小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

3万円台半ばで買える低価格が魅力の第7世代iPad、どこまで「iPad Pro」に近づくことができたのか?

2019.10.17

■連載/石野純也のガチレビュー

 第7世代のiPadが、2019年9月30日に発売された。大手キャリアも10月には販売を開始。第6世代で舵を切った低価格路線は継続しており、Wi-Fi版であれば、価格はわずか3万4800円から。初めてのiPadとしても、気軽に購入できそうな価格ながら、Apple Pencilはもちろん、第7世代からはSmartKeyboardにも対応し、“Pro並み”の作業もこなせるようになっている。

 もちろん、iOSにiPad用の機能を大幅に加えて登場した「iPad OS」を内蔵。複数のアプリを同時に開くマルチタスクが強化されたほか、ファイルアプリがマルチカラムに対応したり、ウィジェットをホーム画面の1画面目に常時表示できたりと、使い勝手も進化している。

 一方で、実際に使ってみると、やはり価格なりの部分があることも事実。割り切るべきところは潔く割り切りながら、低価格を打ち出した印象も受ける。では、第7世代iPadはどこが優れていて、上位モデルとは何が違うのか。実機を使って、その実力を検証した。

ディスプレイは10.2インチに拡大、ベゼルもすっきりでAir風に

 まずはディスプレイとデザインを見ていこう。第7世代iPadは、初代から脈々と続く、9.7インチのディスプレイをついに捨て、そのサイズを10.2インチに拡大した。とはいえ、拡大したのは0.5インチほど。6インチ前後のスマホだと0.5インチの差は大きく感じるが、タブレットサイズになってくると、しっかり比較しなければ、その違いはわからないかもしれない。しかし、見比べれば確実に大きくなっているため、わずかだが、映像の迫力も増している。

ディスプレイは10.2インチ。第6世代よりわずかだが、サイズが拡大している

 それ以上に、前面のデザインが、より現行モデルのiPad Airに近づき、スッキリした印象になっている方に目がいくはずだ。厚みだけはiPad Airよりもあるため、空気を意味する“Air”を名乗っていないものの、縦横のサイズはスペック表でもピッタリ一致している。ディスプレイサイズはiPad Airより0.3インチ小さいため、そのぶん、ベゼルの幅はあるが、第6世代までのiPadと比べると画面の占有率は高まっている。スッキリした印象なのは、そのためだ。

左右のベゼルが細く、スッキリした印象になった

 ディスプレイは、Retinaディスプレイの基準を満たしており、解像度も高いため、動画などの映像を楽しむにも十分なクオリティだ。ただし、例えば色域がP3に対応していなかったり、環境光に応じて色温度を変えるTrue Toneが搭載されていなかったりと、上位モデルよりは機能が少ない。どこまでこだわるかにもよるが、筆者の場合、P3は目視で気づけなかったが、True Toneがないことはすぐにわかった。さらに、それを必要とするかどうかという観点もあるが、少なくとも、こうした点が、価格の差に反映されていることは覚えておきたい。

 映像の見栄えだけでなく、使い勝手にも影響があるのが、フルラミネーションディスプレイの有無だろう。これは、液晶とガラスを一体化させる技術のこと。メリットは、映像がガラスそのものに表示されているように見えることだが、残念ながら第7世代のiPadは、非対応だ。ネックになるのが、Apple Pencilを使う場合。ガラスの下の少し離れたところに書いたものが反映されるため、本物の紙とペンを使っているかのような感覚がやや薄くなり、ペン先の滑りがいいことと相まって、慣れが必要だと感じた。

フルラミネーションディスプレイには非対応なため、ガラスと液晶の表示部分には、すき間がある

気軽に持ち運べるSmartKeyboard、その使い心地は?

 iPad Airと同じ筐体にしたのは、ディスプレイを大画面化するためというより、SmartKeyboardに対応させるためという色合いが濃い。厚みは異なるが、第7世代のiPadにも、iPad Airまでと同じSmartKeyboardを装着することができる。このSmartKeyboardは、過去にiPad Pro用として販売された第1世代のもので、ケースとしても利用できるが、背面は隠れない仕様になっている。

側面のコネクターにSmartKeyboardが装着できる

SmartKeyboardは前面のガラスを守るカバーにもなるが、背面は隠れない

 ハードウエアそのものは過去のものと同じため、打ち心地などは変らない。本格的なキーボードと比べればストロークは浅く、強く打つと反動で指が少々痛くなる。その独特な打鍵感は、慣れるまで少々時間がかかるはずだ。慣れれば普通の速度でタイピングはできるものの、やはりノートパソコンなどのキーボードと比べると、打ち心地は一段劣る。また、サイズもiPadの長辺に合わせているため、やや横幅が狭く、体の大きな人だと、肩をすぼめるようにしてタイピングしなければならない。

ストロークは浅く、慣れは必要だが、長文を打つこともできる

 とはいえ、慣れてしまえば、ある程度なら長文を打つこともできる。筆者の経験だと、2000文字程度の原稿であれば、あまり苦痛を感じることなく、普通に書くことはできた。iPad OSが導入され予測変換の精度が上がっていることも、入力のしやすさに貢献している印象だ。また、どうしても慣れないという場合は、無理にSmartKeyboardを利用する必要もない。サードパーティやアップル自身が販売しているBluetooth対応キーボードを利用する手もあるので、覚えておきたい。

 Apple Pencilは、第1世代のもので、現行モデルでは、iPad AirやiPad miniと共通している。ハードウエア自体は同じものだが、こちらもiPad OSでレイテンシー(遅延)を削減しており、追従性が上がった格好だ。元々20msだったのが9msと、1/2以下になっている。とはいえ、20msだった時でも十分書き心地はよく、正直なところ、iPad OSでの違いがわかる人は、かなりペンにこだわりのある人ぐらいかもしれない。感覚的な話をすると、「なんとなく、書くのがスムーズになったかな?」と思うレベルで、劇的に変わったわけではない。

Apple Pencilの書き心地も、以前のモデルより上がっている

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。