家の新築時や照明の交換の際に、シーリングライトを自分で取り付けることは可能なのでしょうか?困難なことのように思う人もいるかもしれませんが、実際は簡単な作業です。LEDシーリングライトの設置方法や選び方、おすすめ3選を紹介しましょう。
LEDシーリングライトを取り付ける前に
天井に直接設置するタイプの照明器具を総称して『シーリングライト』と呼びます。かつては家庭用照明の大半を占めていた『吊り下げ式』に変わって、現在では主流のタイプです。
設置後のスッキリとした見た目でスマートさを演出してくれるLEDシーリングライトは、意外にも自分で簡単に取り付け可能です。
作業にあたって、あらかじめ確認しておきたい点を見てみましょう。
取り付けできる配線器具
LEDシーリングライトの取り付けにあたって『引掛シーリング』や『ローゼット』と呼ばれる配線器具の形式をしっかりチェックしましょう。
自分で交換できるかどうかは、これらの配線器具の種類がシーリングライトに対応しているかどうかで決まります。
シーリングの形は丸型が主流で『丸型引掛シーリング』や『丸型フル引掛シーリング』は家庭用の火災報知機のような形状です。ほかにも、コンセントのような角型もあります。
『フル引掛ローゼット』や『埋め込みローゼット』は、シーリングよりも薄型です。
『耳』と呼ばれる金具が両側に付いているものはネジ止めして固定できるため、重量のある照明器具に向いています。
取り付けできない配線器具と天井
比較的新しく建設された住宅であれば、引掛シーリングやローゼットのいずれかが使用されている可能性が高いでしょう。
しかし、古い建物だとシーリングライトが付けられない形状や、配線自体がないケースも多々見られます。
自分で交換できる引掛シーリング・ローゼットは丸型と角型が一般的ですが、角型の場合は若干の注意が必要です。
古いタイプの角型シーリングには、中央に高荷重に対応するための突起のある型やネジ頭が飛び出しているものあります。
このような形式だと自分での交換は難しいでしょう。配線器具が『アウトレットボックス』と呼ばれるものや、引掛シーリング自体が無く配線のみの場合も『有資格者による電気工事』が必要です。
LEDシーリングライトの選び方
配線器具の確認を終えて自分で交換できることがわかったら、LEDシーリングライトを選びましょう。「どれにしようか」と、あれこれ迷う時間も楽しいものです。
一口にLEDシーリングライトといっても、実にさまざまなモデルがあります。失敗しない選択のために、選び方のポイントを紹介しましょう。
部屋の広さで選ぶ
照明器具には『過不足なく部屋を照らしてくれる明るさ』が求められます。その際、部屋の広さに見合ったタイプを選ぶことが大切です。
照明度合いは、部屋の広さと『定格光束』といわれる基準のバランスで測ります。定格光束は『lm(ルーメン)』という単位で表されるもので、この数値が大きいほど明るく照らせるでしょう。
部屋の広さに対する標準的な定格光束と、その範囲について『一般社団法人日本照明工業会(JLMA)』が以下のような指標を出しています。
広さ(畳) | 標準定格光束(lm) | 定格光束の範囲(lm) |
~4.5 | 2700 | 2200~3199 |
~6 | 3200 | 2700~3699 |
~8 | 3800 | 3300~4299 |
~10 | 4400 | 3900~4899 |
~12 | 5000 | 4500~5499 |
~14 | 5600 | 5100~6099 |
LED照明器具の適用畳数について | 始めよう!あかりの省エネ | JLMA 一般社団法人日本照明工業会
どんな機能が付いているか確認する
近年主流のLEDシーリングライトには、さまざまな機能が搭載されています。『調光機能』を備えたものだと、そのときどきで理想に近い光の明るさに細かく調節が可能です。
オレンジ系の暖色から青みがかって見える寒色系の白色まで、部屋の雰囲気やシーンに適した光色をチョイスできる『調色・調光機能』もあります。
センサーが部屋の明るさを感知して『自動で照明度を調節する』タイプも人気です。『就寝時の好みの明るさを記憶する』モデルは、快適な睡眠をサポートしてくれます。
『タイマー機能』や『留守番機能』『虫の侵入を防ぐ』設計など、節電や防犯、快適の面から求める用途に照らしてベストなモデルを選びましょう。
デザインを選ぶ
インテリアを選ぶ時には、機能性はもちろんデザインも重要です。LEDシーリングライトには、幅広いモデルがラインナップされています。
引越しが多い家庭なら、どのタイプの部屋にもマッチするスタンダードタイプが適しています。雰囲気を選ばず、くずすこともない一般的な『丸型』デザインです。
スッキリとした印象を演出するなら『薄型』タイプはいかがでしょうか?スマートな雰囲気をかもし出してくれます。
子ども部屋などには、使い勝手のよい『シンプルなデザイン』が人気です。成長とともに部屋の雰囲気が変わることも多く、広く対応できる点が魅力でしょう。
和室に設置するなら、丸型よりも『スクエアタイプ』をおすすめします。落ち着いたテイストの部屋にも違和感なくマッチするでしょう。
LEDシーリングライトを取り付けよう
配線器具が自分で交換可能な形式かどうかを確認し、希望のLEDシーリングライトを選んだら、いよいよ自身での取り付けです。
取り付け方は簡単
購入したLEDシーリングライトを購入すると、本体とともに『アダプタ』が付属しています。本体のセンターカバーを開けて中にセットされているアダプタを取り出しましょう。
天井に設置された引掛シーリングやローゼットと同サイズで、コネクタ端子が付いています。シーリングに合わせたら、カチッと音が鳴るまでしっかりとアダプタを回転させましょう。
本体を中央の『アダプタコネクタ』と呼ばれる穴の部分へ、アダプタがくるようにはめます。アダプタと同じく、音がするまで押し上げましょう。
最後にアダプターからのびたコネクタ端子を本体の端子に差し込むことで、電気が通るようになります。フィニッシュとして、カバーをかければ完成です。
取り外し方も覚えよう
LEDシーリングライトの交換の場合、取り外し方も知っておく必要があります。しかし、取り付け同様、とても簡単なため心配はありません。
作業する前には、壁スイッチをOFFにしましょう。本体中央のセンターカバーを回して取り、コネクタに付いているツメを押さえて配線を引き抜きましょう。
シーリングライト全体を押さえつつ、アダプタに2カ所あるレバーを両手の親指などで同時に外側広げるとロックが解除されます。
本体が落ちてくるため、ゆっくりと下ろしましょう。引掛シーリングやローゼットから、シーリングライト引き抜くように外せば完了です。
配線器具がなければ業者に依頼しよう
引掛シーリングなどの形式が古い場合やそもそも配線器具が備わっていないケースでは、自分での取り付けは困難です。
照明器具は天井に設置することが多いため、安全性には十分な配慮が求められます。引掛シーリングの設置工事には『電気工事士』の資格が必要です。
配線器具の種類は耐荷重を考慮して選ぶ
シーリングやローゼットのタイプによって『耐荷重』の数値も異なります。
角型引掛シーリング・丸形引掛シーリング・丸形フル引掛シーリング・埋め込みローゼットなどは耐荷重が『約3kg』までです。
ハンガー金具付きのフル引掛ローゼットや引掛埋込みローゼットでは、金具部分をネジ止めすることで通常よりも高負荷にも耐えられます。耐荷重は『約8kg』までを目安にしましょう。
さらに、中央に突起がある『高荷重形キャップ』と金具付きを組み合わせた高荷重形丸形露出引掛シーリングなら『10kg』までの荷重に対応可能です。
10kg以上の照明器具は天井自体が補強されている必要があるため、念頭において検討しましょう。
LEDシーリングライトのおすすめ3選
取り付ける際の注意点や設置方法がわかったところで、おすすめのLEDシーリングライトを選りすぐりで三つ紹介しましょう。
どのアイテムも、デザインや機能など快適な空間づくりをサポートできる明かりにこだわっています。
パナソニック AIR PANEL LED HH-XCD1283A
『パナソニック(Panasonic)』の『AIR PANEL LED HH-XCD1283A』は、部屋のタイプを選ぶことなくあらゆる空間になじむモデルです。
さまざまな光の演出が可能な点が大きな特徴でしょう。間接照明とのセットで陰影ある雰囲気を演出し、和・洋それぞれの空間に適した光を生み出します。
『Bluetooth』を使ってのリモートコントロールも便利です。最大15台までの一括操作を可能にしています。
- 商品名:パナソニック AIR PANEL LED HH-XCD1283A
- Amazon:商品ページ
アイリスオーヤマ CL8DL-5.0CF
『アイリスオーヤマ(IRISOHYAMA)』の『CL8DL-5.0CF』は、厚みが93mmの薄型モデルです。スマートなスタイルとクリアフレームを採用しています。
見た目の軽やかさとスタンダードな丸型で、どんなテイストの部屋にもマッチするでしょう。暖色から寒色まで、11段階の色調に調整可能です。
明るさも10段階で設定できます。朝や夜など利用時間の違いや、読書やリラックスタイムなど生活のあらゆるシーンに適した光で照らしてくれるでしょう。
- 商品名:アイリスオーヤマ CL8DL-5.0CF
- Amazon:商品ページ
日立 LEC-AH1210PH
『日立(HITACHI)』の『LEC-AH1210PH』の特筆すべき点は、独自設計の『ひろびろ光(こう)』です。天井全体から壁の隅々まで、広範囲にわたってしっかりと照らしてくれます。
色調には、さわやかな白色や暖かみのあるオレンジなど、4種類から選べます。夕暮れ時を思わせる暖色光は、家庭にリラックスできる空間へと演出してくれるでしょう。
リモコンの『あかりセレクト』という四つの切り替えボタンには『蛍光灯』『図書館』『食卓』『電球』をイメージした明かりが設定されています。
初期設定から自分好みの色や明るさに微調整したものに変更することも可能です。
- 商品名:日立 LEC-AH1210PH
- 楽天:商品ページ
文/編集部