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煮込み料理なども短時間で作れる優れものが『圧力鍋』です。
幅広い料理にも対応し、数多くの家庭でも大活躍しています。しかし、使い方が分からないので利用したことがない人もいるようです。そこで、圧力鍋の使い方やお役立ちレシピなどをまとめました。
圧力鍋の基礎知識
数ある調理器具ですが、『圧力鍋』という言葉を耳にしたことはあるでしょう。とても便利な鍋として、その名前は広く知られています。
しかし、その名前が浸透している一方で、「まだ利用したことがない」「使い方が分からないので家に置いていない」という人もいます。
一度使うと手放せなくなるという声も数多い圧力鍋について、どういうものか基礎的な部分について解説してみましょう。
そもそも圧力鍋とは?
『圧力鍋』、そのインパクトのある名前から、耳に馴染みがある人は多いようです。しかし、どのような仕組みで、どういった効果があるのか知らない人もいるでしょう。
圧力鍋を一言で説明すると、『圧力を調整する仕組みのある鍋』となります。鍋の中に止まる空気や液体を密封し、逃がさない構造とすることで、鍋の中の圧力を通常よりも高くできるのです。
そうすることによって、鍋の中は高温高圧な環境となります。そのため、短時間で、より美味しい料理が作れるのです。
もう少し、仕組みを詳しく説明します。一般の鍋では、水は100℃で沸騰します。しかし、圧力鍋の沸点は120℃と高く、より高温での調理が可能なのです。
圧力鍋は大きく分けて2種類(オモリ式・スプリング式)
一口に圧力鍋といっても、その種類は大きく2種類に分けられます。圧力鍋の選択には、この違いを知ることが大切です。それぞれについて見ていきましょう。
圧力の調整方法が異なることで、圧力鍋のタイプが違ってきます。それは『オモリ式』と『スプリング式』とに分類されるのです。
オモリ式
オモリ式は、金属製の重りで蒸気口を塞ぎます。比較的単純な構造で、圧力がかかった鍋から蒸気が出てくると、その力で重りが揺れて音を鳴らします。
スプリング式
一方、蒸気口にバネを仕込み、その力によって圧力を調整するタイプがスプリング式です。蒸気が音を鳴らすオモリ式に対して、スプリング式ではほぼ音は鳴りません。
オモリ式と比べてやや複雑な構造を施したスプリング式は、音が鳴らず静かで、臭い漏れなども気にならないでしょう。
圧力鍋にはどんな使い道がある?
圧力鍋がこれほど普及していることには、理由があります。空気圧を調整し、高温高圧な状態で調理することで、大きなメリットが得られるのです。
圧力鍋を手にしたことがない人の多くは、このメリットを知らないケースが多いのではないでしょうか。
慣れると使わずにいられないという声も数多い圧力鍋の利点を探ってみましょう。
調理時間を短くできる
圧力鍋によって得られる最大のメリットといえば、やはり『調理時間の短縮』でしょう。これは、見逃せない大きな特長です。
なかには「単に時間が短くなるだけ?」と感じる向きもあるようです。しかし、時間は、美味しさや料理の質と大きく関連していることを忘れたくないものです。
例えば、骨までホロホロと柔らかくなったお肉には、深い味わいがあります。骨付き肉をこの状態にまで煮込むには、鍋を見守る時間と神経を要するでしょう。
しかし、圧力鍋を使えば、味がしみ込み、骨まで柔らかくなった煮込み料理も、短時間で調理することができるのです。
仕事に子育てにと忙しい毎日にあって、時間の短縮は、美味しく質の高い料理に大きく貢献してくれる大切な要素といえるでしょう。
光熱費を節約できる
家計において、光熱費は決して軽視できないものです。毎日の暮らしに欠かせないものであるだけに、その節約に腐心している家庭も多いでしょう。
圧力鍋の大きなメリットとして、光熱費が節約できることがあります。料理にかける光熱費をランニングコストととらえると、とても嬉しい効果です。
これは調理時間の短縮と関連していますが、料理を火にかけておく時間が短くなることで、必然的に光熱費を抑えられます。
また、他の鍋と比べて余熱利用の幅が広いことも、光熱費抑制に一役買う要因です。調理における余熱利用は、食材の柔らかさや美味しさもアップさせ両得ともいえるでしょう
圧力鍋の簡単な使い方
圧力鍋に対するイメージを聞くと「使い方がよく分からず難しそう」という声も耳にします。そのような印象が影響し、まだ使ったことがない人もいるのでしょう。
しかし、実際に使ってみれば印象がガラリと変わり、もっと早く使い始めればよかったと感じるケースも多いのです。
そこで、圧力鍋の使い方を具体的にイメージするため、オモリ式圧力鍋でカレーを作る流れを解説してみましょう。
具材を入れて鍋をセットする
お肉にじゃがいも・玉ねぎなどを一口大にカットしましょう。食材がゴロゴロと大きなカレーが好きという人もいるので、圧力鍋のメリットを感じるために大きめでもかまいません。
そして、食材を圧力鍋に入れます。そこに既定量のお水を加え、圧力鍋の蓋と重りを正しくセットしましょう。
ここで、疑問を抱く人もいるかも知れません。それは、具材を炒めていない点についてです。ですが、心配はいりません。具材は炒めず鍋に入れてOKです。
火にかけて加熱後は火を消す
次に、加熱です。そのとき、中火から強火の中間くらいで火力を設定します。例えていえば、圧力鍋の鍋底から火がもれ出ない程度の火力がいいでしょう。
時間とともに、圧力鍋の蓋の頭部にあるピン状のものが上昇していきます。これは、圧力鍋の中の圧力を示すサインのようなものです。
この目印が少しずつ上がり、ほどなく蒸気が出てくるでしょう。蒸気とともに、音もシューシューと聞こえてきます。
その後、蒸気の勢いが強くなり、勢いよく重りが振られてくるでしょう。それを確認したら火を弱火にし、その圧力鍋が規定する時間加熱です。
加圧時間が0(ゼロ)のタイプであれば、すぐに火を止めて大丈夫です。
放置してから蓋を開けて完成
火を止め、しばらく放置しましょう。その間も、圧力鍋の中では圧力が保たれています。鍋の中では、引き続き具材が煮られているのです。
圧力を示すピンが上昇し続け、音が鳴っている間は蓋を開けずにおきます。そのまま圧力が下がるのを待ちましょう。
ここで便利な点は、火は止めてあるので圧力鍋の前で釘付けにならなくてもいいことです。火の心配をせずに、安心して他のことができます。
そして、ピンが下がり、重りを傾けても空気がもれ出てこず、圧力が下がったことを確認してから蓋を開けます。そこにルーを入れてもうひと煮立ちすれば、簡単にカレーの出来上がりです。