人気沸騰の新型ジムニー。納期待ちが続き街中で見かける台数もあまりないのに、中古車なんてあるの? と思われるかもしれないが、実は少しずつだが中古車市場に出回り始めているのだ。
そこで、新型ジムニーの中古車を検証してみた。
新型ジムニーの中古車価格
中古車情報サイトを何件か確認。新型ジムニーの中古車236台を元にして、価格や相場をチェックしてみた。基本的に本体価格で、税金や諸経費は考慮していない。
新型ジムニーの中古車相場
新型ジムニーの中古車を調査したところ、2019年8月末現在、カスタム車両を含めて145万円〜298万円が相場となっているようだ。リフトアップなどの高度なカスタム車両を含まない場合は145万円〜260万円前後と目される。
続いてグレード別の相場をご紹介しよう。
最上級のXCは、全156台。新型ジムニー全体の66%ほどをXCグレードが占めている。
価格は174万円〜298万円(カスタム含む)となっており、リフトアップなどのカスタムを含まない場合は、174万円〜260万円前後となる。
続いてミドルグレードのXL。こちらは全53台で、新型ジムニー全体の22%ほどを占めている。また、XLグレードには「スズキ セーフティ サポート装着車」が25台あり、XLグレードのうち47%が装着しているようだ。
価格は163万円〜278万円(カスタム含む)。リフトアップなどのカスタムを含まない場合は、163万円〜210万円前後となる。
最後にベーシックグレードのXGは、全27台が登録されており、新型ジムニー全体の11%ほどを占めている。また、XGの「スズキ セーフティ サポート装着車」は7台で、XGグレードのうち26%ほどが装着しているようだ。
価格は145万円〜250万円(カスタム含む)。リフトアップなどのカスタムを含まない場合は、145万円〜205万円前後となる。
新型ジムニーの中古車はMT(マニュアル)とAT(オートマ)でどれくらい違う?
新型ジムニーには5速のマニュアルシフト車(5MT)と4速のオートマチック車(4AT)が用意されている。
新型ジムニー全体のうち、5MTは91台で145万円〜298万円、4ATは145台で163万円〜298万円となっていた。5MTの比率が39%となっているのは、趣味性の高いクルマならではだろう。
続いて各グレードもチェックしてみた。
最上級のXCグレードは、5MTが54台で174万円〜298万円、4ATが102台で174万円〜298万円となった。5MTの比率は35%だ。
ミドルグレードのXLは、5MTが17台で169万円〜278万円、4ATが36台で163万円〜238万円となった。5MTの比率は32%だ。
ベーシックグレードのXGは、5MTが20台で145万円〜250万円、4ATが7台で189万円〜235万円となった。5MTの比率は74%と高くなっている。
新型ジムニーをカスタムした中古車はいくらぐらい?
カスタムの基準は人それぞれかと思うが、ここでは、リフトアップを行い、マフラーやタイヤ、アルミホイールを車外部品に交換したものを基準としてみた。
ジムニー全体では260万円前後〜298万円。XCだと260万円前後〜298万円。XLで210万円前後〜278万円。XGで205万円前後〜250万円といった状況だ。
もちろん、カスタムには際限がないので大まかな相場でしかないが、参考になれば幸いだ。
新型ジムニーの中古車は北海道だとどのくらいが相場?
まだまだ台数が少ない新型ジムニー。北海道で販売されている中古車は3台しかなかった。ちなみに販売先も札幌、釧路、旭川とバラバラだ。
札幌では2019年式黄/黒のXCが246万7000円、2000km走行の4AT、寒冷地仕様で出品されていた。
釧路では2019年式グレーのXLが268万8000円、159km走行の5MT、2インチリフトアップ、新品BFグットリッチ ATタイヤ、社外アルミ&マフラーで出品。
旭川では2019年式黄のXGが278万8000円、143km走行の5MT、リフトアップ、新品BFグットリッチ ATタイヤ、社外アルミ&マフラーで出品されていた。
新型ジムニーの中古車は東京だとどのくらいが相場?
都内で出品されていた新型ジムニーは、まだまだ少ない8台だった。その内、23区内は2台、多摩地区で6台が出品されていた。
最安値は2018年式緑の5MTのXGが179万9000円。最高値は2018年式アイボリー/黒の4ATのカスタムXCが290万円となっていた。
新型ジムニーの新古車相場ってどれくらい?
新古車の定義は難しいが、仮に登録済み未使用車とすると、新型ジムニーの新古車は56台が出品されており、163万円〜260万円となっていた。
ちなみに新型ジムニーの新車価格はどれくらい?
最上級のXCはいくら?
スズキ独自の予防安全技術である「スズキセーフティサポート」を標準装備する、新型ジムニーの最上級グレードがXCだ。
XC 4WD・5MT
161万5000円
XC 4WD・4AT
170万5000円
コスパの高いXLっていくら?
装備が充実し、快適性に優れていながらコスパの良いグレードが、ミドルクラスのXLだ。
XL 4WD・5MT
146万5000円
XL 4WD・4AT
155万5000円
ベーシックモデルXGはいくら?
装備は簡素ながら、四駆としての走りの基本は共通のベーシックなグレードがXGだ。
XG 4WD・5MT
135万円
XG 4WD・4AT
144万円
新型ジムニーの中古車の注意点
ジムニーは趣味性が高く、オーナーの愛情が注がれた可能性が高いクルマだ。しかし、中古車ならではのトラブルが無縁かといえばそうではない。
ここに、大まかにチェックしたい項目を挙げた。もちろん、これだけでは足りない部分もあるが、下記は必ずチェックして、無用なトラブルを避けてほしい。
試乗前のチェック
1.整備記録簿があり、消耗品部品の交換や定期点検がしっかり行われているか確認する。
2.日本自動車鑑定協会 (NPO法人JAAA)鑑定士の鑑定書があれば、修復歴の有無や走行メーターが実走行か、機関や内外装の状態が保証される。
3.走行距離、年式、車検・保証の有無をチェックする。まだ新型ジムニーは年式が新しいのでまずないだろうが、一般的に10万kmが中古車の寿命といわれることも多いので、過走行の車両は避けたい。
4.修復歴がある新型ジムニーはなるべく避ける。
5.水没車を避ける。見分け方の目安として、シートベルトを全部伸ばし泥のような染みがないか確認してみよう。また、エアコンを止めた後にぞうきんのような匂いがする場合も、念のため避けた方がいいだろう。
6.外装にキズやへこみが無いかをチェックしよう。何となくツヤが感じられない車両も避けた方がいいだろう。さらに、タイヤの残り山を確認し、ライトなどのレンズ類のキズ・くすみ、内装の匂いやシートのへたり具合いなどをチェックしよう。基本的に「キレイ!」と感じられないジムニーは、前のオーナーがラフに扱っていた可能性が高い。
7.海沿いで使われて塩害が出ている新型ジムニーも避けたい。また、積雪地帯での利用も多く、さらに、オフロードでの激しい走行でボディに傷が付くこともある。塩害・雪害などはボディやフレームにサビが出ることが多いので、入念に確認したい。
8.ちょっと引いて眺めて、違和感がないかチェックする。転倒してボディが歪んでいたり、ぶつけていても、修理してペイントし直すと、何となくキレイに見えるのだが、全体のバランスが崩れていると、雰囲気でわかることがある。
試乗で車両状態を確認
1.試乗できる新型ジムニーは、必ず試乗して車両状態をチェックしよう。まずは、車内の各操作を点検する。パワーウィンドウはしっかり開閉できるか? ドアの開閉で異音はないか? エアコンはちゃんと機能するか? エンジンは容易にかかるか? アクセルやブレーキ操作で妙な渋さはないか? ドアロックなどはしっかり機能するか? イスのスライド、リクライニングに支障はないか? 各操作系はキチンと機能するか? そういった点検は必ず行おう。点検漏れがないように、事前にチェックリストを作るのも方法だ。
2.続いて、新型ジムニーの実走行をしよう。エンジンから異音はしないか? アクセルに素直に反応するか? ブレーキはキチンと効くか? ハンドルががたつかず、ちゃんとまっすぐ走るか? パワステがおかしくないか? ギャップでふらついたり変な音がしないか? といった項目は確認したい。
3.走行中に、ボディから妙なキシミ音が出る場合はフレームやボディが歪んでいる可能性もある。新型ジムニーはラダーフレーム構造でそもそも頑丈だが、フレームが歪んだ車両もある。さらに、フレームには異常がなくても、ボディに歪みがあったり、カスタム車両の場合はリフトアップなどで負荷がかかっていることもあるので注意が必要だ。
4.機械式の副変速機を操作する、トランスファーレバーの切り換えがスムーズで、異音がしないかも確認したい。
5.試乗後はエンジンオイルやデフオイルが漏れていないか? エンジン周り、ミッション周り、デフ周りをチェックしよう。
新型ジムニーシエラの中古車価格
大手中古車情報サイトでもまだまだ台数が少ないジムニーシエラ。
2019年8月末現在で235万円〜445万円といった中古車価格であった。280万円以上の車両はリフトアップなどのカスタムが施された車両なので、ノーマル状態では235万円〜280万円ほどが相場となっているようだ
※データは2019年8月下旬時点での編集部調べ。
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文/中馬幹弘