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LED電球とは発光ダイオード(LED)を使用した照明のことで、従来使われてきた白熱電球よりも寿命が長いというメリットがあります。
LED電球の寿命は、なぜ長いのか? 今回はその理由と、そのほかのLED照明器具の寿命についても詳しく解説します。
LED電球の寿命は実は短い!? ウワサの真相に迫る
LED電球の定格寿命は、一般的に40000時間が目安とされています。
1日10時間使用した場合、約10年使用できると考えてください。白熱電球の数十倍は寿命があるとされていますが、LED電球も思ったより早く点灯しなくなるケースもあります。
LED電球がいきなり点灯しなくなる・または寿命が縮まる原因は、実は電球自体の劣化ではなく、電球内部に組み込まれている「電子部品」が熱の影響で故障したり、通電不良を起こすケースがほとんどです。
■よく聞く「50%に減少するまでの点灯時間」とは? LEDの寿命の定義
LEDの寿命について調べている時、「初期値の50%に減少するまでの点灯時間」という文言を見たことはありませんか? これは、あくまで赤・緑・青などカラーLEDに設定されている寿命の定義です。白色LEDの寿命の定義とは異なります。
(社)日本照明器具工業会にて2010年7月に改正された「JIL5006:白色LED照明器具性能要求事項」では、LEDの寿命は「照明器具製造業者が規定する条件で点灯した時、LEDモジュールが点灯しなくなるまでの総点灯時間または、全光束が点灯初期に計測した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間を推定したもの」と定義されました。
これまではメーカー(照明器具製造業者)が、規定する条件で総点灯時間を推定したものでしたが、現在は各メーカーこの定義にそろえて寿命を推定しています。
ただし、寿命は設計で推定したもの(設計寿命)であって、寿命を保証するものではありません。使用状況によって誤差が出ることがあるのは、覚えておいてください。
【参考】(社)日本照明器具工業会
■LED電球は球切れするのか? その確認方法は?
「球切れ」とは、白熱電球内のフィラメント(細長い金属でできた発光する部分)が焼き切れる現象を指します。その点、白熱電球と点灯の仕組みが違うLED電球にはフィラメントがありませんので、いわゆる球切れは起きません。
しかし、急に点灯しなくなった場合は、内部の電子部品が故障している場合があります。
故障の前兆は、電源をONにしてから「点灯するまでのタイムラグ」、「電球の点滅」などが挙げられます。まずは電源を入れてから、タイムラグがあるかどうかを確認してみてください。
■LED電球の点滅は寿命の合図なの?
基本的にLEDは、寿命が近づくにつれて徐々に光量が落ち、点滅することがあります。LED電球の点滅原因は、主に以下の3つが挙げられます。
➀熱による電子部品の劣化
ある程度使っていて点滅してきた場合は、熱によって電子部品が劣化したことが考えられます。
②LED電球が対応していない器具で使っている
LED電球には整流器による直流の電流を使いますが、家庭で使われている器具のほとんどが交流です。変更する整流器がない状態だと、点滅する場合があります。
③整流器の不具合
LED電球のなかには、整流器が組み込まれているものもあります。交流を直流に上手く変換できないなど、整流器の不具合でも点滅することがあります。
いずれも灯りが付く部分、発光ダイオードの寿命とは関係のない部分で点滅が起こっている可能性が高いです。購入直後のLED電球なら、購入元で交換をお願いするのも手です。
■車のLEDライトの寿命はどれくらい? 交換タイミングは?
昨今、LED電球はクルマのヘッドライトにも使われています。
室内で使用するLED電球と比べると、大量の光量が必要になるため、熱が発生しやすく、寿命はどうしても縮む傾向があります。
ざっくりとですが、LEDヘッドライトの寿命は1万時間だと言われています。ただしこれは、適切な放熱が行われた場合の時間と考えましょう。
クルマのLEDヘッドライトも、家で使うLED電球と同じように基盤の劣化などが起これば、ちらつきや点滅が発生します。これらの症状が表れ始めたら電球の交換タイミングといえます。
LED電球の寿命にメーカー別の違いはある?
LED電球の寿命に、メーカーごとの違いはあるのでしょうか。
大手メーカーのLED電球の寿命をチェックしたところ、LED電球の寿命にほとんど差はありませんでした。ただし、低価格のLED電球などはこの限りではないのでご注意下さい。
■パナソニックのLED電球の寿命はどれくらいか
今回はパナソニックを例に挙げて、詳しく見ていきましょう。
パナソニックの定格寿命は4万時間。そのほかのメーカーも同様の数値で設計されています。ただし、寿命の時間は製品や使用状況によって異なることもあるため、購入する前に表示を確認してください。
【参考】【LED電球】LED電球は何年くらい使えますか。|Panasonic
ちなみに、パナソニックのLED電球には5年間の保証期間がついています。5年以内にLED電球が点灯しなくなれば、無償で修理してくれるというものです。
LED電球の寿命に差はなくとも、保証期間はメーカーによって異なるため、寿命ではなく保証期間を比較して購入を検討するのも良いでしょう。
■IKEAから発売されているLED電球の寿命はどれくらい?
IKEAのLED電球「SOLHETTA ソールヘッタ」の寿命は2万5000時間です。
他社と比較をすると少ない数字ですが、1個499円と単価が安いため、交換頻度は増えてもランニングコスト的には変わらない、もしくは上回る場合もあります。
そのほかのLED照明器具の寿命は? 気になる寿命が尽きるまでの時間
ここからは、LED蛍光灯・LEDテープ・チップLEDの寿命をまとめて見ていきましょう。
■そもそも通常の蛍光灯の寿命は何年なのか?
通常の蛍光灯の寿命は6000~1万2000時間と言われています。年数に換算すると1~3年(1日10時間点灯したと仮定)。
ただし、昨今、高性能な蛍光灯も誕生しており、なかには2万時間を超える長寿命の蛍光灯もあります。
■LED蛍光灯の寿命は何年ぐらい?
では、LED蛍光灯の寿命はどれくらいでしょうか? その目安は4万時間、年数に換算すると約10年と推定されています。
形で寿命が変わる? 丸形LED蛍光灯の寿命はどれくらいか
LED蛍光灯(直管型)と同じ、寿命の目安も4万時間となっています。
■どこでも貼り付けられるLEDテープライト、寿命はどれくらい?
多くのLEDを配線と一緒にテープ状にした照明器具である「LEDテープライト」。こちらも寿命の目安は4万時間となっています。
ただしLEDテープライトの場合、屋外など使用環境が過酷なケースも多く、上手く放熱できていなければ寿命はかなり短くなってしまうことがあります。
■チップLEDの寿命はどれくらいなのか?
チップLEDとは小型の発光ダイオードであり、電子基盤の上に実装します。寿命の目安はほかのLED製品と同じく4万時間ですが、使用環境で著しく変化します。
交換しにくい場所の電球を思い切って、LED電球にすれば交換の手間が少なくなります。電球が切れたタイミングがあったなら、自宅の電球を徐々にLED電球に変更していくのもおすすめです。
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※データは2024年9月時点での編集部調べ。
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文/ねこリセット