ジャケットに似合うメタルバンドを探せ
『K550946』の純正ベルトはブラックの革製。純正はメタルバンドの方がいいのだが、オリジナルモデルが革製なのでそれに習ったと思われる。革バンドは消耗品なのでいずれ交換の時期がくる。この時に革製を選らんでもいいのだが、メタルバンドだったら何がいいかも検討してみよう。一般的に革バンドより、メタルの方がカジュアル、スポーティに見える。今回はビジネス重視のデザインでまとめたいので、カジュアルっぽく見えるコマが大きなブレスは避ける。ケースに合わせた無垢スレンレスベルトを選ぶと、作りのいいモノはそれなりに高価だし、重くなる。
そこで編み目のようなデザイン、ミラネーゼとも呼ばれるメッシュブレスレットをチョイス。1960年から70年代に流行したレトロなデザインで、IWCにも採用される正統派のメタルバンドだ。薄く、軽く、長さは無段階調整なのでジャストフィット。メタルだが目立ち過ぎずビジネススーツとの相性も抜群である。バンド込みの腕時計の重量は109.4gだった。
レトロなデザインとのマッチングがいいメッシュタイプのメタルバンド
存在感のある44mmのビッグフェイスだが文字盤がシンプルなので悪目立ちしない
Vostokの真価が発揮された美しい仕上げ
PETPO(レトロ)コレクションは全部で9モデルあり、そのどれもがビジネススーツに似合うデザインで、仕上げも美しい。『Amphibian』は防水性を確保するため、ネジ込み式竜頭を採用しているが、ネジを緩めるとかなりあそびがあり、ネジ巻く位置が微妙で手巻きがやりにくい。裏ブタの仕上げもザラザラだった。しかしPETROにはそういった不安要素はなく、手巻きもチリチリチリと心地よいクリック感で巻き上げられる。ケースの厚みは12mmでベゼル側面はコインエッジになっている。
スケルトンから見ると髪の毛のように細いヒゲゼンマイと共に動くテンプがあり、その下でアンクルが左右に振れる。キャリパー2415.02の振動数は19800なので、テンプは1時間に1万9800回動いて正確な時間を刻むのだ。この精巧なメカニズムがわずか1万2000円で手に入るのがVostokの魅力である。
次回は293種類あるVostokの本命『Komandirskie』(司令官)を選ぶ!
写真・文/ゴン川野