この日は出かける用があり、帰宅後に再トライだ。もう一度マニュアルを見る。「炭酸注入ボタンを1秒ずつ、2回押してください」の次に、「強い炭酸水を作るには、お好みの強さになるまで、1秒ずつ更にボタンを繰り返し押してください。」とある。迂闊だった。押し足りないのか。マニュアルは、ちゃんと読まなくては。ただし、なぜボタンを繰り返し押すと、試飲もせずにお好みの強さになったとわかるのかは謎だ……。と、こんな揚げ足取りはやめて、5回押した。押して気づいた。昨日は、回数以前に“押し”が弱かった。ボタンを“押し込む”と、昨日とは比べものにならないほど泡立つ。それを5回繰り返す。飲む。
強い! これは強い! なんの不満もない! 残った炭酸水を冷蔵庫に入れて、翌日飲む。炭酸、本日も健在なり! 5回押しでこれだから、7回、10回……と押したら、どうなるのか? 限界はあるだろうが、さらに強い炭酸水も作れそうだ。ここでもう一度マニュアルを読むと、「500mlボトルでお作りの際は、約半分のガスの量(回数)でお作りください。」とあった。つまり1リットルの2回押しは、500ミリリットルの1回押しに相当する。押しすぎは、ガスの無駄使いにつながると気づいた。その後の研究(?)で、500ミリリットルなら僕には3回~4回押しで十分と判断した。
さて、この原稿を書いていて気づいたことがある。「500mLボトル1本あたり約18円」とは、どういう計算なのだろう。ガスシリンダー1本で作れる炭酸水は60リットル。1本が税込2200円だから、2200÷60÷2=18.33。つまり「500mLボトル1本あたり約18円」だ。しかしここには、ミネラルウォーター500ミリリットルあたり23円が入っていない! 18+23=41円で、ウイルキンソンとの差は約20円。初期投資の税込15400円(前述の理由で、事実上は約11000円)を考慮すると、お得度は微妙になってくる。ましてや500ミリリットルあたり3回押しすれば、ガスの減りも早くなり計算も違ってくるだろう。かくなる上は、ミネラルウォーターはやめて水道水にするか? それとも浄水器をつけるか?
とはいうものの、実は何も後悔していない。そのくらい強い、納得の炭酸水が即座に作れるのだ。そしてボタンを押し込むや立ち上がる、勢いある泡の様子を見るのがちょっとしたストレス解消になる。いやリタイアの身でストレスはないので、“ストレス解消になる”改め“爽快感を覚える”だ。
炭酸水は洗顔や掃除にも効果的(こちらは水道水で十分)で、使い道もいろいろ。ウイスキーのハイボールという王道もあるし、“酒飲み一家に一台、炭酸水メーカー”の時代がやってきた。
レモンハイ。このグラス、撮影映えを狙って選びに選んで買ったが、写真が下手で美味しそうに見えず無念。
文/斎藤好一(元DIME編集長)