パソコン上にあらゆる音を取り込んだり、打ち込むことによって音楽制作を行うDTM(デスクトップ・ミュージック)は現代の音楽の歴史を大きく進歩させてきました。
ひと昔前まではパソコンの使用を前提とし、その制作環境を整えるために高価な機材やソフトが必要なことからプロの現場以外で見かけるのはごく一部に限られ、初心者が始めるには敷居の高い存在でした。
それが現代、スマートフォンの登場により前述したDTMに遜色ないフリーの作曲アプリを使った音楽制作が可能になっています。
アプリ特有のタッチ操作を強みとし、高い視認性と直感で曲を作れるプラットフォームは初心者にも理解しやすく、そのクオリティの高さはDTMに並ぶ楽しさを体験させてくれます。
今回は作曲に興味がある方だけでなくスマホでよく暇つぶしをする方にオススメのフリーダウンロード可能な音楽制作アプリ5選をご紹介します。
およそ6年ぶりローランドの新・音楽制作アプリ「Zenbeats」(ゼンビーツ)
ローランドが2019年9月中旬にリリース、エレクトロミュージックをはじめとする音楽制作に特化した無償アプリ「Zenbeats」。ここでは外部キーボード(MIDI)の接続やオーディオインターフェイスによる高音質化は必須ではありません。スマートフォン1つで音楽制作を始められます。
ZenbeatsはWindows/Mac/iOS/Androidで同じように操作可能な、これまでにない新しい発想の音楽制作アプリとして話題を集めています。
スマートフォンで制作したトラックファイル(曲)はパソコン上でも同じように編集可能、逆もまたしかり。シームレスでわかりやすい操作性です。
クラウドを通じたデータのやり取りも可能なため、グループでの楽曲制作もスムーズに行えます。
通学・通勤といった隙間時間や、外出先でも曲作りができるため、いつでも気軽にアイディアを留めておくことができるのも「Zenbeats」の魅力です。
ローランドが最もこだわったという秀逸なユーザーインターフェイスは、シンプルかつ視認性に優れたカラーリングで我々の創作意欲を刺激してくれます。
自作のフレーズだけでなく、用意されている豊富なループ素材をタイムラインに沿って並べれば、初心者でもイージーにオリジナルの曲を作って楽しむことができます。
また、少々時間を割きますが、細かな操作や機能を試すことでよりクオリティの高い曲を作り込めるポテンシャルも併せ持っているため、つい夢中になってしまいます。
無償で利用できる「Zenbeats」ですが、必要に応じてループ素材や音源を購入したり、機能を拡張することができる「コンテンツストア」も用意されているため、操作に慣れて機能的に物足りなくなってきた時には利用してみると良いでしょう。
iOS専用GarageBand
iPad/iPhoneをお持ちの方は「GarageBand」を使うのも有効な手段です。
音楽制作の無償アプリとしては非常にポピュラーなGarageBandですが、Android非対応のため、グループで楽しみたい場合は全員がiPadもしくはiPhoneを持っている必要がありオススメできません。
しかし、性能面では「Zenbeats」同様、初心者の方でも十分な使いやすさと高い機能性を持っているため、楽器の知識がなくとも操作さえ覚えれば、プリセットされたピアノのコードやドラムパターンを組み合わせることで曲作りを楽しめます。
また、ジャンルごとに随時追加される豊富なループ素材やサンプルパックも魅力です。
オーディオインターフェイスを使い、外部からギターやベースなどの演奏を取り込むことで、バンドライクなサウンドといった本格的な曲作りができたりと、長年使い続けられる良さがあるのも人気の理由の1つ。
幅広いジャンルがプリセットされているため、無償でありながら工夫次第で様々な曲を作れる自由度の高いアプリです。