現代は、15世帯に1世帯が手元にお骨があり、お骨を持つ世帯の約1割が「お墓がまだない」といわれている。また少子高齢化の到来で、今後は「アクセスが良い」「管理が楽」「子供に負担がかからない」ことが重視され、お墓の形態や供養のスタイルも多様化が進むと予想されている。
そこでヤシロは、関西における中高年層(40歳〜79歳)約25,000人に対し「お墓に関する意識」を調査し、結果をまとめた。お墓に関するさまざまな理想と現実のギャップが浮き彫りになったので紹介しよう。
お墓参り「頻度」「所要時間」ともに、理想と現実に大きなギャップ
Q.【お墓参りの頻度】理想と現実は?
「1年に何度か参りたい」が7割を超えるが、現実には「1年に1回以下」が半数を超える。
【理想のお墓参りの頻度】では「1年に2〜3回くらい(30.5%)」が最も多く、「月1回以上」行きたい方が24.6%。【実際のお墓参りの頻度】でも「1年に2〜3回くらい(26.8%)」が最も多いものの、「1年に1回以下」の方が、5割を占めており、お参りしたくても、なかなか行けないという現実が浮き彫りになった。
Q.【お墓までの時間】理想と現実は?
お墓参りの移動時間、理想は30分未満、1時間までなら許容範囲。現実には1時間以上かかる方が約5割。3時間以上かかる方も2割程度存在している。
【理想のお墓参りの移動時間】1時間未満が8割近くを占めているのに対し、【実際のお墓参りにかかる移動時間】は、30分未満が27.9%、30分〜1時間未満が21.6%、1時間〜2時間未満が22.1%、2時間以上も25.1% 。現実と理想に大きなギャップが見られた。
■お墓の不満・不安は、「自宅から遠い」「継承する人がいない」
Q.家族・先祖のお墓に関する「今の不満」は?
自宅から遠い」が最も多く3割半ば、ついで「お墓を継承する人が少ない(いない)」と続く。アクセスに対する不満、維持管理にかかわる不満が上位を占める。
Q.家族・先祖のお墓に関する「将来の不安」は?
「お墓を継承する人が少ない(いない)」が最も多く、ついで「自宅から遠い」が続く。将来的には「墓じまいの手間」についての不安も大きい。
40歳〜79歳男女 約25,000名に聞いた 現代の”お墓事情”
15世帯に1世帯が自宅にご遺骨を保管し、自分のお墓がない人も4割以上いることが明らかに。
15世帯に1世帯が、自宅にご遺骨を保管。2割が特に理由がなく、1割が「お墓がまだない」
40歳〜79歳の男女25,347名に、自宅に家族・親族のご遺骨があるかどうかを調査したところ、7.1%にあたる約1,800名が自宅に遺骨を保管。「納骨する予定はない(1.9%)」を除く、1,328名(5.2%)が「納骨する予定だが今は自宅で保管」しているお骨があると回答。
【納骨しない理由】「特になし」を除く上位5つ
納骨しない主な理由としては、「身近に感じていたい」「お墓がまだない」「時期がまだ」がそれぞれ1割前後。納骨しない理由が「特にない」人が2割を越えており、何となく手元に保管している世帯も多い。
自分のお墓がない人は4割以上。購入を検討している層は5%と、生前墓に対する意識はまだまだ低い。
自分自身のお墓が「ある方」は42.3%。ほぼ同率の41.2%の方が自分のお墓は「ない」。お墓がない方で「お墓の購入を検討している」のは5.8%と、生前に自分のお墓を準備するという意識はまだまだ低い。
先祖代々のお墓、4人に1人は改葬の可能性あり。「お墓の継承」の考え方に変化
約半数が「先祖代々のお墓」を保有。そのうち4人に1人は、お墓の引越の可能性あり。
先祖代々のお墓のある人は、50%を越えるが、「改葬(お墓の引越)」を考えている人はそのうち4.4%。「場合により改葬もあり得る(20.0%)」を含めると、約4人に1人が「お墓の引越」の可能性がある。
自分は「先祖のお墓」を継承するが、子供には「継承させない」と考える層も多い。
先祖代々のお墓を自分は「継承する」という人は4割を越えるが、「継承しない」も1割程度存在。また子供に「継承させるつもり」は17.1%、「継承させないつもり」は24.9%と、自分は「継承する」が、子供には「継承させない」という意見が浮き彫りに。
調査方法:インターネット調査
調査日程:①事前調査 5/24(金)〜27(月)②本調査:5/29(水)〜6/3(月)
調査対象:①関西在住の40歳〜79歳までの男女(n=25,347名)
:②調査対象者のうち、一部調査はお墓に対して関心が高い層を抽出(n=534名)
関心が高い層=生前墓購入意向者、改葬意向者、未納骨保管者
※集計結果は、関西圏の年代別人口構成比に合わせて、ウェイトバック集計を行った。
構成/ino