ついに常時表示に対応したApple Watch Series 5
Apple Watch Series 5
Apple Watch Series 5は同Series 4に比べると、新たにディスプレイを常時表示する機能が加わった。従来モデルは数秒でディスプレイが消灯してスリープし、腕を上げると自動表示、というような形式だった。これにより、作業中やエクササイズ中などにも使いやすくなっている。
それ以外の変化というと、電子コンパスの追加やセルラーモデルの国際緊急通報があるが、これはそこまで大きな変化とは言えない。
もしまだApple Watchを持っていないならば、iPhoneの買い換えを急ぐよりも、Apple Watchを買い足した方が、総合的な生活体験が向上する可能性はある、そう筆者は考えている。ただしApple Watchは、ライフスタイルに合致する人にはもの凄くハマる製品だが、その一方で合わない人にはフィットしない製品でもある。ここには注意が必要だ。
コンパス機能内蔵により、Series 5にはコンパスアプリも追加された
初めてApple Watchを買うのであれば、まずはお試しという形で、あえて最新モデルではなく、現行ラインアップに残ったSeries 3を選ぶ手もある。ディスプレイサイズがやや小さく、常時表示にも対応していないが、Apple Watchの基本機能は使えるし、Apple Payにもしっかり対応しているので、使い勝手を確かめるエントリーモデルとしては最適だ。アルミニウムケースモデルなら1万9800円からという価格が何よりの魅力である。
Apple Watchからの買い換えとなると、どのApple Watchからかが問題となる。まず初代AppleWatchは、watchOSが最新にならず、すでに使えていないと思うが、早めに買い換えよう。Series 2/3の人も、毎日それなりに使いこなしているならば、Series 5に買い換える価値はある。とくにSeries 3以前からだとディスプレイサイズが大きくなるので、使いこなしている人にとっては大きな影響がある。
ただしSeries 3はまだ現行モデルに残っているくらいなので、買い換えずにしばらく使い続けるというのも悪くない。とくにステンレスケースなど上位のケースを選んでいる人は、大切に使い続けることをお勧めしたい。また、Series 4からとなると、常時表示くらいしか差がないので、まだ買い換える必要はないと思う。
Apple Watchは「どれを買うか」のチョイスが大変!
アルミニウム・スペースグレイにベーシックなシリコンバンドを着けたモデル。ダイヤルボタンに赤い円があるのはセルラーモデルの証
Apple Watchの場合、買うかどうかの判断に加え、「どれを買うか」の判断も難しい。iPhoneもストレージや本体カラーなどバリエーションが豊富だが、Apple Watchはそれ以上にバリエーションがあるのだ。
選ぶべき項目は、まず「大きさ」「ケース素材」「カラー」がある。どれも重要だが、使い勝手に大きく影響するので、できれば量販店などで実際に試着してから決めることをお勧めしたい。
大きさは2種類あるが、小さい方が女性用というわけでもなく、男性でも腕があまり太くなければ小さい方も使いやすいと思う。Apple Watchは他社のスマートウォッチよりもコンパクトだが、よりコンパクトなモデルの方が装着感は良い。
チタニウムケースはヘアライン仕上げとなる模様
Series 5はケース素材がアルミニウム、ステンレススチール、チタニウム、セラミックの4種類がある(Series 3の現行ラインアップはアルミニウムのみ)。iPhoneのように、2年くらいで買い換えるなら、安価なアルミニウムケースがお勧めだ。しかしApple WatchはiPhone以上に人目に触れる機会が多いので、自分の見た目にこだわる人は、4年以上使う覚悟をして、ステンレスケースなども選択肢に入れるべきだろう。ただしアルミニウムケース以外はより高価なGPS+Cellularモデルのみとなっているので注意しよう。
カラーはケース素材ごとに異なるが、アルミニウムとステンレススチールは3色、チタニウムは2色から選べる。アップル公式サイトの美麗な写真も、ケースの質感の魅力は半分も伝え切れていないと考えた方が良いので、このあたりも含め、店頭でしっかり確認することをお勧めする。
こちらはアルミニウム・ゴールド
カラーは好みによるが、Series 5でも画面表示は黒が基本となるので、文字盤が溶け込むような黒系の色の方が似合うかなと、筆者は考えている。しかし普段着ている服の色調などとの相性もあるので、これも自分の好みなどに合わせ、慎重に選ぶことをお勧めしたい。
最後に付属バンドを選ぶ段だが、これは迷ったら本体ケースに合わせた色のシリコンスポーツバンドで良いと思う。安くて防水で洗いやすいので、1本持っておくと便利だからだ。バンドはあとから買い足し、簡単に付け替えて着せ替えを楽しめるのも、Apple Watchの魅力のひとつだ。本体を買い換えてもバンドは使い回せるので、本体よりも高いバンドでも元を取りやすい。ただしバンドはケースが同じサイズでないと互換性がないので注意しよう(44/42mmと40/38mmはそれぞれ互換性あり)。
エルメスモデル。高価だが、エルメスのバンドに加え、専用壁紙も搭載。筆者の知り合いでエルメスモデルを買っている人はけっこう多い
Apple Watchは選ぶのが大変な製品だが、逆に言うと選ぶのが楽しい製品でもある。毎日装着したくなることは、Apple Watchにとって必須の「スペック」だ。毎日装着したくなるような、自分の腕に巻いていて誇らしく思えるようなデザインのApple Watchを選ぼう。
取材・文/白根雅彦
「ケータイ Watch」の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。雑誌やWeb媒体などで、製品レビューから取材まで、幅広く記事を執筆