〈日本一大きい獅子頭〉茨城県
石岡市HPより
日本一スポットにふさわしいのが「常陸風土記の丘」。茨城県石岡市にあるこの施設は、復元された竪穴式住居や移築した古民家などの文化史跡や民俗、芸能の歴史などを知り、そして体験できる。しかし、ここの目玉は「獅子頭」。そう、正月に縁起を担いで踊ってくれる「獅子舞い」のそれである。驚くことなかれ! 何とこの獅子舞は幅×高さ×奥行きのすべてが10m。台座を含めると全高が14mもあるほど巨大なのだ。
ところで何故、石岡市で獅子頭なのかというと、ちゃんと理由がある。実は獅子頭は石岡市のシンボル。常陸国総社宮の例大祭では様々な神賑行事が催されるのだが、そのひとつとして江戸時代後期に「獅子舞い」が奉納されるようになったとか。「幌獅子」というもので、獅子頭に囃子衆が乗りこむ移動式の小屋が付いた特有の出し物を、各町の名手がかぶり持って舞いながら練り歩くという。この伝統を後世に伝えるべく? 竹下政権時代にあの「ふるさと創生事業」による1億円を投じて、巨大な「獅子頭」が造られた。
単なるオブジェではない。口の中が展望台になっており、「常陸 風土記の丘」のそこかしこにある施設を一望……い、いや、そうでもなく上ってきた階段と芝生の広場を眺められる。展望台というならば、もっといい場所にすれば良い気もするが、それはもう後の祭り。むしろ頭を噛んでもらうと邪気祓いや疫病退治をしてくれるなどのご利益がある獅子頭に、頭だけじゃなく全身を噛んでもらえると思って訪れるのがいいかもしれない。
石岡市HPより
住所:茨城県石岡市染谷1646
文/寺田剛治