フルモデルチェンジしたジムニーが好評だ。いまだにバックオーダー(注文)を抱えている状況で、スタイリングや走り、安全性能などにユーザーは大いに満足しているもようだ。
しかし、軽自動車である以上、維持費はやはりコンパクトにすませたい。ガソリン代は大きな要素を占めるだけにチェックしてみた。そして、ジムニーシエラや、歴代のジムニーも確認していく。
ジムニーの燃費はどう変わった?
2018年7月5日にジムニーシエラと共にフルモデルチェンジしたジムニー。本格四駆としてラダーフレームを継承。エンジンレイアウトはFRをベースとして4輪を駆動する。
658cc水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボエンジンは47kW<64PS>/6000rpmを発揮する。
フロントにエンジンを横置きして、スペースを最大限に活用する多くのFF車に比べて、ジムニーが重量面やスペース効率でハンデを負うのはやむを得ない。走りとスタイリングを優先した、趣味性の高い実用車としての魅力は、ほかに代えがたいものがある。
しかし、重量増、車高の高さは燃費面で考えると分が悪い。また、グリップ性を重視したタイヤもまた、転がり抵抗を増すわけだ。では、実際の燃費はいかほどか、確認していこう。
ジムニーの5MT車の燃費は?
まずはジムニーの5MT車のカタログ値を見ていこう。ジムニーは登場が新しいだけあって、WLTCモードを採用している。より、実際の使用に近い数値が測定できるといわれる、国土交通省審査値だ。
そちらで16.2km/Lという数値を得た。ジムニーの重量は全グレード共通で、5MT車が1030kg、4AT車が1040kgとなっており、全グレード共通の数値となった。
ジムニーの4AT車の燃費は?
続いて、ジムニーの4AT車のカタログ燃費もチェックする。
こちらは13.2km/Lという結果であった。
新型ジムニーの燃費が悪いという評価は本当?
新型ジムニーの燃費は5MT車で16.2km/L、4AT車では13.2km/Lという結果であったが、これは果たして悪い数値なのだろうか?
WLTCモードでの燃費は実燃費に近いとされるが、その数値を公表しているターボエンジンの軽自動車として、ダイハツ「タント」の「カスタムRS」4WD(CVT)で比較してみよう。
その燃料消費量は18.8km/Lだ。ジムニー(4AT)の13.2km/Lと比較すると目安になるかもしれない。
ジムニーシエラも燃費をチェック
ジムニーシエラは軽自動車の枠を超え、エンジンは1460ccの水冷4サイクル直列4気筒を採用。75kW<102PS>/6000rpmを発揮する。
車重は5MT車が1070kg、4AT車が1090kgでこちらは2グレード共通だ。
ジムニーシエラの5MT車の燃費は?
ジムニーシエラには「JC」「JL」の2グレードが用意されるが、燃費は共通だ。
15.0km/Lというのがジムニーシエラの5MT車のカタログ燃費だ。
ジムニーシエラの4AT車の燃費は?
それでは4AT車も比較してみよう。
13.6km/Lとジムニーの4AT車の13.2km/Lよりも優れた数字となった。
歴代ジムニーの燃費もチェック!
それでは、歴代ジムニーの中から主要なモデルのカタログ燃費を確認してみよう。
ジムニー「JA11」の燃費
1990年に登場したジムニー「JA11」。軽自動車の規格変更で排気量の上限が550ccから660ccに変更されたことを受けて、657cc水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ「F6A」型エンジンを搭載。55PS/5500rpmを発揮することとなった。
車両重量は写真のバンタイプで860kgとされ(JA11V-JHCU-2)、燃料消費率は「60km/h時定地走行燃費」(運輸省届出地)で18.7km/Lとされている。運輸省というのも懐かしいが、定地走行燃費は一説「話半分」ではないが、5〜7割程度の数字が実際の燃費に近いようで、仮に6割程度とすると、11.22km/L程度の実燃費であったと想像される。
ジムニー「JA22」の燃費
1995年に登場したジムニー「JA22」。エンジンがDOHC12バルブとなる658cc水冷直列3気筒DOHCインタークーラーターボ「K6A」型へと進化。64PS/6500rpmとより高回転に対応するエンジンとなった。
「JA22」は乗用のハードトップのみの設定で、5MT車(車両重量890kg)と3AT車(同900kg)が用意され、燃料消費率は10・15モード燃費(運輸省審査値)で5MT車が15.8km/L、3AT車が14.0km/Lとなっている。
ジムニー「JB23」の燃費
1998年に登場した先代ジムニー「JB23」。空力を考え、従来よりマイルドな印象を与えるエクステリアだが、ラダーフレームなど、本格四駆としての伝統は継承している。
エンジンは「JA22」の流れを汲み658cc水冷直列3気筒DOHCインタークーラーターボ「K6A」型を搭載。64PS/6500rpmを発揮する。
「JB23」からは3ドアの乗用タイプハードボディのみとなり、5MT車(990kg:「XC」)と4AT車(1000kg:「XC」)が用意され、燃料消費率は10・15モード燃費(運輸省審査値)で5MT車が16.4km/L、4AT車が14.8km/Lとなっている。
※データは2019年9月下旬時点での編集部調べ。
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文/中馬幹弘