住宅ローンを借りる前に必ず行いたいのが返済のシミュレーションだ。
頭金や月々の支払いから逆算することで購入できる住宅の予算もわかるし、買った後で支払いに難儀する……そんな不測の事態が避けられるかもしれない。
住宅ローンの返済をシミュレーションや返済額早見表で試算
金融機関、不動産会社、住宅販売会社など各種のWebサイトで、住宅ローンの返済をシミュレーションできる。返済額の早見表から月々の支払いなどを確認したい。
住宅ローンのシミュレーションをスーモのWebサイトで計算
リクルートグループが運営する不動産検索「SUUMO(スーモ)」は、賃貸物件や売買物件が探しやすいと好評。また、アプリも使い勝手がいい。
そんなスーモの住宅ローンシミュレーションを、Webブラウザでチェックしてみよう。購入可能額、月々の支払額をそれぞれ、ローン金利や返済期間、頭金を考慮した試算ができて便利だ。
さらに、試算でわかった住宅価格を元にして、新築マンション・新築一戸建て・中古マンション・中古一戸建てを住みたいエリアから物件を検索できるのも優れものだ。
みずほ銀行の住宅ローンシミュレーション
みずほファイナンシャルグループの傘下で、3大メガバンクの一角を占める大手都市銀行がみずほ銀行だ。
この銀行の特徴は宝くじを取り扱うこと。そんな親しみやすい印象のあるみずほ銀行のWebサイトでも、住宅ローンのシミュレーションができる。
新規の借り入れ試算はもちろんのこと、ローンの借り換えを試算したり、現在みずほ銀行の住宅ローンを利用している人のために、金利方式切り換えのシミュレーションや、一部繰上返済のシミュレーションも可能だ。
住宅ローンの計算はスマホのアプリでもできる
Webブラウザを大画面で見られるPCに対して、画面サイズが限られるスマホ、タブレットでは、画面サイズを考慮したアプリの方が、シミュレーションしやすい場合もある。
例えば、住宅ローン計算シミュレーターというアプリでは、ローンの条件を入力すると自動で返済額を計算、5種類の条件を保存して比較できるのが便利だ。
住宅ローンは金利が返済額に大きく作用する
2019年8月現在、住宅ローンの金利が0.4%前後のものも選べるという、超低金利時代。だが、経済の先行きとは不透明なものであり、ましてや30年前後の借り入れが一般的な住宅ローンの場合、現在の金利が10年、20年、30年後まで継続されるとは限らない。
例えば、1000万円の借り入れに対して年利が1%違うと、年間10万円の違いが出る(元金の減額は便宜上考慮していない)。これを12か月で割れば8000円強の支払い額の差になる。
低金利で住宅ローンを借り入れしやすいからこそ、将来の金利上昇に対応できるよう、支払い額の設定は余裕を持って行う方がいい。
住宅ローンの借り入れ可能額から予算を組む
建て売りか注文か、戸建てかマンションか、新築か中古か……いざ住宅を購入するといっても、種別は様々だ。また、土地や広さにより住宅の価格は異なる。
もちろん、土地の広さ、場所、マンションであればフロアの高さなど、希望の条件を全て受け入れてくれる住宅を購入できればそれに越したことはない。
だが、実際に購入するなら予算が限られる。それは、借り入れ可能額にも左右される。例えば借り入れが3000万円までの人と、借り入れが5000万円まで可能な人では、頭金が一緒だとしても購入できる住宅に違いは出る。
まずは、買いたい住宅、条件を決めよう。そして、自分が住宅ローンでいくら借り入れできるかが予算となる。その予算をオーバーしない住宅が「購入できる家」になる。
年収から住宅ローンの借り入れ可能額を計算する
予算をどのくらいにすべきか悩んでいる人は、自分の年収(および世帯年収)で組める住宅ローンの目安を出せるので、参考にしてみてはいかがだろうか?
例えばスーモでは、年収でわかるローンの目安と「買える金額」を公表している。
【参考】SUUMO生活マニュアル|「買える金額」を見極めよう
ここでは、「買える金額=頭金+住宅ローン借り入れ額」としている。
また、頭金は貯金のうち、購入諸費用、生活予備費、将来への貯蓄を引いたものとし、物件価格の1〜2割程度の準備をしたいとする。
同サイトが試算した年収からみる借り入れ額の目安は以下となる。
税込み年収が300万円なら借り入れ額の目安は2040万円
税込み年収が400万円なら借り入れ額の目安は2720万円
税込み年収が500万円なら借り入れ額の目安は3400万円
税込み年収が600万円なら借り入れ額の目安は4080万円
税込み年収が700万円なら借り入れ額の目安は4760万円
【試算の基準】返済負担率(年間返済額が年収に占める割合)25%、住宅ローン金利1.5%、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なしの条件で試算。もちろん条件によっては表記の金額を借りられないケースもある。
仮に税込みの年収が500万円なら、4250万円の住宅が購入対象になりうる(頭金として物件価格の2割、850万円を用意)。
住宅ローンの借り入れ可能額をシミュレーション
ここでは、楽天銀行住宅ローン(金利選択型)/フラット35の借り入れ可能額をシミュレーションしてみよう。
年収が600万円、借り入れ期間を35年、他の借り入れ金年間返済額を36万円、元利均等返済と想定すると、2019年8月末現在での借り入れ可能額は以下のようになる。
【参考】楽天銀行 住宅ローン|現在の年収額からお借入可能額を試算します。
住宅ローンを繰り上げ返済するためのシミュレーション
住宅ローンを無事借りられて、念願の我が家を購入。順調に支払いも進み貯蓄も多少できた……そんな時は住宅ローンの繰り上げ返済をするのもありだろう。
金融機関などのWebサイト、アプリなどで、様々な住宅ローンを繰り上げ返済のシミュレーションが存在する。一度それらを試してみて、繰り上げ返済の効果があるか確認してみてはいかがだろうか?
【参考】三井住友銀行「住宅ローン 一部繰上返済シミュレーション」
CASIO「keisan 生活や実務に役立つ高精度計算サイト」
住宅ローンの繰り上げ返済をエクセルでシミュレーションする
MicrosoftのExel(エクセル)を使って、住宅ローンの繰り上げ返済の計算が行える。
Microsoftはシミュレーション用のテンプレートを用意しているので、ダウンロードして活用しよう。金額を任意で入力できるので、複数回の繰り上げ返済もシミュレーションできる。
【参考】繰上げ返済のローン計算
さらに自分好みに使うなら、直接関数を入力して計算する方法もある。
住宅ローンの繰り上げ返済には控除に気をつけよう
住宅ローンなどにより個人がマイホームの新築、取得または増改築などをして、2021年12月31日までに自己の住居として一定の要件を満たす場合に、所得税額から控除するものを住宅借入金等特別控除と呼ぶ。
住宅ローンを繰り上げ返済して控除期間以前に完済する場合、住宅借入金等特別控除が適用されないケースもあるので注意したい。
【参考】国税庁「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
※データは2019年8月下旬時点での編集部調べ。
※本記事は住宅ローンの利用を推奨する目的はありません。あくまで自己責任・自己判断でご利用下さい。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
文/中馬幹弘