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死亡事故のデータが物語る後席でもシートベルトを必ず着用すべき理由

2019.11.06

ショッピングに行くときやドライブなど、車の利用時に正しくシートベルトを装着していますか?シートベルトは、私たちが安全にドライブを楽しむために欠かせないものです。着用の重要性と非着用時の罰則や免除条件などについて、分かりやすく解説します。

シートベルト着用は義務?

ひと昔前までは『付けることで締め付けられる気がする』などの理由から、シートベルト着用の必要性に対する認識はあまり高くありませんでした。

現在ではルールとして受け入れられるようになったものの、いまだに運転席と助手席を併せた着用率は100%には届いていません。

シートベルトを着用せずに事故に遭遇してしまった場合の死亡率は、着用時よりもはるかに高くなっています。

運転者だけでなく同乗者も着用を徹底して、自らの安全を確保することが大切です。ここでは、シートベルトの着用義務について解説します。

全席でシートベルト着用

国内で初めてシートベルトの着用が法律で義務付けられたのは、1985年です。

当時は今ほどシートベルトの重要性が理解されていなかったこともあり『高速道路を走行する車の運転席・助手席』の義務化に留まっていました。

しかし、シートベルトを着用していれば死亡しなかったケースの報告が増えていくにつれて、徐々に義務化が推進されていきます。

92年には『一般道での運転席・助手席』、2008年には『後部座席を含むすべての座席』でシートベルト着用が必要になりました。

違反時の罰金、違反点数

一般・高速道路に関わらず、非着用で運転した場合には『座席ベルト装着義務違反』です。違反時の罰金はありませんが、免許停止までの6点の持ち点のうち『1点』分の減点対象になります。

後部座席の非着用に関しては『高速道路のみが減点対象』です。

罰金もなく違反点数も高くないからといって、着用せずに事故を起こせば命の危険性に関わる事態につながる恐れもゼロではありません。

追突事故などを起こされたときにも、シートベルトが非着用であれば『被害の拡大は被害者の過失』とみなされることもあるでしょう。

被害者であっても、損害賠償などの補償が十分に受けられない可能性もあります。

後部座席のシートベルト着用はとても重要

高速道路での死亡事故では、後部座席に座った同乗者の『約7割』がシートベルト非着用で亡くなっています。

事故の衝突時などには、前席の人と比べてフロントガラスに直撃する可能性が低く「非着用でも大丈夫なのでは?」と思う人もいるでしょう。

後部座席でシートベルトを付けることは、着用者自身だけでなく『前席の人の安全を守る』ためにも、とても重要なことです。

ここでは、後部座席のシートベルト着用の重要性について解説します。

全身強打の危険性

車の衝突事故の衝撃は想像以上に激しく、時速60kmで走行中の車が壁に激突すると『高さ3~4階のオフィスビルから落下した時と同じ衝撃』を受けると言われています。

非着用で後部座席に同乗していた場合、車が何かの拍子に急停止したり衝突したりすると体を固定する間もありません。

生身の状態で、前席・天井・ドアなどに非常に激しい力で叩きつけられるでしょう。全身強打する可能性が高く、大怪我の原因にもつながる危険な行為です。

車外に放出される危険性

事故の強い衝撃では、体が車内で振り回されることも珍しくありません。ガラス窓を突き破って、車外へ放出される可能性も十分あるでしょう。

高速道路では、一般道に比べてシートベルト非着用によって車外に放出されて死亡する人の割合がさらに多くなっています。

『高速道路における車外放出死者数の推移(各年12月末)』によると、平成26年の高速道交通事故死者の約6人に1人は車外放出が死因です。

車外に放出されると、路面に激しく叩きつけられたり後続車に跳ねられて死亡するケースも少なくありません。

「ちゃんと付けておけば助かったのに」と悔やまれる結果にならずに済むように、シートベルトを習慣化しましょう。

出典:平成26年中の交通事故発生状況

前席の人が怪我をする危険性

追突事故や衝突事故の衝撃の大きさによっては、後部座席の人が前方に投げ出されて前席の人に大怪我を負わせてしまうケースもあるでしょう。

前席の人はシートとエアバッグで挟まれるだけでなく、投げ出された後部座席の人によって頭部を損傷するリスクを背負っています。

最悪の場合には死亡事故につながるかもしれません。後部席の人がシートベルトを着用することは、自分だけでなく前席の人の命もを守ることにもなります。

子供の安全を守るチャイルドシート

子供のチャイルドシートの使用についても、大人と同様に00年に義務付けられています。一般的な車のシートベルトは『140cm以上の人物』を目安としてつくられているものです。

小さな子供に対しては正しい位置で装着できず、安全とはいえないでしょう。乗車中の子供を無理のない体勢で固定するために『チャイルドシート』があります。

ここでは、子供の安全を守るチャイルドシートについて解説します。

チャイルドシートは生後何カ月から必要?

『生後0カ月~6歳未満』までは、チャイルドシートを使用する義務があります。たとえば、赤ちゃんが生まれて病院から退院するときなど車に乗せる際にも、チャイルドシートが必須です。

6歳未満の子供がシートベルト非着用時に事故に合った場合、着用時と比べて『致死率が約11倍』にもなることが事故の統計から分かっています。

シートベルトの着用基準に満たない幼少の子供の場合は、チャイルドシートを利用しましょう。

年齢に合わせてチャイルドシートを選ぶ

小さな子供は年齢によっても発達状況が大きく異なります。チャイルドシートは子供の体重や発育に合わせて3種類を使い分けましょう。

  • ベビーシート(新生児~1歳頃まで)
  • チャイルドシート(1~4歳まで)
  • ジュニアシート(4~11歳まで)

首がまだ座っていない新生児~1歳頃までの赤ちゃんは体が未熟なため、ベビーシートは『後ろ向きにセットできるもの』が基本です。

事故時の衝撃を正面に向いていた場合の肩1点だけでなく、頭・首・背中の全体で分散して支えられるでしょう。

近年では、子どもの成長に合わせて『ある程度ベルトの長さやシートの高さの調整が利くもの』もあります。

身長が車のシートベルトに適応する140cmまでは安全のためにジュニアシートを着用しましょう。

チャイルドシートの設置位置

シートベルトが設置されていない座席や進行方向に対して前を向いていない座席には、チャイルドシートを固定する金具が装着できません。

エアバッグが設置されている助手席も、膨らむ際の圧力に子供のほうが耐えられない恐れがあります。

チャイルドシートは、安全面から『後部座席に取り付ける』のが基本です。3列シートの場合には『2列目の後部席』に取り付けるとよいでしょう。

一般的には『運転席の真後ろ』が安全といわれています。事故時にドライバーが自分を守るために、とっさに衝撃を回避する方向へハンドルを切る傾向があるからです。

助手席の真後ろに取り付ければ、運転中に子供の様子を確認できます。いずれの場合でも、助手席ではなく、後部席に取り付けるようにしましょう。

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