キャッシュレス化の波が神社仏閣にも押し寄せている。お賽銭やお守りを購入する際の支払いに電子決済を導入するところが徐々に増えつつあるのだ。
しかし、京都仏教会は「宗教にそぐわない」と否定的で、2019年6月に傘下の約650の寺院にキャッシュレスを導入しないよう声明文を出したという。しかし「キャッシュレス決済」について政府は、2025年までに比率を4割にし、将来的には8割を目標に掲げている。利便性の向上と伝統的な宗教の間には尽きない問答はあるが、ここではいち早くキャッシュレス化を図った寺院を紹介する。
2014年からいち早く電子お賽銭を導入!
愛宕神社(東京都)
【使える電子マネー:楽天Pay、楽天Edy】
東京23区内で最も高い自然の山「愛宕山」にある愛宕神社は、今やデキるビジネスパーソンの多くが使っているキャッシュレス決済を2014年にいち早く導入。40度の勾配で86段も続く石段「男坂」、別名「出世の階段」が有名で仕事運が上がるパワースポットとして知られているこの愛宕神社で、シャリーンとキャッシュレスお賽銭をすれば、2020年は出世確実かも!?
住所:東京都港区愛宕1-5-3
Paypayで支払ってご朱印を授与
海眼寺(京都府)
【使える電子マネー:Paypay】
海眼寺の観音堂に設置してある賽銭箱にはPaypayのQRコードがあり設置しキャッシュレスでの参拝ができるようになっている。
住職の芝原裕三氏は海眼寺のHPで、 「おさい銭やお供えは寄付行為」であり、現状では「Paypayの規約ではPaypayを寄付行為に用いることが禁止されている。あくまでPaypayの利用はご朱印やお札など何らかの物品の授与のさいに限られている。賽銭箱にQRコードを貼り付けてはいますが、ご朱印授与のためのもの」と記している。
住所:京都府福知山市寺町38
四国八十八ケ所霊場もキャッシュレス化
白水山平等寺(徳島県)
【使える電子マネー:d払い、Amazon Pay】
四国八十八ヶ所霊場のひとつである平等寺(徳島県阿南市)も、実証実験でスマホを活用したコード決済を導入。寺にタブレット端末を設置し、参拝者はスマホからお賽銭をキャッシュレスで奉納できるようになっている。副住職の谷口真梁氏は、「お遍路で寺を訪れる外国人が増加し、海外硬貨が賽銭銭に入るようになったこと、お遍路が世界遺産の登録を目指していることから、インバウンド対応をきっかけとして、スマホ決済を導入しました。また、国内については若者の巡礼者が増え、八十八ヶ所霊場を訪れるにあたり、たくさんの小銭を準備する負担を減らしたい」と話す(NIPPON Platformのリリースより)。
住所:徳島県阿南市新野町秋山177
このほか京都府左京区にある世界遺産・下鴨神社も、お守りやお札を授けてくれる授与所でも電子決済を取り入れたという。もはやこの流れは止められない!?
文/寺田剛治