2019年秋の新型iPhoneと同時に、iPad(第7世代)とApple Watch Series 5も発表された。どちらも順当な進化を遂げた後継機種だが、進化ポイントがややわかりにくくて、どんな人がどんなモデルを買うべきか、悩むところがあるかと思う。そこでまだ実機を触れていない段階だが、この記事では発表済みのスペックや従来モデルとの比較から、この秋のiPadとApple Watchの選び方について解説していく。
iPad(第7世代)はお手頃価格。でも新製品なのに2年落ち!?
iPad(第7世代)
今秋発表されたiPad(第7世代)は、32GB Wi-Fiモデルで3万4800円と、お手頃価格となっている。しかしだからといって必ずしもコストパフォーマンスがずば抜けているわけではない。
というのも、iPad(第7世代)のプロセッサはA10 Fusion、今春発売のiPad Air(第3世代)やiPad mini(第5世代)のA12 Bionicより2世代古い。iPad Air/miniの方が初期コストは高くても、長く使うなら1年あたりのコストは変わらないのでは? となるのだ。
プロセッサだけでなく、ディスプレイも色域などの面でiPad Air/miniの方が高性能だ。また、大きさを比べると、iPad(第7世代)とiPad Airはほとんど同じだが、iPad(第7世代)の方はやや厚みがあり重たく、一方でディスプレイサイズはiPad Airの方が若干ではあるが大きい。また、ストレージ容量のバリエーションも、iPad Air/miniの方が大きな容量が用意されている。
Apple Pencilに加えSmart Keyboardにも対応
iPad(第7世代)は前モデル(第6世代)と異なり、純正キーボード「Smart Keyboard」に対応した。前モデル同様、Apple Pencilにも対応している。Smart KeyboardもApple Pencilも、iPad Air(第3世代)と共通なので、上位モデルとの差は縮まった形だ。
iPadを使いこなしてるなら、買い換え先としてiPad Airがお勧め
iPadの現行ラインアップ
iPadを選ぶ時は、最新だからといってiPad(第7世代)をチョイスするだけではなく、コストパフォーマンス重視で選ぶ時も、iPad Air/miniを選択肢から外さないようにしよう。半年前のモデルだが、iPad Air/miniの方が性能は良く、プロセッサも新しい。長く使いたいのであれば、プロセッサが新しいことは重要だ。
ではiPad(第7世代)がどんな人にお勧めかというと、まず初めてiPadを買う人にはお勧めだ。初めてだとiPadをどんなことに使うか、どれだけ長い期間使い続けるかもわからないので、まずお試し感覚でiPad(第7世代)を選び、2〜3年使ってみると良いだろう。そうした使い方なら、3万4800円からという価格は魅力的だ。
iPadを買い換えるという人で、4〜5年とか長く使い続けたいのであれば、iPad Airがお勧めだ。また、写真編集やお絵かき、テキスト入力に使うなら、プロセッサパワーが重要なので、iPad(第7世代)だと将来的に不安が残る。動画再生や電子書籍が中心で、2〜3年で買い換えるというのであれば、iPad(第7世代)を選ぶのも手であるが、2014年発売のiPad Air 2からもプロセッサは2世代しか違わないなど、旧モデルから買い換えるにしてもiPad Air(第7世代)はややスペック不足な感は否めない。
持ち歩くことが多い人や片手で電子書籍を楽しみたい人にはiPad miniがお勧めだ。iPad miniは約300gと、スマホに比べると重たいが、それでも片手で持っていても疲れにくい重さではある。電子書籍ならiPad Airよりもむしろ使いやすいサイズ感とも言える。このサイズ感でiPad Airと性能が同等というのも頼もしい。
一方、iPad Proはというと、基本的にイラストレーターなど仕事の道具としてiPadを使い、iPadでお金を稼ぐプロ向けのモデルと考えよう。それでも、「iPad Proの性能がないと仕事にならない」ということでもない限り、iPad Proを必ず選ばなくてもよいと思う。iPad Air/miniはiPad Proとプロセッサは同世代で、シングルタスク処理ならば差はほとんどない。iPadを使いこなしている人でも、iPad ProではなくiPad Air/miniを買い、浮いた予算で周辺機器やプロ向けアプリを買いそろえする方法もありかもしれない。