Mindy(ミンディ)
人間の体は使い方や生活環境で変化する。それを〝進化〟と呼ぶが、この20年余りで劇的に発達し、生活を変化させてきたデジタルデバイスも、何らかの影響を与えるはずだ。様々な科学的見地から、2100年の人類がどんな〝進化〟をしているかを予測した女性の3Dモデルが「Mindy」。
スマホの使いすぎとPCでの長時間作業で頭部が前傾し、その重さを支えるために首や肩甲骨周りの筋肉が発達した姿に。極端だが「十分あり得る」と話すのは、理学療法士でボディービルダーでもある日体大准教授の岡田隆さん。
「すでにスマホやPCの使いすぎで、頸椎が真っすぐになったストレートネックで首の問題を訴える若者が増えています。それがいきすぎると、脊椎の正しいS字カーブが失われて肺が圧迫され、呼吸も浅くなる。Mindyは〝進化〟かもしれませんが、体の常識で見ると決して健康体ではありません」(岡田さん)
さらに消化器をはじめとした臓器にも影響を与え、様々な疾病の原因になる可能性がある。
テクノロジーの進化は、多くの恩恵を与えてくれたが、健康を損なわないような使い方を真剣に考える時期に来ているのかもしれない。
便利なツールが次々と登場する中、ラクを覚えた体は本来の姿を忘れてMindy化していく。意図的に姿勢や筋肉の働きをリセットする行動を起こせるか否かで未来は変わる!?
肘と指は曲がったまま固定されている。スマホの使いすぎによる、肘内側・尺骨神経の圧迫や伸展で考えられる症状。
正常な脊椎はS字湾曲と筋肉で支えられている。これがC字になると肩こりなどの原因に。ストレッチなどで柔軟性を高めることが大切。
取材・文/松尾直俊