2018年7月5日に登場した新型ジムニー。ジムニーの良き伝統を感じさせるデザインと、本格的な4WD性能を獲得していながら、乗り心地は快適だ。そして、その快適さには進化した内装が大いに貢献している。
【参考】スズキ ジムニー
新型ジムニーのグレードは3種類
内装の紹介の前に、新型ジムニーのグレードをおさらいしておこう。
新型ジムニーは上位からXC、XL、XGの3種類となる。
XC
スズキ独自の予防安全技術「スズキセーフティサポート」を標準装備。新型ジムニーの最上級グレードがこのXCだ。
XL
XCからクルーズコントロールや本革巻きステアリング、アルミホイールなどが排されたものの、装備は依然として充実しており、快適性も上々。コスパに優れるグレードが、ミドルクラスとなるXLだ。
XG
ベーシックなグレードのXG。簡素な装備だが、本格的な4WDとして、走りの基本は共通となる。
インパネやステアリング周りはボクシーでスタイリッシュ
水平基調のデザインにボックス型の独立メーターを組み合わせたインストルメントパネル周りは、ジムニーらしさを印象づける。
手袋をしてても操作しやすい!大型4連のセンタースイッチ
左右にパワーウインドースイッチ、中央にESPOFFスイッチと坂道で便利なヒルディセントコントロールスイッチを配置。大型のスイッチのため、手袋をしたままでも操作しやすい。
本格4WDだって快適に走りたい! フルオートエアコンも用意
XCとXLには快適なフルオートエアコンを装備。XGはマニュアルだが、全車がエアコンを標準装備する。
機能に徹した立方体メータークラスター
ジムニーの伝統を意識させる、機能美あふれる立方体のメータークラスター。マルチインフォメーションディスプレイが中央に設置されている。
結構便利!マルチインフォメーションディスプレイを使いこなせ!
スピードメーターとタコメーター(エンジンの回転数計)の間にマルチインフォメーションディスプレイを配置。瞬間燃費、平均燃費、航続可能距離、外気温計、時計、半ドア警告表示などを全車に標準装備する。
また、XCとスズキ セーフティ サポート装着車には、平均車速、走行時間、デュアルセンサーブレーキサポートなどの各種警告表示ができる。
本革巻きのステアリングホイールをXCに用意
XCには上質感を高める本革巻きのステアリングホイールが標準装備される。また、XLとXGはグリップのしやすいウレタンステアリングホイールが標準だ。
35mm幅で調整できるチルトステアリング
全車標準で35mm幅で高さを調整できるチルトステアリングを採用。快適なドライビングポジションをとりやすい。
グレードによっては撥水シートも採用! 後部座席だって快適!
ジムニーは3グレードともファブリック素材のシートを採用する。フロントシートは大型のバケットタイプで、前後240mmのシートスライドを10mmピッチで行える。
また、スクエアボディのため肩より上のスペースに余裕があり、ドライバーと助手席の間に窮屈さを感じさせない。また、幅広のシートフレームと快適なクッション性能により、オフロードでも優れた乗り心地を実現する。
XC/XLには撥水ファブリックを採用
XC/XLは上質な撥水ファブリックをシート生地に使っており、車外で不意の雨に見舞われても快適に着座できる。また、後席にヘッドレストを採用しているのもこの2グレードとなる。
XGはシンプルなファブリック
XGはシンプルなファブリックを採用するが、先代までのジムニーと比較すると座り心地、質感とも上々だ。
12段階もリクライニングする左右独立のリアシートも用意
リアシートはシートサイズ自体はあまり大きくないが、タイヤハウスの上に設置された、プラスチック製の肘置きスペースのおかげで、左右に余裕があり、2人乗車も苦にならない。
フロントシートを一番前にセット。ヘッドレストを外して倒すと、リアシートとフラットな状態になる。また、左右独立の12段階リクライニング機構をリアシートに採用した。
ラゲッジスペースは大容量の352Lに!
リアシートを倒すと、新型ジムニーには最大で352Lの荷室スペースが誕生する。荷室開口幅は1015〜1030mm、荷室高さは850mm、2名乗車時の荷室床面長は980mmとなる。
ゴルフバッグは横に2個積める
9.5インチ・長さ1300mmのゴルフバッグなら、2名乗車時ならヨコに2個積載できる。夫婦でゴルフもジムニーなら可能だ。
2人分の登山道具も積載
2人分の登山道具も余裕で積載可能。XC/XLに標準装備されたラゲッジボックスに、ブーツなどの汚れ物も収納できる。
助手席を倒せばさらに広大に!
さらに助手席を倒せば、例えば脚立などの収納も可能。室内長1800mmなので、大人でも快適に寝転がれるほどだ。
新型ジムニーの内装をアクセサリーパーツでカスタム
新型ジムニーにはメーカーが豊富なアクセサリーを用意している。走りや外観のカスタムのためのパーツに加え、内装をブラッシュアップするアクセサリーパーツもラインアップする。
その中から、アウトドアを楽しくするパーツを厳選して紹介する。
車中泊に快適な低反発ウレタンフォームのマット
ジムニーの助手席とリアシートを倒して低反発ウレタンフォームのベッドクッションを敷けば、車中泊も楽しくなりそう。本体価格3万2000円(税別・以下同)
車外からの視線をさえぎるシェードが◎
新型ジムニーのフロントガラス+フロントドア左右をフロントプライバシーシェードで、リアクォーターガラス+バックドアをリヤプライバシーシェーで覆えば、車外からの視線を気にせず車中泊や着替えができる。フロントプライバシーシェード(メッシュ付)本体価格2万2000円、リヤプライバシーシェード2万5000円
釣り好きはタックルをしっかり保管
脚のいいタフな新型ジムニーに乗ると、ちょっと遠出して釣りなどしたくなる。そんな時にロッド(釣り竿)を室内保管できるのがロッドホルダーだ。3本まで積載可能となっている。本体価格1万6000円
以外と傷つきやすいリアドア周りをおしゃれにガード&ブラッシュアップ!
荷物の積み込みなどで、荷室ドアの開口部は意外と傷つきやすい。特にフロア部分は荷物の重みもかかってしまう。そこで活用したいのがこのリヤゲートメンバーガーニッシュだ。カモフラージュと縞鋼板柄が選べるので、おしゃれにジムニーを彩れるはず。本体価格1万円
新型ジムニーシエラの内装
新型ジムニーシエラは、新型ジムニーをベースに1.5Lの新開発「K15B型エンジン」を搭載した乗用車だ。オーバーフェンダーとサイドアンダーガーニッシュを装備し、新型ジムニーよりもワイドで力強い印象を与えてくれる。
グレードはJC、JLの2種類が用意されていて、内装はほぼ、新型ジムニーに準ずる。アクセサリーパーツも同様に活用可能なので、カスタムも自在だ。
歴代のジムニーの内装もチェック
ジムニーの歴史は、1970年に初代が登場したことで始まる。軽自動車で唯一の本格的4WDは人気を集め、以来50年ほどの歴史を重ねてきた。
2代目は1981年に登場。3代目は1998年〜2018年まで20年もの間、販売されたロングセラーだ。
新型ジムニーの内装の進化を実感すべく、歴代のジムニーの内装もチェックしてみよう。
初代ジムニー「LJ10」の内装
1970年に登場した初代ジムニー「LJ10」は、ラダーフレームを基本骨格とし、悪路でも信頼性が高い前後リーフリジットのサスペンションを装備。大径の16インチタイヤを足下に履く。
また、高速と低速の2段切り換えができる副変速機で駆動し、高いオフロード性能を手にした本格仕様だ。
その内装は質実剛健そのもの。不要なものは一切ない潔さは美しい。
2代目ジムニー「JA11」の内装
1981年にジムニーは2代目へとフルモデルチェンジした。洗練されたスクエアなフォルムは、ジムニーをよりスタイリッシュにし、オフロードユースのみならず、シティライドのためのクルマとしても人気を得るようになった。
1990年に登場したJA11は、排気量を657ccに拡大。インタークーラーターボは最高出力55PS/5500rpmを実現した。
後期モデルではATやパワーステアリング仕様も登場。ユーザー層の拡大に成功している。
内装は初代と比較するとゴージャスでモダンなものになっている。水平基調のデザインは現行の新型ジムニー(JB64)にも通じる。
2代目ジムニー「JA22」の内装
オールアルミ製ツインカムターボエンジンを搭載。最高出力は64PS/6500rpmを発揮するJA22は、1995年に登場。サスペンションをコイル式とし、顔つきも大幅変更。より乗用性能を高めている。
内装は3連ホワイトメーターを採用し、より洗練度を上げている。シート生地をカラフルで明るいものとし、ヘッドレストを4名分確保するなどさらに快適な空間をジムニーにもたらした。
3代目ジムニー「JB23」の内装
1998年にフルモデルチェンジで生まれ変わった、3代目ジムニー「JB23」。空力を意識したフォルムは新世紀に向けて洗練されたものだが、ラダーフレームの基本骨格はジムニーの伝統を継承している。
内装は、リアのフロアがやや高いものの、パワーウィンドウやパワードアロック、豪華なシート生地などと相まって、乗用性能をグッと高めた。
※データは2019年8月下旬時点での編集部調べ。
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取材・文/中馬幹弘