電子レンジには「500W」や「600W」といった表示がありますよね?
切り替えると、同じ加熱時間でも食品の温まり具合に違いが出たり、電気代がオトクになる場合もありす。
ここでは、電子レンジの500Wと600Wでの電気代の違いや、炊飯器・ガスコンロよりもオトクに使用できる節約術をご紹介します。
電子レンジの500Wと600Wで電気代が高いのはどっち?
それでは、具体的に500Wと600Wで使用した場合の電気代の違いを、計算式により確認してみましょう。
電気代の単価は新電力料金目安単価=27円/kWhで算出していきます(平成26年4月公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)。
電子レンジの電気代を計算する方法は?
電子レンジの電気代は、消費電力を元にするとおおよその計算ができます。
前述したように、電子レンジには「500W」「600W」などの表示があるはずです。しかし、この「500W」「600W」とは「定格高周波出力」のことで、消費電力の値ではないのです。一般的に消費電力は定格高周波出力の1.5〜2倍がめどとされています。ここでは消費電力を定格高周波出力のおよそ2倍として計算してみましょう。
パナソニック電子レンジ 「NE-FL222」11月上旬発売予定
例えば、消費電力が500W(0.5kW)の場合で概算してみます。
500W/1000×2×27円/kWh=27円
消費電力に1時間あたりの電気代の単価を掛けます。500W(0.5kW)×2がおおよその消費電力となり、そこに電気代の単価(27円/kWh)を掛けて計算すると、電子レンジを500Wで1時間使用した場合のおおよその電気代は27円となります。
【参考】パナソニック|電気代の算出方法は
電子レンジを500Wで「1分」もしくは「10分」使った時の電気代は?
上記の計算式を用いると、電子レンジを500Wで「1分」もしくは「10分」使用した時の電気代がそれぞれ計算できます。
電子レンジを500Wで1分間使用した時の電気代
1時間当たりの電気代の単価を27円/kWhとすると、1分間当たりの電気代は27円/kWh÷60=0.45円になります。
電子レンジを500Wで1分間使用した時の電気代は、500W(0.5kW)×2×1分×0.45円/kwm=0.45円が目安です。
電子レンジを500Wで10分間使用した時の電気代
電子レンジを500Wで10分間使用した時の電気代は、500W(0.5kW)×2×10分×0.45円/kwm=4.5円が目安です。
電子レンジを600Wで「1分」もしくは「10分」使った時の電気代は?
それでは、電子レンジを600Wで「1分」もしくは「10分」使用した時の電気代を計算してみましょう。
電子レンジを600Wで1分間使用した時の電気代
電子レンジを600Wで1分間使用した時の電気代は、600W(0.6kW)×2×1分×0.45円/kwm=0.54円が目安です。
電子レンジを600Wで10分間使用した時の電気代
電子レンジを600Wで10分間使用した時の電気代は、600W(0.6kW)×2×10分×0.45円/kwm=5.4円が目安です。
電子レンジを700Wで「1分」もしくは「10分」使った時の電気代は?
700W電子レンジを1分間使用した時のおおよその電気代は0.63円、10分間使用した時の電気代はおおよそ6.3円になります。出力が強いため電気代の時間当たりの単価は高くなりますが、温めにかかる時間は500Wや600Wの場合より短く済みます。
炊飯器の保温やオーブン機能、ガスコンロを使わずに電子レンジでオトクに電気代を節約する方法
炊飯器の保温機能を使用してご飯を置いておくのと、電子レンジで温め直すのではどちらがオトクかご存じですか? また、オーブン機能と温め機能では消費電力量が違い、電気代も変わってきます。さらに、ガスコンロを使って食材の下ごしらえをするよりも電子レンジを使用すると節約できる場合もあり、電子レンジの活用法は様々。
ここでは、電子レンジを活用して電気代をオトクにする節約術をご紹介します。
パナソニック電子レンジ 「NE-FL222」11月上旬発売予定
炊飯器の保温と電子レンジの温めではどっちの電気代がオトク?
炊飯器の保温機能を使ってご飯を置いておくより、電子レンジで温め直したほうがオトクになることがあります。
電子レンジを700Wで2分間加熱した時の消費電力の概算は、700W×2×2分/60分=35Wh/hになります。
炊飯器の保温機能を使った時の消費電力はどれくらいでしょうか?
例えば、パナソニックのスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「SR-VSX101」の場合、保温時の消費電力量は13.9Wh/hです。
パナソニックのスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「SR-VSX101」
【参考】パナソニック|スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「SR-VSX101」
仮に3時間保温機能を使用すると41.7Wh/hとなり、冷めたごはんを電子レンジで700W・2分間温めた際の消費電力量の35Wh/hを超えてしまいます。なので、炊飯器で3時間以上保温する場合は、電子レンジで2分間温め直すほうが電気代の節約になると覚えておくとオトクかもしれませんね。
オーブンレンジの「オーブン」と電子レンジの「温め」の電気代の違いは?
パナソニックのスチームオーブンレンジ「ビストロ NE-BS2700/NE-CBS2700」を参考にすると、レンジ機能を使用した時の消費電力は「1400W」ですが、グリル機能を使用した時の消費電力は「1350W」と50W少なく、同じ時間調理した場合はグリル機能のほうが電気代は安くなります。
パナソニックのスチームオーブンレンジ「ビストロ NE-BS2700/NE-CBS2700」
【参考】パナソニック|スチームオーブンレンジ「ビストロ NE-BS2700/NE-CBS2700」
しかしグリル機能は、予熱時間や加熱時間がレンジ機能より長くなる場合があります。合計30分のグリル調理をする場合は、
1.35kw(1350W)×30分/60分×27円/kWh=18.225円
と、約18円の電気代がかかります。
もし、レンジ機能を使えば10分間で温められるなら、
1.4kw(1400W)×10分/60分×27円/kWh=6.3円
といった具合に、グリル調理より電気代がオトクになる場合もあります。
野菜の下ごしらえ、「ガスコンロのガス代」と「電子レンジの電気代」どっちがオトク?
ガスコンロで沸騰させて煮る場合と、電子レンジで下準備をした場合を比較すると、電子レンジのほうが安く済むことがあります。
経済産業省 資源エネルギー庁の「家庭の省エネ 徹底ガイド 春夏秋冬」によると、100gの食材を27℃程度の水1Lに入れて葉菜(ほうれん草やキャベツなど)の下ごしらえを1年間毎日1回した際に、「ガスコンロ」の場合はガス8.32㎥/ガス代約1420円が目安。
一方、「電子レンジ」で下ごしらえした場合では、13.2kWh/電気代が約360円となるようです。
【参考】経済産業省 資源エネルギー庁|家庭の省エネ 徹底ガイド 春夏秋冬
電子レンジを上手に活用し、食材の下ごしらえやご飯の温め直しをオトクに行ってみてはいかがでしょうか。
※データは2021年9月下旬時点での編集部調べ。
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文/Sora