ビジネスパーソンにとって「よく寝ること」は、仕事のパフォーマンスに直結するため死活問題といえる。
しかし、忙しい日常の中で十分な睡眠時間を確保できなかったり、不規則になったりしがちだ。
そんな睡眠に関する各種調査の結果をまとめたレポートこのほど、大塚製薬より発表されたので、紹介していきたい。
人はリズムの中に生きている
地球は1年をかけて太陽の周りを公転するというリズムがあり、地球が傾きを示してるため四季が生まれ私たちの生活に様々な影響を与える。
また、生物学的には月の朔望(新月・満月、29.5日)という概月(サーカ)リズムがあり、女性の月経は月の「みち・かけ」の影響は受けてはいないが、概ね28日の周期がある。
そして男女を問わず、人には概日リズムといわれる約24時間のサーカディアンリズムがある。
人の体温にも、早朝に最も低くなり、時間の経過とともに上昇し夕方にピークを迎え、その後は徐々に低下、睡眠中も体温が下がり、起床に向けて上昇していくというリズムがある。
体温のリズムは「睡眠」と「覚醒」というリズムに同調している。このリズムが何等かの原因で乱れる体調に異変をきたし、気分が悪くなったり心臓がドキドキするなど不調を感じる上、ひどくなると病気を発症するケースも。より良い暮らしを送る為には毎日のリズムを整えることが大切だ。
寝だめによる体内リズムの乱れ
平日は仕事に追われ、休日になったらたまった疲れをとるために昏々と寝続ける……
十分眠ったはずなのに月曜日がだるい……
このような経験はないだろうか?
実はこの「寝だめ」が体内リズムの乱れを引き起こす。平日の疲れを癒すためにある程度遅起きすることはOKだが、寝過ぎはNG。
朝寝坊した休日には、太陽の光の刺激を受けるタイミングが遅れてしまい、私たちの体内時計は狂い始める。
週末に東南アジアに旅行にいったような“時差”によって睡眠ホルモンメラトニンの分泌をはじめとした体内リズムも乱れ(図表B)日中眠くなったり、眠りたい時間に眠れなくなってしまうのだ。
休日の2日間朝寝坊しただけで、体内時計が30~45分遅れてしまうことが、複数の試験で確認されている。
しかも、1度ずれてしまったリズムをもとに戻すのは容易ではない。翌週の前半まで眠気や日中の疲労感を引きずってしまうという報告もされている。体内リズムを崩さない為には、毎日「同じぐらいの時間に起きる」、更に「朝食」をとることが有効だ。
睡眠不足と運転事故の関係
1997年にオーストラリアの研究者達がイギリスの科学専門誌『ネイチャー』に「朝起きてから17時間後パフォーマンスは血中アルコール濃度0.05%と同等まで低下する」という研究結果を発表して話題になった。(図表C)
具体的には、朝7時に起きて夜の12時に運転すると、その時の運転能力は飲酒運転と同じ、すなわちお酒を飲んでいなくても、起床から10数時間もすれば、誰でも飲酒運転と同様の状態になってしまう……ということだ。
その他にも「4時間睡眠を6日間続けると、徹夜レベルまでパフォーマンスが低下する」という報告もある。ごく普通の健康なドライバーでも十分な睡眠をとっていなければ危険運転の当事者になる可能性があるのだ。
出典元:大塚製薬株式会社
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構成/こじへい