大阪界隈で、にわかに流行語となった「ねこ浴」。
猫たちとふれあうことで、森林浴のように気分が癒されることから生まれた言葉で、意味合いとしては「ねこまみれ」に近い。
この新語の発信源が、大阪市にある猫カフェ「ねこ浴場」。常時十数匹の猫がいる人気の店だ。猫はみな保護猫であり、飼い主希望者とのマッチングの場でもある。
“浴場”という呼び名でも、さすがに入浴施設はない。しかし、入口を入ると銭湯の昔ながらの脱衣所のロッカー(ここでもロッカーとして使用)があり、黄色いケロリンの洗面器(貴重品入れとして使用)があり、壁には富士山の絵が大きく描かれていて、昭和レトロな雰囲気を出している。ちなみに、オプション料金で足湯を楽しめる。
猫カフェ一体型のホステル
さらに「ねこ浴場」をユニークなものとしているのが、宿泊施設(ドミトリー型ホステル)「ねこ旅籠」を併設していることだ。
併設といっても、隣のビルがそうなっているという意味でなくて、まさに猫カフェスペースと透明なガラス1枚隔てて、泊まれる部屋がある。言い換えると、宿泊施設の部屋の窓の向こうに猫カフェがある。
つまり、宿泊者は部屋に泊まりながら、窓越しに「ねこ浴」を楽しめるという趣向。窓は開けられないので、直接のスキンシップはできないが、猫じゃらしを振って猫を呼び寄せたり、「ねこ浴」側にあるリモコン操作のおもちゃを動かしてじゃれさせることは可能。写真を撮るのはOKだが、フラッシュを光らせたり、窓を叩くのはNG。コンセプトは「猫に観察されて眠るホテル」だ。
宿泊費用は、時期により変動するが税別8500~1万1500円。これには、「ねこ浴」の2時間パスが含まれ、「ねこ浴」の開店前・閉店後の従業員の清掃時間にも、「ねこ浴」に入れる特別待遇がつく。
「ねこ旅籠」の正式なオープンは12月16日で、この種の施設としては世界初。その話題性から、宿泊希望者からの問い合わせが絶えないという。