ドミトリーがヒント
自分でイチからモバイルハウスやキャンピングカーを作るのは敷居が高い。
そう感じた人は、超低コスト住宅研究会の「バン箱」はいかがだろうか。
ちゃんと体を休められて、簡単な作業ができるドミトリーには、決してゆとりの広さではないけれども落ち着く絶妙なサイズと空気感がある。
バン箱は、超低コスト住宅研究会がドミトリーの心地よさに気づき、そのサイズを実測、これならハイエースに入ると確信し作り上げた車中泊キットだ。
荷台に箱型にくみ上げたキットを入れるだけで住空間が完成する。木材なので自分でアレンジも可能だ。
クルマに大きな荷物を積みたいときなどは、バン箱を取り出し、ガレージに組み立てた状態で保管するという使い方もアリ。
また、釘を使わずに組み立てているので、組み立てたままでは邪魔ならフラットにたたんで収納できるのが日本的。
京丹後の木で作られたレンタル・モバイルハウス
もっと手軽にモバイルハウスを利用したい、手がける前にまずは住み心地を試してみたいと言うなら、レンタカーで。
京丹後市の森林保存と地域活性化を考え、開発されたのがモバイルハウスnoviで、9月より地元自動車整備工場よりレンタルがはじまったという。
地元木材を使った室内はスッキリ。窓が大きく、思いのほか明るい
木の表情をいかしたテーブルは、樹脂を使って池を表現。自作派も参考にしたいアイデアだ。
動く京町家を販売
京都の鈴木モータースは「京町家プロジェクト」と名付け、減少つつある京町家のPRを兼ねたモバイルハウスを販売(軽トラック込みで216万円)。
引き戸ではないもののベンガラ格子が大きく開き、ばったり床几を広げられるなど京町家らしさを盛り込んでいる。
あえて屋根の中心をずらしており、想像力をかきたてるデザインとなっている。
モバイルハウスを自作したオーナーたちに話を聞けば、じっくり派で3か月〜半年、手早い人なら2〜3週で8割方仕上げていた。DIYの知識や道具があれば思いのほか早くでき、2台目、3台目へと新しいアイデアを形にする人もいた。
地面に建てるログハウスとは異なり、モバイルハウス作りでは軽量化とバランスも課題となる。
その分、自作するとなると大変だが、好きな場所に自分好みの“家”を持っていける。移動式の隠れ家、秘密基地だと思えば夢がある。
取材・文/大森弘恵