少しずつ肌寒くなり、温泉が恋しい季節になってきた。10月、11月の連休を利用し、日頃の疲れをいやすべく名湯を求めて旅館へ泊るという人も多いに違いない。
その一方で旅館でのマナー違反がニュースやSNSで話題になることもしばしば。オリンピックの開催に向けて外国人旅行客も増加しており、益々マナーについて考える機会が増えそうだ。
そこでこのほど、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」による、20代~70代の男女1,142名を対象にした「旅館のマナー」に関するアンケート調査が行われ、その結果が発表されたので、紹介していきたい。
7割の人が「旅館は好き」と回答!
和式の宿泊施設である旅館を「好き」と回答したのは72.9%となった。和室に懐かしさを感じつつも非日常感に浸れる点が人気なのかもしれない。また、上げ膳据え膳でゆっくりくつろげる点も大きなポイントとなっていそうだ。
4人に3人は旅館・温泉内でマナー違反者に遭遇!
7割以上の人が旅館を「好き」と答える一方で、4人に3人がマナー違反を見かけたことが「ある」と答える残念な結果となった。
これから東京オリンピックに向けて多くの外国人観光客が訪れることが予想される。まずは日本人間のマナー意識をすり合わせ、観光客に見本を見せられるようになりたいところだ。
到着予定時間からどのくらい遅れそうだったら宿に連絡する?
到着時間について、「到着予定時間からどのくらい遅れそうだったら宿に連絡を入れるか」と尋ねる調査が行われたところ、最も多かったのは「1時間未満」(38.4%)だった。
2位の「1時間以上2時間未満」と合わせると、72.7%もの人が「2時間未満」の遅刻でも宿に連絡を入れると回答した。
一方、「2時間以上」の人や「時間に関わらず夕食の時間を過ぎそうだったら」と答えた人もそれぞれ1割ほどいたが、宿側のことを考えると連絡は早ければ早いほど親切と言えそうだ。
パートナーや家族など男女で宿泊する際、座り位置を気にしている人は全体の全体の15.3%
座り位置について、「パートナーや家族など男女で宿泊する際、座る位置(上座・下座)について気にしているか」と尋ねる調査が行われたところ、全体で15.3%の人が「気にする」と答えた。
年齢別だと大きな差がなかったものの、男女別で見たところ、男性は過半数が「気にしていない」(54.1%)と答えた一方で、女性は13ポイントも少ない40.8%となった。
女性が上座に座ることをマナー違反と考える人もいることから、女性の方が座席には意識を配っているようだ。
その逆にSNSでは「上座に座っているのにおひつとしゃもじが置かれる」という女性の嘆きもあり、宿側のマナー違反もあるようだ。
持ち帰ってOKだと思うアメニティ、「ランドリーバック」「メモ帳」「ボールペン」「フェイスタオル」が判断に迷っている人が多い
アメニティについて、「何も記載がない場合、持ち帰ってOKだと思うアメニティはどれか」と選択肢を提示したうえで尋ねる調査が行われたところ、「歯ブラシ」や「ミニボトルのシャンプー・リンス・化粧水」などの使い捨てタイプについては大多数が持ち帰りOKと判断。
また、「お茶、ドリップコーヒー」までは過半数がOKとする一方で、「ランドリーバック」(22.3%)、「旅館名の入ったメモ帳」(16.6%)、「フェイスタオル」(16.4%)、「旅館名の入ったボールペン」(16.2%)は迷う人が多い様子がうかがえた。
SNSの声では「宿名が入っているものはノベルティだから持ち帰って良い」と言う意見もあったが、宿の人に一声かけるとマナーの上でも良いだろう。
「心付け」についてどう思う?
「心付けについてどう思うか」と尋ねる調査が行われたところ、最も多かった意見は「特別なことをしてもらった時には渡すべき」(32.4%)、以降、僅差で「どちらでも良い」(28.8%)、「宿のランクによっては渡すべき」(19.4%)が続いた。
一方で「常に渡すべきではない」も14.7%あり、心付けを悪しき慣習と捉えている人も一定数いることがうかがえる。
バイキングでの食べ残し、「どんな状況であれ残すのはマナー違反」が6割超え!
大型の旅館でよくあるのが「バイキング」。バイキングは好きなものを自由に取れる点で非常に人気の高い食事形式となっているが、一方で食べ物をたくさん取って残すというマナー違反も目につく。
そこで、食べ物を残す行為についての意見を尋ねる調査が行われたところ、「食べようと思って取ったものを残してしまうのは仕方ない」(30.3%)に倍以上の差をつけて「どんな状況であれ残すのはマナー違反」(66.7%)が1位に。昔から食べ物を粗末にすることを悪しきとする日本の素晴らしい慣習が表れた結果となっている。
チェックアウト時、8割以上が「恥ずかしくない程度に片づける」!
「チェックアウトする際、部屋はどのような状態にするか」と尋ねる調査が行われたところ、8割以上の人が「恥ずかしくない程度に片づける」と回答。
「キレイにし、最初の状態に近づける」も14.4%いたが、旅館の清掃係を名乗るTwitterユーザーが、「チェックアウト時は布団を畳まないで、そのままで部屋を出てください。」といった趣旨の投稿をしたことも話題となった。
キレイに畳んでも結局忘れ物チェックで広げることになるので二度手間だという理由だが、最初の状態に近づけようとキレイにすることは日本人の美徳とも取れるため、一概にマナー違反とは言えなさそうだ。
■旅館で遭遇したマナー違反
・静かさを求めて行っても、今は外国人が多くて、子どもが走りまわったり、常に大声でしゃべっている。(60代・女性)
・使用した宿泊部屋を尋常じゃなく汚していく。例えば食品散らばしたり、壁にイタズラ書きがあったり。ベットメイキングの仕事をしていた時にそのような部屋を掃除しました。(30代・女性)
・最近バイキング形式の食事が多いが、ドリンクを自分のペットボトルや水筒的なものに入れ持ち帰る。(50代・女性)
・泥酔して大声を出したり、寝転んでいたりする人を見かけた。(50代・女性)
・禁煙の部屋のテラス席での喫煙(ホタル族)(50代・男性)
・バイキングで、一度自分のお皿に取ったものを戻した。(50代・女性)
・バイキング料理を必要以上に採り殆ど食べ残す。 少子化で子供を大切にする気持ちも分かるがあまりにもしつけがなっていない。(70代・男性)
<調査概要>
調査タイトル :「旅館のマナー」に関するアンケート調査
調査対象 :20代~70代の男女1,142名
調査期間 :2019年9月12日~9月16日
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :株式会社エアトリ
出典元:株式会社エアトリ
構成/こじへい