「キックボード」と聞けば、爆発的にヒットした1990年代のことを思い出す読者も多いはず。今、そのキックボードに走行装置を搭載した進化版「電動キックスクーター」が、海外を中心に使われるようになっている。クルマや自転車に代わる手軽な交通手段として、ガジェット好きの注目度が高い。
操作は手元のアクセルのみで、スピードはおよそ時速20km。電動+モーターを使うことで排気ガスを出さず、ハンドルにブレーキが付いていて安心で、しかも少し練習すれば誰でも乗れてしまう。このような特徴がウケて、電動キックスクーターは早くも欧米で大人気だ。
個人で所有するのではなく、シェアリングサービスが人気というところは〝今ドキ〟といえる。利用方法は、日本でも一般的になっているシェア自転車と同じ。スマホのアプリから街に置いてあるスクーターを検索。乗った後は、好きなところに乗り捨ててOK。使用料は1回200〜300円程度と、お手頃だ。
この電動キックスクーターのシェアサービスは、2020年以降、日本にも波及しようとしている。現在はシェアリング大手のLime社が、KDDIからの出資を受けて実証実験中だ。また、すでにいくつかのメーカーでは原付き自転車と同じ扱いで個人向けの販売を開始。歩道の走行は禁止で、免許証の携帯、ヘルメットの着用が義務づけられている。
駅などから目的地までの〝ラストワンマイル〟を解消できて、環境的な負荷が少なく、しかも便利で手軽な交通手段はほかには見当たらない。そもそも移動そのものが楽しくなるところがいい! またがる必要がないので、スーツでも問題なし。通勤の新たな手段として、普及するのが待ち遠しい。
まもなく最大手のLimeが日本で運用開始!
スマホと連動しつつ走行情報をディスプレイに表示する〝スマート感〟と、ブレーキ操作は足で行なう〝アナログ感〟を併せ持つ。ガジェット好き、スポーツ好き両方の物欲をそそる。
疲れにくい座席付き♪
電動キックスクーターの中には、バイクのように腰掛けて乗るタイプもある。製品によってラインアップが異なるカラーバリエーションも選ぶ際のポイントだ。
片手で気軽に乗れちゃう♪
ハンドルを片手で握るタイプも開発されている。本格的に日本へ上陸する2020年以降には、こうした取り回しの良さについてもチェックして利用したいところ。
レンタルサービスを見据えて各地で試乗イベント開催中
福岡ではLime、千葉ではWINDと各地で電動キックスクーターの実証実験が行なわれている。特に福岡市は免許なしで乗れるように特区申請するなど普及に本腰だ。環境負荷を軽減し、渋滞の解消につながる可能性があるなど、電動キックスクーターのメリットは多い。
取材・文/今 雄飛