さて、ここで試乗したのは、スカイアクティブG、2Lガソリンエンジン+6ATモデル。価格は何とベースも出るの20Sの239万2500円からと、なかなかリーズナブルに感じさせる(もっともお薦めグレードは20S PROACTIVEの261万2500円以上だが)。運転のしやすさや車酔いがしにくくなる効果もあるG-ベクタリングPlusや、SOSコール、オペレーターサービスが利用可能なKDDI製の専用通信機などは全グレードに標準装備される。
20S Lパッケージで走りだせば、コンパクトなボディーサイズ、最小回転半径5.3mの小回り性によって、狭い道の走行、Uターン、料金所の幅寄せなどを含む運転のしやすさは文句なし。乗り心地はクラスベストと言って良く、車内の静粛性はCX-30のクリーンディーゼルモデルの驚くべき静かさをさらに上回るものだった。
そして走りの軽快感もまた、CX-30のクリーンディーゼルモデルをしのぎ、一段とすっきりしたドライブフィールを味わうことができる。うれしい!?のは、同パワーユニットを積むマツダ3の同エンジン搭載車より、車重が重いにもかかわらず、むしろパワフルに感じられること(感覚的に)。その理由として挙げられるのが、タイヤの大径化と車重増にマッチさせた、6ATの最終減速比の変更だろう。結果的に、よりおいしいトルクを使った変速となり、加速感が気持ちいいのである。しかも、156ps、20.3kg-mを発揮する4気筒のガソリンエンジン、スカイアクティブGは、回すとなかなかの快音を発するのだから、気持ちいい。
人車一体感ある操縦性、フットワークと合わせ、クロスオーバーSUVにして、まさにファン・トゥ・ドライブを実現しているというわけだ。ただ、1.8Lのクリーンディーゼルターボ=スカイアクティブDのほうが、エンジンのさらなるトルク感、濃厚なエンジンフィールによる、走りの質感では上回るのも事実。その分、高価になるのだが・・・。
CX-30は国産車として、トヨタに次ぐフルコネクティビリティー=マツダコネクトを採用したクルマでもあるのだが、同時に先進運転支援機能も最先端だ。歩行者や自転車を感知する自動ブレーキのほか、前後AT誤発進抑制制御(ブレーキ制御付き)、後退時自動ブレーキ、前方左右から接近するクルマを検知し、後退時にも左右から接近するクルマを検知するブレーキサポート、ブラインドスポットモニタリング、レーンキープアシスト、全車速域(AT車/MT車は約30km/h~)で作動する渋滞追従型ACCなどの先進機能を全グレードに標準装備。オプションで360度ビューモニターまで装備できるのだから、かんぺきだ。