2020年は羽田空港が大きく変わる年になる。発着枠拡大で、約100便の国際線が増便され、イタリア、トルコ、北欧、ロシア、インドなどへの直行便が新たに就航。羽田からの海外旅行がもっと身近になる。加えて、空港内にホテルなど新しい商業施設も続々とオープンする予定で、ますます羽田から目が離せない。
商業施設やホテル、クール・ジャパンの発信拠点も登場
各ターミナルの機能拡張と大型施設の開業で「24時間眠らない羽田」が実現
いよいよ羽田空港は名実ともに「24時間眠らない羽田」になる。現在、国際線の増便に対応すべく、各ターミナルの機能の拡張工事が進行中。2020年3月29日からは、現在、国内線のみの第2ターミナルからANA国際線の一部が発着することになり、国際線ターミナルは第3ターミナル(正式名称:第3旅客ターミナルビル)に名称変更される。同時に東京モノレールや京浜急行の駅名も変更。これまで以上に海外エアラインが就航することから、各ターミナルからの展望デッキでの楽しみも増えそうだ。まさに羽田空港は、名実ともに国内線・国際線両方の空の玄関口となるのだが、進化するのはネットワークやターミナルだけにとどまらない。空港内に新たな施設が続々オープンするからだ。
中でも一番の注目は現在の国際線ターミナルから連絡通路で結ばれる予定の大型複合施設。住友不動産・東京国際空港プロジェクトチームが手がけるそれは、1717室の巨大ホテルに、温浴施設、バンケットルーム、会議場などを併設。これは国際会議や学会、イベントなど、日本が強化を掲げるMICE誘致にも大きな役割を果たすこと必至。地方から上京するにしても羽田ですべての用事が完結してしまう、ということになる。加えて天空橋駅近くには、3000人規模のホール「(仮称)Zepp Haneda(TOKYO)」や研究施設なども整備される予定。
すでに「無料で遊べるテーマパーク」としての地位を確立している羽田だが、これらの新施設オープンにより、飛行機には乗らないが、空港を訪れるという人が従来以上に増えることは間違いない。羽田空港は「空港」という枠組みからひとつの街「みらいシティ」へと変貌するのだ。
第2ターミナル
[2020年3月]
ANA国際線が国内線第2TMに移転。国内線〜国際線の乗り継ぎがスムーズに
ANAは昼間時間帯の国際線が大幅増便となることに伴い、来春より国際線の多くの便が、現在の国際線ターミナルから第2ターミナルに移転する。国内線と同じターミナルになることで国内線と国際線の乗り継ぎもよりスムーズに。特に、地方から海外へ出かける人には朗報といえよう。
■ 工事が急ピッチで進行中
国際線ターミナルに隣接するホテルや商業施設は五輪前、第2ターミナルの国際線施設は3月の完成を目指して工事中。