先物取引を「上手く」活用した投資信託が人気を博しそうだ。先物取引というとハイリスクで投機のために行う取引というイメージがある。しかし高い投資効率実現のために上手く活用する方法にも使える。
2019年9月現在では以下の3本の投資信託が設定されており、株式の価格下落を小さく抑えつつ大きなリターンを狙うための仕組みがある。
●グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)/日興アセットマネジメント
●グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)/日興アセットマネジメント
●ウルトラバランス 世界株式/アストマックス投信投資顧問
ここではウルトラバランス 世界株式を例に、先物取引を活用した投資信託の仕組みを解説しよう。
集めた資金の8割をETF(上場投資信託)に残りの2割を先物取引の証拠金に
投資家から集めたお金のうち80%はETF(上場投資信託)に投資し残りの20%を先物取引の証拠金として使う。先物取引では20%の証拠金に対して資金の210%分の建玉を保有する。すると実際に投資できる資産額を増幅することができる。
ETF80% + 先物取引の建玉210% = 290%分の投資が実現できる。
例えば10,000円分のウルトラバランス 世界株式を購入したとすると、80%分の8,000円はETFに投資する。残り20%分の2,000円は先物取引の証拠金として使い、実際には21,000円分先物取引に投資していることになる。
結果として10,000円で、8000円+21,000円=29,000円分の投資。すなわち290%分の取引ができて効率的な投資が可能になっている。
ここで先物取引について詳しく説明しておこう。
先物取引とは、「将来のある時点」の売買を約束する取引のこと。取引の約束をした権利を取引するので、外国為替証拠金取引(FX)と同じように、預けたお金以上の金額の取引ができる。
このとき、預けたお金のことを「証拠金」といい、実際に取引する金額のことを「建玉(たてぎょく)」という。また 「建玉÷証拠金」の値をレバレッジという。
ウルトラバランス 世界株式の場合は、建玉210%÷証拠金20%=10.5倍が先物取引のレバレッジとなる。
ウルトラバランス 世界株式の先物取引での建玉の資産配分例。先物の値動きがあるのでぴったりの割合にはならない。また市場の動向により投資割合が変わることもある。
引用元:ウルトラバランス 世界株式の交付目論見書/アストマックス投資投資顧問