「日本はキャッシュレス後進国」とよく言われる。では逆に、キャッシュレス先進国過ぎて、現金が使えない国というと、いったい、どこになるのだろうか?
そんな「現金が使えなかった国ランキング」を含む、20代~70代の男女942名を対象にした「キャッシュレス化」に関するアンケート調査の結果が今回、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」から発表された。
海外渡航をした際に、現金で購入できなかったこと、6・7人に1人は経験あり!
海外渡航をしたことがある人を対象に、「海外渡航をした際に、現金で購入できなかった経験」の有無を尋ねる調査が行われたところ、15.8%の人が「ある」と回答し、6・7人に1人は海外で現金購入ができなかった経験をしていることが分かった。
現金が使えなかった国TOP5
キャッシュレス化というとアメリカやヨーロッパなど、先進国の一部だけというイメージだが、「現金が使えなかった国」を尋ねる調査において、2・3位には日本の近隣国「中国」「韓国」がランクインした。経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン」※1によると、各国のキャッシュレス決済比率は北米・ヨーロッパの各国を抑えて「韓国」「中国」が1・2位を独占しているそうで、旅行者は北米・アジア・ヨーロッパ、どこに行ってもキャッシュレス化の壁にぶち当たっているようだ。
※1経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」:https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf
現金が使えなかった場所TOP5
日本において「現金が使えない場所」と考えると、大金を取り扱うお店が想像できそうだが、海外では「レストラン」「カフェ」「スーパー」など、少額を扱うお店でも現金が使えないようだ。
また、「空港内」や「公共交通機関」など観光客が必ずと言ってよいほど利用するものも現金が使えないことがあるようで、海外に行く際は現金が使えなかった場合のことも考えておく必要性が高まっている。
現在の支払方法は何がメイン?…… 「ほぼキャッシュレス」が32.8%の一方で、「ほぼ現金」も15.8%
「現在、日本において支払方法は何がメインか」と尋ねる調査が行われたところ、「ほぼキャッシュレス」が32.8%、「金額、状況で使い分けている」の37.0%と合わせると約7割の人がキャッシュレスに移行できていると言える。
一方で、「今は現金が多めだが、キャッシュレスに移行しようと思っている」が14.0%、「ほぼ現金」も15.8%いた。
キャッシュレス決済方法として使っているもの、ダントツで「クレジットカード」。「スマホ決済アプリ」は21.3%
支払いが「ほぼキャッシュレス」「使い分けている」と回答した人を対象に、「キャッシュレス決済方法として使っているものは何か」と尋ねる調査が行われた。
すると、キャッシュレスに移行できている人の中でも大半は「クレジットカード」(95.9%)を利用しており、その後に「電子マネー・プリペイドカード」が続いていた。
今続々とサービスがリリースされている「スマホ決済アプリ」を使用していると答えた人は21.3%に留まっており、スマホ決済利用がメジャーになるまでにはもうしばらく時間を要しそうだ。
現金払いがメインになっている理由TOP5
支払いが「ほぼ現金」「今は現金が多め」と回答した人を対象に、「現金払いがメインになっている理由」を尋ねる調査が行われたところ、 1位は「お金を使いすぎてしまいそう」(45.2%)、続いて僅差で2位に「システムに対する不安がある」、「現金を使っていて困ったことがない」(42.9%)が入った。
記憶に新しいところで言うとコンビニエンス業界最大手のセブンイレブンが満を持してリリースした「7pay(セブンペイ)」で不正ログインが相次ぎ、3か月でサービスが終了したのが大きな話題となった。
そのようなこともあり「キャッシュレス=不正アクセスの可能性」というイメージが広がってしまったのかもしれない。
また、海外のキャッシュレス化が進んだ一因に偽札が流通し、紙幣に対する信頼が薄かったこともある。
その点、日本は偽札が出回ることはめったになく、店側にも消費者側にも現金を扱うことによる大きなデメリットは無いと言えるだろう。更に、キャッシュレス化に伴う初期費用や決済手数料が高い日本においては現金が普及した方が店側にとっては好都合とさえ言うことができそうだ。
さらに、「登録が面倒」(28.2%)、「サービスが多すぎて選べない」(21.4%)などの理由も挙がっており、消費者のキャッシュレスに対する情報もまだ不足しているのかもしれない。
キャッシュレス化の推進に賛成? それとも反対?
最後に「キャッシュレス化の推進」に反対か否か尋ねる調査が行われたところ、「賛成」が19.9%、「どちらかと言えば賛成」が32.5%と、過半数の52.4%が「賛成」の意向を示した。
一方で、「反対」が6.4%、「どちらかと言えば反対」が10.1%と「反対」意向は16.5%という結果に。「どちらとも言えない」も29.3%となっており、まだまだ議論の余地がありそうだ。
■調査概要
調査タイトル:「キャッシュレス化」に関するアンケート調査
調査対象:20代~70代の男女942名
調査期間:2019年8月13日~8月16日
調査方法:インターネット調査
調査主体:株式会社エアトリ
出典元:株式会社エアトリ
構成/こじへい