「美人は生まれつきで、後天的には手に入らないもの」と信じている人は少なくないだろう。
しかし、実際はどうだろうか? 今まで美人だと思っていた人が、よく見ると顔のつくりはさほど際立っているわけでなく、全体的な雰囲気からそう見える、いわゆる「雰囲気美人」が結構多いことに気づく。その比率は半々くらいだろうか。
美人の8割は実は「雰囲気美人」
半々どころか、「美人の“8割”は雰囲気美人」だと言うのは、化粧品販売会社のRubyrose代表取締役社長の岩倉陽子さんだ。
岩倉さんは、かつて読者モデルをしていた頃に、同輩の多くは必ずしも目鼻立ちの整った容貌でなく、雰囲気美人であることを知る。なのに、華やかな印象があるのは、「自分の良さを活かす方法を知っていて、独特の雰囲気があってとっても魅力的」だからと説く。例えば、一重まぶたという、どちらかといえば不利な要素を持ったモデルが、こだわりのマスカラ術によって「優雅でセクシーな独特の目元」を演出していたことが、記憶に焼き付いているという。
美人のあり方に関心を深めた岩倉さんは、その後「美人が多い国」ということでフランスのパリに長期滞在してインタビューして回ったり、国内外の千人以上もの美人を美容ライターとして研究したりする。そうした地道な活動で得た知見をまとめたのが、9月に刊行された『「美人」は、生まれつきではなく、テクニック』(SBクリエイティブ)だ。
本書は、雰囲気美人になるためのノウハウやテクニックがふんだんに盛り込まれ、外見コンプレックスの塊だった岩倉さん自身も、ここに書かれていることを実践して美人へと生まれ変わった一人。
今回は、その岩倉さんに、雰囲気美人を目指すにあたってのコツを何点か教えていただいた。
自分を綺麗だと思えるパーツを1か所作る
― 容貌に自信がなくコンプレックスが強いと、最初から諦め気味となることも多いかと思います。まず、そこから脱皮する秘訣はあるでしょうか?
岩倉さん:過去のわたしもそうでしたので、気持ちが本当によくわかります。まずは、1か所だけでも十分なので、自分で自分を綺麗だと思えるパーツを作ることです。やる気が出てきたパーツから、徐々にやっていくのがおすすめ。例えば、髪の毛だけはサラサラにする、ハンドクリームはこまめに塗り直すなど、自分が楽にできそうで、自分で自分を見たときに、テンションが上がるものが良いですよ。
また、絵が得意、手先が器用だと褒められたことがあるかたは、顔の印象を大きく左右するアイブロウを、時間がある時は丁寧に書くなども楽しみながらできて、おすすめです。
外見にコンプレックスがあったという岩倉さんのビフォーアフター
スキンケア・アイテムは基本3つでいい
― 本書では、スキンケアに使うアイテムは基本3つだけとおっしゃっていますね。その理由を教えてください。また、おすすめの商品、ご自身が愛用されているものでもよいのでそれについても。
岩倉さん:綺麗な肌は、肌に本当に必要なことを、続けることでかないます。それは、落として保湿すること。朝起きたら、ニキビが全部消えているなんてことはないように、肌は毎日少しずつ、でも確実に綺麗になるものです。
なので、無理なく毎日続けられる最小限の方法を選んでいます。
まず一番こだわっているアイテムはクレンジング。美容ライターをしながら、本当に美しい肌を作る方法を考え続けていて、落とすことが何より大切だという答えにたどり着きました。汚れが落ちていないと、お肌が、美容液を受け取る準備ができていないので、どんなに高価な美容液もお肌に浸透してくれないのです。
なので、汚れはしっかり落とすのに、肌に本来必要な潤いは残してくれる、自ら開発した「アニュ モイスチャークレンジングオイルで、しっかりと汚れを落としています。独自開発したMMP処方により、メイクが一瞬で落ちて、化粧水をつけるのを忘れるくらいお肌が潤うのです。W洗顔が不要なので、働く女性や、ママにもとても好評いただいています。
次に、1本でふきとり・保湿効果が期待できる「ナリス ネイチャーコンク 薬用クリアローション(とてもしっとり)の化粧水を使っています。これ一本で肌表面の角質をとり、保湿までしてくれます。そして最後にクリームをつけます。SK-Ⅱの「R.N.A.パワーラディカルニューエイジ」を使っています。一見値段が高いと感じるものでも、少量でもお肌を十分に保湿してくれるかどうかなどのコスパも意識して選んでいます。