照明器具を選ぶとき『ダウンライト』という選択肢が出てくることがあります。公共の場所や家庭内など、さまざまな建物内で幅広く使用されているダウンライトについて、基本知識と特徴、設置のコツなどをまとめました。
住宅用語でよく聞くダウンライトとは?
家を建てたいときやリフォームを検討している人は『ダウンライト』という単語を聞いたことがある人も多いでしょう。一般的にも広く使用されているダウンライトは、多くの家庭にも浸透されてきています。
スマートですっきりとした印象のある照明器具のダウンライトには、どのような特徴と種類があるのでしょうか。
天井に埋め込む照明器具
ダウンライトとは、『天井に埋め込まれたタイプ』の照明器具です。埋め込まれている状態なので凹凸ができず、天井をすっきり見せられるという特徴があります。
サイズが小さめのものが一般的で、ダウンライト単体でメインの照明として使用されることは少なく、どちらかというと補助照明での使用が多い照明器具です。
ベースタイプやユニバーサルタイプの種類
ダウンライトには、以下のように形状の異なる3種類があります。
- ベースタイプ
- ユニバーサルタイプ
- ピンホールタイプ
『ベースタイプ』とは一般的なダウンライトで、家庭内の照明としても多く使用されているタイプです。スポット的に狭い範囲を照らすために使われる他、複数のベースタイプのダウンライトでメイン照明として使用されるケースもあります。
『ユニバーサルタイプ』は、照らしたいものに合わせて角度を調整できるタイプです。家庭の照明器具よりも、アート作品などを展示する際に演出の一つとして使われることがあります。
『ピンホールタイプ』は、ベースタイプよりさらにピンポイントで照らせるもので、空間内で明暗を出してメリハリを付ける演出、または書斎などで読書灯代わりとしても使えるダウンライトです。
ダウンライトにするメリット
ダウンライトには、ただ室内を明るく照らすだけではない使い方やメリットがあります。家庭で活用すると、効率良くおしゃれな空間づくりにも一役買うアイテムです。
天井がすっきりとした印象になる
埋込み式であるため、取り付け場所をフラットに見せられるダウンライトは、天井をすっきりとした印象にできます。あまり照明器具を目立たせたくない空間や、シンプルに見せたいときにおすすめです。
余計な出っ張りができないダウンライトを取り付けると、空間をより広く使えてインテリアの邪魔になりにくいメリットもあります。
スポット照明でおしゃれに部屋を演出する
ダウンライトは広範囲を照らすことはしにくいですが、ある特定の場所だけを強調して『スポット照明』として活用することはできます。部屋の一部をダウンライトで照らすだけでも、空間に立体感が表現されおしゃれな雰囲気に演出することが可能です。
例えば、ワインセラーを設置して、その棚周りのスポット照明を取り入れることもできます。シンプルなデザインで、光だけで効果的に一部を照らすことができる照明器具です。
埃がたまりにくくメンテナンスがしやすい
ダウンライトは、天井に埋め込まれているため、吊り下げした照明器具のように埃が溜まることがありません。掃除の際の埃取りも不要で、天井の障害物にもならないのでスムーズに天井の掃除ができるでしょう。
また、一般的な照明器具が故障した場合、その原因は『照明器具・配線・取り付け口』のいずれかをチェックする必要があります。
しかし、ダウンライトは直接天井の器具に設置をするため、『照明器具・配線』のチェックするだけで済み、メンテナンスもしやすいでしょう。
LED化で節電も期待できる
家庭用の照明としてLED電球が普及していますが、ダウンライトにもLEDを使用できます。従来の電球を使用していたダウンライトでも、電球の交換または照明器具丸ごとの交換で、LED化が可能です。
LEDは消費電力が低いので節電効果が期待でき、寿命も長く交換の手間も省けます。一般的な白熱電球の寿命は『1000~2000時間程度』ですが、LED電球の寿命は『4万時間程度』とその差は明らかです。
また、LED電球の消費電力は白熱電球に比べて約1/5程度とも言われているため、節電対策としても大活躍してくれます。
ダウンライトを設置するときの注意点
さまざまなメリットがあるダウンライトですが、設置時にはいくつか注意すべき点があります。特に設置場所に気を配る必要があるので、以下のポイントを押さえて上手に設置しましょう。
電球の種類によって明るくなりすぎることも
基本的に、ダウンライトは狭い範囲を一方向に照らすタイプの照明器具です。一部分を集中的に照らすので、使用する電球の光色や種類、場所によっては明るすぎる、まぶしすぎると感じることも考えられます。
リビングのソファや寝室のベッドなどの人がいる場所に光が直接当たるように設置してしまうと、光が目に直接入ることもあるので注意をしましょう。
設置した位置を変えにくい
ダウンライトは天井に埋め込むので、一度設置してしまうと位置の変更が難しくなります。
最初に指定した位置に埋め込んでから、後になって「もう少し位置をずらしたい」と思っても、普通の照明器具のように簡単に変えられません。
後から位置を変える可能性がある場合は、ダウンライトにライティングレールを組み合わせて設置する方法があります。
ダウンライト単体よりも天井に取り付けるものが増えてしまいますが、できるだけ天井をすっきり見せながら、設置後でも自分でダウンライトの位置の変更がしやすくなるので、ライティングレールの設置も併せて検討をしてみましょう。
文/編集部