■連載/阿部純子のトレンド探検隊
いすみ市定住へ向けてのトライアルステイとして機能する
千葉県いすみ市にオープンした「いすみフォレスト・リビング」は、いすみ市が所有していた雑木林を生き返らせて町の資産にしようという公民連携のプロジェクトで、森の中の生活を体験できるグランピング施設だ。敷地内には無印良品の家「陽の家」のモデルハウスもあり、オープニングレセプションには、いすみ市の太田洋市長、良品計画の松崎暁代表取締役社長、事業主&プロデュース担当のスピーク・吉里裕也氏、オープン・エーの馬場正尊氏らが出席した。
「東京から1時間半で来られる場所で、環境に恵まれた豊かな体験していただきたい。これを機に移住や定住を考えてもらうトライアルステイとしての意味が大きい。広域のエリアマネジメントとして、世界的規模の企業も参加しながら、地域の小さな企業、個人も参加しているプロジェクトのプラットフォームになっているところも面白いと思う」(馬場氏)
「子供のころからこの森は遊び場だった。四季おりおりのたくさんの花が咲き、鳥も多い場所で、秋に実る山栗がとてもおいしく、たくさん山栗を採って祖母に渡し茹でてもらった思い出がある。令和の時代に森が新しく生まれ変わったことがとてもうれしい。県外から多くの方が泊りに訪れ、地元の子供たちにもここでたくさんの経験をしてもらいたい」(太田市長)
10月上旬より宿泊開始し、1日3組限定。1組に付き4名まで泊れるテントが3張あり、最大で12名まで宿泊可。4m角のダイニングデッキと、2m角のハンモックがかかっているデラックスデッキ、炊事場、サニタリー棟が敷地内にある。宿泊と海鮮BBQの夕食、朝食、アクティビティセットで1人あたり2万4000円(税込)。10月限定でオープン価格として1人あたり1万8000円(税込)で提供する。
「海と森がある外房エリアはオーストラリアのゴールドコーストに似ており、世界的なリゾート地になるポテンシャルがあると思っている。サーフィンも盛んな地で、海があることはよく知られているが、実はこうした里山が海の近くに広がっており、フォレスト・リビングに滞在の際は、海、山のアクティビティを体験していただきたい。また、トライアルステイとして地域の人とのつながりも考えており、この地域の伝統的な太巻き寿司体験や、好きな食材を地元の海鮮市場『魚平』で選ぶことができる豪華海鮮バーベキューも楽しめる」(運営を担当する合同会社いちのみや観光局 宇佐美信幸氏)
地元の店によるマルシェも施設内にあり、この日は「Flower&Herb Broom香房」、「東浪見TRAVEL COFFEE STORE」、「アジアンカフェ食堂 チャナリーフ」、千葉県のPRブースが出店していた。