日本で大変な盛り上がりを見せている『ラグビーワールドカップ(W杯)』だが、中国では熱量が低いと言われている。そんなラグビーと中国の関係について三井住友DSアセットマネジメントがレポートを公開したので紹介しよう。
【ポイント1】日本で熱を帯びる『ラグビーW杯』
日本で開催中の『ラグビーW杯』が11月2日の決勝に向けて盛り上がりを増している。
予選プールで日本代表は強豪のアイルランドに勝利するなど快進撃を続けており、開催国として国全体にラグビー熱が拡がっている印象。
初のアジア開催となった日本大会には、全20チームが参加してるが、アジアから出場しているのは日本だけ。
ここにはオリンピックなどスポーツのビッグイベントで常に大きな存在感を示す中国の名前はない。
【ポイント2】中国のラグビーに対する熱量は低い
昨年ロシアで開催されたサッカーワールドカップでも、出場チームの中に中国の名前はなかった。
それでも、スポンサーには複数の中国企業が名を連ね、試合会場は中国人と中国企業の広告で溢れるなど、プレー以外の部分で中国の存在感は際立っていた。
ところが『ラグビーW杯』では、どこを見ても中国の姿は全くと言っていいほどない。
官民あげて強化に取り組んでいるサッカーに比べると、ラグビーに対する中国人の熱量はかなり低いのが現状。
ラグビーの世界ランキングをみるとラグビー界での中国の位置がよくわかる。中国は10月10日現在、世界80位で、香港(24位)や台湾(66位)よりもかなり下の順位となっている。
【今後の展開】中国でラグビーがメジャースポーツとなる可能性は低い
中国にもラグビー協会はあるが、競技人口が極めて少なく、サッカーの中国スーパーリーグのような巨大ビジネスにつながる道筋は簡単には描けない。
加えて、ラグビーは同じチームスポーツのサッカーよりも一段と大きな自己犠牲が求められることから、比較的個人主義の色合いの強い中国人の気質には馴染まないとの見方もあるという。
こうした点を踏まえると、中国でラグビーがメジャースポーツに駆け上がる可能性は低いと感じられる。
近年、経済やスポーツなど様々な分野で中国に追いつかれ、あるいは差を広げられている日本だが、少なくともラグビーではアジアの盟主の座が脅かされる心配は当面無用かもしれない。
関連情報:https://www.smd-am.co.jp/
構成/DIME編集部