通信会社やサービスに加え、スマホ自体の使い方も大きく変わろうとしている。2WAYで使える〝折りたたみスタイル〟という未知の体験について、日本未発売のGalaxyシリーズでいち早く試したスマホの識者にじっくりと聞く。
大画面を有効活用する3アプリ同時の表示に対応
「通常はスリムなスマホだけど、開けばタブレット……。『Galaxy Fold』は、そんな1台で2役をしっかりとこなす欲張りな端末だ。具体的には、片手でしか操作できない時は普通のスマホとして扱えて、電車内で座ったりベッドで横になったりした際には大画面のタブレットスタイルにして動画を存分に楽しめる。大画面を有効活用する機能も用意。開いた状態では最大3つの画面にそれぞれ別々のアプリを割り当てられるようになっている。これにより、例えば店舗情報を検索しながら、マップアプリで場所を参照しつつ、友人とメッセンジャーでコメントをやりとりするなど複数のアプリを1画面でマルチに使えるのが新しい。
なお、開閉している時のヒンジの動きは、グラつきもなくしっかりしている。画面を内側に折りたたむ機構になっているので、閉じたままポケットに入れても開いた時の画面に傷がつきにくい。5月に一度市場にサンプルとして出回ったものの、ディスプレイ面が弱くて発売延期になった。今秋再登場の改良版では強度が増していることに期待したい」(山根さん)
折りたたみ構造による〝デュアルな使い方〟
Galaxy『Galaxy Fold』発売未定
海外での発表当初、20万円を超える販売予定価格も相まって大きな話題になった、世界中が注目する端末。内蔵のマグネットによって、たたんだ時には両端がピタッと密着する仕組みになっていたが、本製品の状態やいかに!? 今秋に正式リリース予定。
手に持った時の参考イメージ。たたんだ状態では、既存の大画面スマホに比べて縦長のフォルム。その分、手にしっくりと収まり、ポケットなどにしまいやすい。
たたんだ状態を側面から見たもの。フラットでいて、すっきりとしているのが印象的だ。ヒンジ部分は美しい仕上がり。細部にわたるもモノづくりのこだわりによって、高級感が醸し出されている。
広げた時の画面が驚くほど大きい!
ファーウェイ『HUAWEI Mate X』発売未定
広げた状態の画面サイズは8インチ。動画や地図などを見るのに便利。なお〝山折り〟にすると、前面に6.6インチと背面に6.38インチのディスプレイを備えたスマホになる。
携帯電話研究家 山根康宏さん
香港在住の携帯電話研究家。香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。世界各国の携帯電話市場の状況や海外から見た、日本の携帯電話市場を執筆している。
取材・文/山根康宏、編集部 撮影/園田昭彦