わせ先/トミーテック https://www.tomytec.co.jp/tomix/
文/寺田剛治