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花粉症やアルコールに対する効果に期待!専門家も注目するお酢が作り出す「酢酸菌」の力

2019.12.14

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

お酢づくりに重要な「酢酸菌」とは

 世界最古の調味料といわれる「お酢」は、生薬としても使われ身体に良い食べ物とされているが、近年、お酢が作り出す「酢酸菌」の研究が進み、最新の研究では花粉症対策への有効性など、注目される効果が明らかになっている。
 酢酸菌の健康価値や日常での取り入れ方を情報発信しているのが有識者による「酢酸菌ライフ」。酢酸菌ライフのメンバーである前橋健二教授と、石原新菜イシハラクリニック副院長によるセミナーが開催された。

 東京農業大学 応用生物科学部醸造科学科 前橋健二教授から、お酢づくりで「酢酸菌」が果たす重要な役割について語られた。

 お酢は世界各地で使われており、酒に酢酸菌を加えることでお酢になるので、酒を飲む文化圏には必ずお酢があり、その地域の食文化を支えている。

 日本人にとってもお酢は和食の根底にある重要な調味料。酸味は薄い塩味を引き立て、濃い塩味を抑制するといった、お酢の加減によって塩味を調整できるため、塩と酸味のバランスから「塩梅(あんばい)」という言葉が生まれた。

 お酢には強い抗菌力があり、食べ物を長持ちさせ、魚や肉のくさみ消しにも使われてきた。生薬としても昔から重用されており、お酢を使うと健康になれることは洋の東西を問わず、大昔から知られていた。実際にお酢には、腸内環境改善、内蔵脂肪の減少、血糖値上昇の抑制等々、さまざまな健康効果が報告されている。

 発酵菌は細胞壁の構造により、グラム陽性菌と陰性菌に分類されるが、酢酸菌はグラム陰性菌に属する。グラム陰性菌は免疫細胞を活性化する「LPS(リポ多糖類)」が含まれていて、LPSは安全に経口摂取でき、グラム陽性菌の乳酸菌や納豆菌と合わせて、酢酸菌を摂ることで相乗効果が期待できる。

 現代の一般的なお酢づくりでは、アルコール発酵させたあと、酢酸菌を加えることで酢酸発酵を行う。酢酸菌は表面に増殖するので膜のように広がり、アルコールを酢酸に変える(原酢)。原酢を熟成させたものがお酢となる。しかし市場に出回っている一般的なお酢は、製品の安定化と、にごりがあると見た目が良くないため、熟成後に濾過しており、この段階でほとんどの酢酸菌がなくなってしまう。

 酢酸菌は自然界にも存在し、ナタデココやカスピ海ヨーグルト、紅茶キノコなど酢酸菌を含む食材もある。お酢には酢酸菌が必ず含まれており、「バルサミコ酢」「黒酢」「香酢」など長期熟成する昔ながらのお酢には、酢酸菌の細胞成分が少量含まれる。また、福岡の「庄分酢」や青森の「カネショウ」のように、伝統的な製法で酢づくりをしている蔵元もあり、こうした「にごり酢」は酢酸菌が残った状態のお酢で、健康面から注目されている。

花粉症対策としても注目される酢酸菌

 イシハラクリニック副院長の石原新菜先生は、酢酸菌の最新研究から花粉症対策に酢酸菌が有効であるという報告が行われた。

 東京では2人に1人が花粉症といわれ年々増加傾向にあるが、原因のひとつは多様な菌との接触が減っているということ。移民当時の生活を営むアメリカのアーミッシュと、都会の子どもを比較した調査では、アーミッシュの花粉症有病率は10分の1以下だった。多様な菌に接触することで病原菌とアレルギー物質を正しく見分けることができ、免疫システムが正常に働くのではないかと多くの研究者が考えている。

 花粉症は免疫システムのエラーによって発症する。花粉を異物と勘違いして過剰なIgE抗体ができて、マスト細胞がIgE抗体と結合、過剰にヒスタミンが放出されてアレルギーを発症する。免疫システムのエラーを改善することで花粉症の予防、改善につながっていく。

 花粉を体に入れない、体質を改善する、薬で症状を抑えるといった花粉症対策3原則のうち、一番大切なのが体質を改善すること。適度な運動やしっかりと睡眠を取ることも必要だが、さまざまな食べ物を体内に取り込むのもポイントになる。

 身体全体で7割もの免疫細胞が腸に集まっており、いろいろな菌に触れる機会が減っている分、食べ物からいろいろな菌を摂ることで免疫バランスを整える「食べる菌体験」を石原先生はおすすめしている。お酢、ヨーグルト、納豆、キムチなど、発酵食品には菌が多い。

 免疫システムを整える要となるのが、病原菌を感知して免疫を作動させるスイッチとなる「TLR」で、白血球のひとつマクロファージの細胞表面にある受容体だ。主にアレルギーを感知するスイッチは「TLR2」と「TRL4」で、乳酸菌や納豆菌では「TRL4」のスイッチは押せないが、両方押せるのが酢酸菌であることが最新研究でわかった。酢酸菌は免疫の過剰反応や誤作動を抑制して、花粉症などのアレルギー症状を抑えることが期待できる。

 さらに酢酸菌と乳酸菌を併用して摂取することで、単体で摂取するよりも倍以上のマクロファージ活性化が確認された。乳酸菌の食べ物に酢酸菌を加えるとより双方の効果が引き出しやすく、酢酸菌は花粉症対策の新たな選択肢としておすすめできる。

 酢酸菌の1日の摂取目安としては、にごり酢、黒酢、香酢、バルサミコ酢など、大さじ1杯(15ml)を毎日継続して摂ることが理想。摂るタイミングは食事と一緒が良く、こまめに摂るのがベストだが、1日1回しか摂れないのなら、腸の動きが活発になる夜間の「腸のゴールデンタイム」に合わせた夕食時が良い。

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